大雪で停電した地域では車の中で一酸化炭素中毒になる事故が起きています。排気ガスに含まれた一酸化炭素がエアコンの外気の導入口などから車内に入り込むということです。大雪で車内にとどまる際の注意点や事故を防ぐための対策についてまとめました。
一酸化炭素は無色透明で、臭いもないため発生していても気づきにくく吸い込むと、血液中で酸素を全身に運ぶ働きがある「ヘモグロビン」に結びついて、酸素が体に行き渡るのを妨げます。
これによりさまざまな症状が出るのが「一酸化炭素中毒」で、軽度の頭痛や吐き気などから始まり、その後、意識を失ったり死亡したりする危険があります。
大雪で停電した地域では一酸化炭素中毒による事故も起きています。新潟県柏崎市では12月20日、雪に埋もれた車の中で女性が死亡しているのが見つかり、死因は一酸化炭素中毒だと確認されました。
エンジンのスイッチは入った状態になっていたということで、警察は、車内で暖をとっていたところ、マフラーが雪で埋まったとみて調べています。
車のマフラーに雪が詰まると、排気ガスが車内に入り込んで、一酸化炭素中毒のリスクがあり、大変危険です。
JAF=日本自動車連盟は車のエンジンをかけてボンネットの上まで雪をかぶせた状態で実験しました。
〇車内の一酸化炭素濃度
マフラー周辺を除雪していない場合は、およそ20分後に車内の一酸化炭素の濃度が3時間で死亡に至るほどまで上昇しています。
一方で、マフラーの周辺をこまめに除雪した場合は、濃度は大きく変化しませんでした。
〇排気ガスが車内へ【動画】
実験の動画では、マフラーから出た排気ガスがエアコンの外気の導入口などから車内に入りこむ様子が確認できます。発煙筒の煙で色がついているように見えますが、ガスに含まれる一酸化炭素は無色・無臭のため、気づきにくいということです。
〇一酸化炭素中毒を防ぐ
JAFは、立往生などで車の中にとどまる際には、できるだけエンジンを切ることや、除雪用のスコップや毛布などを車内に用意しておくことを呼びかけています。
また、暖房などのために、エンジンをかける場合は、マフラーのまわりをこまめに除雪してほしいということです。
また、発電機の排気ガスにも一酸化炭素が含まれていて、注意が必要です。
12月20日、柏崎市で、家の玄関で発電機を使っていた家族4人が体調不良を訴え病院に搬送されました。消防によりますと、一酸化炭素中毒の可能性があるということです。
NITE=製品評価技術基盤機構が行った、室内で発電機を使った実験によりますと、時間が経過するにつれて一酸化炭素の濃度が上がり、およそ8分後には、2時間で死亡する値を超えました。
消防などは、発電機は室内ではなく、屋外で使用してほしいと呼びかけています。