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ことしは梅雨入り早い?ラニーニャの影響 ハザードマップ確認を

  • 2022年5月13日

ことしの梅雨はどうなるのか?
去年の秋から続く南米沖の海面水温が低くなる「ラニーニャ現象」について、気象庁は夏にかけて継続する可能性が高いと発表。各地で梅雨の時期が早まって夏は気温が平年よりも高くなる傾向があり、今後の気象情報に注意するよう呼びかけています。
自治体が作成するタイムライン、浸水の危険度がわかる地域のハザードマップの動きなど、防災情報をまとめました。

ラニーニャで梅雨入り早まる可能性

ラニーニャ現象は世界の天候に影響を及ぼすことが知られていて、夏に発生すると日本付近では太平洋高気圧が北に張り出しやすく、気温が平年より高くなる傾向があります。

気象庁によりますと、去年の秋に発生したラニーニャ現象がこの夏にかけても続く見通しで、インドネシア付近では積乱雲の活動が活発になると見込まれるということです。

このため、日本付近では梅雨前線が平年より早く北上して各地で梅雨の時期が早まる可能性があり、6月は西日本を中心に降水量が多くなることも予想されるとしています。

梅雨が明けたあとは太平洋高気圧の張り出しが強くなり、全国的に気温が平年よりも高くなるおそれがあるということです。
2010年には、夏にラニーニャ現象が発生して各地で記録的な猛暑となり、夏の平均気温は統計のある1898年以降、最も高くなりました。

気象庁
「すでに平年より早く梅雨入りしている地域があり、雨量が多くなることや夏場の高温傾向も見込まれている。今後の情報に注意して、大雨や熱中症などへの備えを進めてほしい」

足立区 水害ハザードマップ新たに作成

東京・足立区は、水害のハザードマップを、新たに作成し、梅雨に入る前に区内のすべての世帯に配付することにしています。

足立区は都などが去年、新たな浸水想定などを出したことを受け、ハザードマップの見直しを行いました。

専門家の監修を受けて作成した新しいハザードマップは、浸水しないマンションの上の階などでは自宅にとどまるなど避難先の選択肢を増やす「分散避難」について、どのように避難先を選ぶかをチャート図で解説したり、新型コロナの感染対策をとりながら避難所でどう過ごせばいいのかイラストやピクトグラムを使って詳しく説明したりしています。

また、浸水の深さなどがわかりやすいようにこれまでよりも濃い色を使って地図を作成したということです。足立区は、このハザードマップを梅雨に入る前に区内すべてのおよそ35万世帯に配ることにしていて、5月16日から順次、配布を始めるということです。

足立区都市建設課 室橋延昭課長
「梅雨の時期になんとか間に合うように、作成しました。手元に届いたら、まずは自分の住む場所の浸水の深さを確認し、家族などと避難について日ごろから話し合って備えてほしい」

大雨などに備える タイムラインとは

災害が起きる前に、どんな行動をとればいいのか。それを事前に定めたものが、タイムラインです。
タイムラインは、災害の発生が見込まれる時間帯から逆算して、自治体や防災機関、交通事業者などが「いつ」「誰が」「何をするか」、それぞれが取るべき対応を時系列で定めた行動計画です。

具体的には、災害時の態勢や危険箇所の点検、避難所の開設準備、交通機関の運休などで、それぞれの行動を整理しておくことで、災害時に連携した対応が期待されています。

国内では平成25年から策定が進められ、国土交通省によりますと現在、国管理河川の流域にある730の市区町村すべてで策定されているほか、都道府県管理の河川流域の自治体でも取り組みが進んでいるということです。
また専門家によりますとタイムラインをもとに住民の避難につながった事例がある一方で、計画が実用的でなかったり、防災機関どうしの連携が十分に取れていなかったりするケースもみられるということです。

住民の避難につなげるため、国や専門家などは地域や家族などさらに細かな単位で計画を作り、訓練や見直しを継続して効果的なタイムラインに改善していく必要性を訴えていますが、取り組みを進めるための人材の確保や育成が十分でなく一部の地域に限られているのが現状です。

タイムラインを活用した防災を

この「タイムライン」の取り組みを進めるため、各地の自治体や専門家が参加した初めての会合が開かれました。

東京・千代田区で開かれた会合には、「タイムライン」に取り組む北海道から九州にかけての34の市区町村の代表や、専門家、国などの防災機関が参加しました。

このなかで防災の専門家が大規模な河川の流域では防災機関による計画の策定が進んでいるものの、住民の避難につなげるためには地域や家族などにも広げる必要があると報告しました。

そのうえで全国の自治体や防災機関、自主防災組織などが連携して活動を推進するため、効果的な事例や改善点を共有する場を設けることや、各地域での取り組みを指導する人材の育成などを盛り込んだ決議を採択しました。

また決議では、国に対し「タイムライン」を活用した対策を防災基本計画に位置づけるとともに、必要な財政支援を行うよう求めています。

タイムライン防災・全国ネットワーク国民会議議長 三重県紀宝町の西田健町長
「タイムラインをうまく活用すれば住民の命を守ることができる。タイムラインを日本の防災の文化にするために活動を広げていきたい」

今回の会合を呼びかけた1人で、タイムラインを活用した防災について詳しい東京大学大学院の松尾一郎客員教授は次のように指摘しています。

松尾一郎客員教授
「温暖化によって、災害の激甚化が懸念されるなかで、住民一人一人が避難するには、地域ごとにタイムラインを作っていくことが必要だ。自治体の財政力だけではこれまでの取り組みを町内会や住民レベルに広げていくには限界があり、国が基本的な方針として位置づけ、担い手育成や財政の支援を行っていく必要がある」

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