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神奈川 相模川 氾濫すれば被害広範囲と想定 命を守るポイント

  • 2022年6月28日

首都圏各地を流れる川のリスクをお伝えする「かわ知り」。今回は、山梨県を源流に神奈川県の中央部を南北に流れる相模川です。古くから堤防などの整備も進み、近年、大きな水害は起きていませんが、ひとたび氾濫が起きれば、被害が広範囲に及ぶと想定される相模川で、命を守る3つのポイントをお伝えします。
(横浜放送局/記者 高橋哉至)

近年大きな被害はない相模川だが…

神奈川県の相模原市や厚木市、それに茅ヶ崎市などを流れる相模川。近年大きな水害は起きていません。しかし、最近の想定外の豪雨などを考えると決して油断はできません。命を守るポイントを紹介します。

命守るポイント(1)「氾濫すると浸水は広範囲に」

ハザードマップを見てみると、もともと大きな川だけに相模川本流や支流で大規模な氾濫が起きた場合、浸水が想定される範囲は8市3町におよび警戒が必要です。

命守るポイント(2)「ダムの放流情報に注意」

相模川の特徴の一つが大きなダムが複数あることです。大雨の際には、こうしたダムの放流情報を知ることが重要です。相模原市にある城山ダムは、川の最も下流側にあり、ここより下は人口が集中する地域です。このダムをめぐって神奈川県や流域の自治体には忘れることができない教訓があります。

過去の台風では緊急放流も

令和元年10月12日。関東に大きな被害をもたらした台風19号の影響で、城山ダムの上流部では、総雨量が525ミリを超える記録的な大雨となりました。
この日の夜、城山ダムは貯水量が限界に達し、流れ込む水をそのまま下流に流す緊急放流を行いました。

連絡体制で課題が浮き彫りに

神奈川県は当初、午後10時に緊急放流を行うと流域の8つの自治体に通知しました。しかし、雨量が急激に増加したため放流時刻を急きょ、午後9時半に前倒ししたのです。

放流直前に自治体に連絡する決まりとなっていましたが、このとき、混乱の中で、一部の自治体には放流後の連絡となってしまいました。
なぜ連絡が遅れたのか。原因のひとつが、連絡手段が電話だけだったことです。各自治体に順番に連絡していたため、間に合わなかったのです。

神奈川県河港課 河川防災グループ 泉田剛 副技幹
「私たちの緊急放流の情報というものが市町の避難情報につながっていく部分ですので、そこの情報が遅れてしまったことについては本当に反省するところでございます」

抜本的な体制見直しへ

事態を重く見た県は、新たに一斉に連絡できるシステムを設置しました。相手が情報を受け取ったかどうかも一目でわかるようにしました。
また、詳細なマニュアルも整備。

数日前に緊急放流の可能性を周知するほか放流の3時間前と1時間前、それに直前など、何段階にもわたって連絡する手順を決めました。

神奈川県 河港課河川防災グループ 泉田剛 副技幹
「このシステムを使いまして市町とともにちゃんと連絡をとって、円滑に情報伝達ができるように努めていきたいと思っております」

緊急放流の情報は、自治体の防災無線や防災メールなどで周知されます。必ず確認できるようにしておいてください。

命守るポイント(3)「防災チェックシートで対策を」

こうしたハード対策が進む一方、いざ災害が起きた際に最も重要になるのが、住民の防災意識です。

相模原市の田名地区自治会連合会の会長、代田修さんもそのうちの1人です。

台風19号の時の雨の降り方に恐怖を覚えたという代田さん。年に数回、訓練を行って防災への意識が薄れることがないよう呼びかけ続けています。

田名地区自治会連合会 会長 代田修さん
「絶対相模川があふれて、住宅には来ないよっていう思いがあったんですけど、絶対というのがもうないと思っています」

ことしも梅雨の季節にあわせて自治会の仲間と住民のもとを訪れ、避難の際に持ち出す物をまとめたチェックシートを配りました。

住民

雨がすごい降った時などは意識はしますけど、ふだんはそんなに意識しないですね。

住民

ヘルメットとか職場とか会社だったら用意してあるんですけど、家にはないので、これからちょっとチェックします。

災害を想定し、ふだんの準備を怠らない。こうした地道な活動がひとりひとりの命を守ることにつながっています。

田名地区自治会連合会 会長 代田修さん
「われわれが思ってることを住民の人に意識していただいて、正しく恐れるという状態がみなさんに浸透していけばいいかなと思います」

相模川から命を守るための3つのポイントを見てきました。

命を守る3つのポイント
ポイント(1)「氾濫すると浸水は広範囲に」
ポイント(2)「ダムの放流情報に注意」
ポイント(3)「防災チェックシートで対策を」

大きな川だけに、氾濫したときの被害も大きくなります。川の特徴を知って、災害が迫った時にいつ逃げるのかどう逃げるのかなど、日頃から地域や家族で話し合っておくことが大切です。

  • 高橋哉至

    横浜放送局 記者

    高橋哉至

    平成30年入局。宇都宮放送局や両毛広域支局を経て、令和3年11月から横浜放送局厚木支局。県央地域の行政課題やマチネタ、スポーツ関連の話題などを幅広く取材。

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