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関東大震災100年 首都直下地震の備え 携帯電話の位置情報で避難誘導

  • 2023年1月5日

関東大震災からことしで100年になります。建物の耐震や耐火などの対策が進んだ一方で、首都直下地震などの大地震が起きた場合、東京都の想定では450万人を超える帰宅困難者の対応が課題となっています。こうした中、都は帰宅困難者の避難誘導に携帯電話の位置情報を活用する全国初のシステムの開発を進めています。システムの内容などをまとめました。

関東大震災 10万人以上が犠牲に

1923年9月1日、神奈川県西部を震源とするマグニチュード7.9の地震が起き激しい揺れによる建物の倒壊や津波、土砂災害、それに東京や横浜を中心に大規模な火災が発生して10万人以上が犠牲となりました。

首都直下地震 帰宅困難者で群集雪崩の懸念も

この100年で建物の耐震や耐火などの対策が進んだ一方、交通網の発達により、首都直下地震などの大地震が起きた場合の都の想定では、450万人を超える帰宅困難者の対応が課題となっていて、大勢の人がターミナル駅などに集まって引き起こされる群集雪崩への懸念が指摘されています。

携帯電話の位置情報 密集地域に注意喚起

こうした2次被害を防ごうと都は帰宅困難者の避難誘導に携帯電話の位置情報を活用するシステムの開発を進めています。都によりますと携帯電話会社などの協力を得て250メートル四方に人がどれだけ集まっているか把握し密集地域にいる人の携帯電話に注意を促すということです。

SNSを使い一時滞在施設への誘導も

都は今後、SNSを使って近くの一時滞在施設へ誘導できるようにするなどの改良を行いながら今年度中に暫定的な運用を始めたい考えです。帰宅困難者の避難誘導に携帯電話の位置情報を活用するのは全国初だということです。

気象庁が特設ウェブサイト 被害写真など掲載

一方、気象庁は関東大震災からことしで100年になるのに合わせて特設のウェブサイトを立ち上げ、公開しました。

この中では気象庁の当時の職員などが東京と神奈川県、それに静岡県で被害状況を撮影した23枚の写真が掲載され、このうち、東京駅前から日本橋方面を写した1枚では、一帯が焼け野原となっているのがわかります。

東京駅前から日本橋方面を撮影

このほか、神奈川県鎌倉市の寺の被災の様子や高さ数メートルの津波が押し寄せた静岡県の海岸の様子などが見てとれる写真も掲載されています。

火災旋風・当時の気象条件など更新予定

このほかサイトでは、地震の揺れが北海道から四国・中国地方におよぶ広範囲で観測されたことや、当時観測された地震計の波形記録なども見ることが出来ます。さらに、関東地方で起きる地震の特徴や過去の発生履歴などを図解で説明しているほか、詳しい資料へのリンクも紹介しています。

気象庁は今後、関東大震災の火災に伴って発生し、多くの犠牲者を出した「火災旋風」と呼ばれる現象や当時の気象条件などを更新していくとしています。

気象庁
「関東大震災の被害の大きさを改めて知ってもらい大規模な地震に備えるため、防災の知識を学んだり家庭で話し合ったりするきっかけにしてもらいたい」

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