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緊急地震速報に長周期地震動を追加 発表基準の階級3とは【動画あり】

  • 2022年10月7日

2011年の東北沖の巨大地震、東日本大震災では、震源から遠く離れた東京や大阪の超高層ビルも大きく揺れ、被害が相次ぎました。こうした長周期地震動について気象庁は、来年の2023年2月1日から緊急地震速報の発表の対象に加えることになりました。長周期地震動の特徴や、発表の基準となる揺れはどんな揺れなのかまとめました。動画も掲載しています。

長周期地震動 4段階の「階級」 どんな揺れか

気象庁は、長周期地震動の揺れの大きさに応じて、4段階に分けた「階級」を作っています。

〇階級1「やや大きな揺れ」
最も小さい「階級1」は「やや大きな揺れ」で、室内にいるほとんどの人が感じ、ブラインドなどのつり下げたものが大きく揺れるとしています。

「階級1」は、9月末までの20年あまりの間に249回発生しているということです。

〇階級2「大きな揺れ」
「階級2」は「大きな揺れ」で、室内では物につかまらないと歩くことが難しく、棚にある食器や本が落ちることがあるとしています。

「階級2」は、9月末までの20年あまりの間に84回発生しているということです。

〇階級3「非常に大きな揺れ」
「階級3」は「非常に大きな揺れ」で、立っていることが困難になるほかキャスター付きのオフィス機器などが大きく動き、不安定なものは倒れることがあるとしています。

緊急地震速報の対象となる「階級3」は、9月末までの20年あまりの間に16回発生しているということです。
最近では、2021年3月20日に起きた宮城県沖を震源とするマグニチュード6.9の地震で、宮城県涌谷町で「階級3」の揺れを観測しています。

〇階級4「極めて大きな揺れ」
「階級4」は、「極めて大きな揺れ」で、立っていることができず、固定していない家具の大半が移動し倒れるものもあるとしています。

「階級4」は、9月末までの20年あまりの間に17回発生していて、2011年の東日本大震災の際の東京の揺れもこの階級に相当するということです。

長周期地震動の特徴は どんな被害を想定?

「長周期地震動」は、大きな地震の際に発生し、震源から離れても揺れが衰えにくく、超高層ビルをゆっくりと大きく揺らすのが特徴で、ビルの上層階ほど揺れが大きくなるということです。

国の想定では「南海トラフ巨大地震」でも長周期地震動が発生し、東京・名古屋・大阪の超高層ビルの揺れ幅は2メートルから3メートルに達して東日本大震災を上回ることもあるとしています。

緊急地震速報の発表対象に追加 2023年2月から

長周期地震動について気象庁は、2023年2月1日から緊急地震速報の発表の対象に加えることになりました。

発表の対象となるのは、気象庁の定める長周期地震動の4段階の揺れの大きさのうち、上から2番目で立っているのが困難だとされる「階級3」以上の揺れが予測される地域です。

従来の震度5弱以上の揺れが予測された場合に加えて、こうした長周期地震動が予測される地域にも緊急地震速報が発表され、ビルの高層階などに警戒が呼びかけられるようになります。
また、一度、震源の近くの地域に速報が発表されたあと、長周期地震動が予測された別の地域に追加で発表されることもあるということです。

気象庁によりますと、2000年以降、「階級3」以上の長周期地震動を伴う地震は、東日本大震災の際の地震などあわせて33回にのぼるということで、気象庁は、2023年2月の運用開始に向けて周知を進めていくことにしています。

NHKは、この長周期地震動を追加した緊急地震速報を運用開始から迅速に伝え、揺れへの警戒を呼びかけることにしています。

“行動は変わらない 慌てず身を守ってほしい”

気象庁地震津波防災推進室 古謝植之調査官
「長周期地震動は震源から離れたところまで大きな揺れが伝わる特徴があり東日本大震災では東北から離れた地域の高層ビルで被害が出たが、現在の緊急地震速報では危険を伝えることができないため、長周期地震動の情報を基準に加えることにした。
情報はビルの上の階に住んでいる人や働いている人、それにビルを管理する人などに使ってほしい。従来の緊急地震速報を受けての行動と長周期地震動に備えた行動は今までと変わらないと考えているのでこれまでどおり慌てずに身の安全を守ってほしい」

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