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「猛烈な台風」とは 台風11号なぜ急速発達 最大瞬間風速70mでは何が

  • 2022年8月31日

急速に発達した猛烈な台風11号は、小笠原諸島や大東島地方では50メートル近い最大瞬間風速も観測しました。台風11号が急速に発達した2つの理由、また、台風の中心付近の70メートルを超える最大瞬間風速ではどんな被害が考えられるのか、まとめました。

「猛烈な」「非常に強い」「強い」台風の強さの基準は

台風の「強さ」は、台風の中心付近の最大風速が、33メートル以上44メートル未満で「強い」、44メートル以上54メートル未満で「非常に強い」、そして、54メートル以上になると「猛烈な」と表現します。

急速に発達 2022年 台風11号

台風11号は、8月28日、午後3時に発生した当初は中心の気圧が1004ヘクトパスカルでしたが、30日午後3時には935ヘクトパスカルと非常に強い勢力となり、わずか2日で70近くも急激に低下しました。

台風が接近した小笠原諸島の父島では、29日、8月としては観測史上最も強い48.4メートルの最大瞬間風速を観測しました。
父島に観光に訪れている28歳の男性が、29日午後6時前に、島の中心部で撮影した映像には、駐車していた2台のバイクが強風で次々と倒れる様子が映っています。

撮影した男性
「強い風が時間くらい続き、大型のバイクも倒れたり、屋根の一部とみられる板が吹き飛んだりと、どこから何が飛んでくるのか分からない状態だったので、外は危険な状態だと思い建物の中に避難しました」

急速発達の理由(1)「海水温」 台風11号

台風11号は短時間で急速に発達し、「猛烈な台風」となりました。なぜ、ここまで急速に発達したのか。気象庁によりますと、考えられる原因の1つが「海面水温の高さ」です。

台風11号が通過する日本の南の海域には海面水温が30度以上と温度が高い領域が広がり、平年と比べても1度から2度ほど高くなっています。
こうした海域を通過することで、台風に大量の水蒸気が供給され発達につながったとみられます。

急速発達の理由(2)「台風の大きさか」 台風11号

さらに、台風が比較的コンパクトな点も影響したといいます。台風は強風域の半径が500キロ以上だと「大型」となりますが、台風11号は30日午後3時の時点で165キロから220キロほどです。
こうした台風は比較的少ない水蒸気の量でも雲が中心に向かってまとまりやすく発達しやすいということで、急速な発達の原因になっているのではないかとしています。

最大瞬間風速70メートル超 予想される被害は

2015年 台風15号

気象庁によりますと、31日午後5時の段階で台風11号は、中心付近で最大風速55メートル、最大瞬間風速は75メートルに達しています。9月2日にかけさらに発達し中心付近の最大瞬間風速は80メートルになると予想されています。
専門家で作る日本風工学会によりますと、最大瞬間風速70メートルは時速に換算するとおよそ250キロと、新幹線の速度に匹敵するということです。

屋外の行動は極めて危険で、住宅の一部は倒壊し、鉄骨の建物でも変形するおそれがあるほか、電柱やブロック塀が倒れたり、走行中のトラックが横転したりすることがあるということです。

過去の被害 とるべき対応は

2003年の台風14号では、沖縄の宮古島で74.1メートルの最大瞬間風速を観測し、割れた窓ガラスで屋内にいた女性1人が死亡したほか、風力発電用の風車の倒壊が相次ぎました。

2015年 台風15号

2015年の台風15号では、沖縄の石垣島で71メートルの最大瞬間風速を観測し、車が飛ばされたり電柱が倒れたりする被害が相次ぎ沖縄県で11人がけがをしたほか最大で2万戸余りが停電しました。

風が強まる前に頑丈な建物に移動して外出を控え、屋内では窓から離れるようにしてください。

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