16日夜に起きた地震。高層ビルをゆっくりと揺らす「長周期地震動」が、関東でも観測されました。
「長周期地震動」は、大地震や巨大地震の際に発生する周期の長い、大きくゆっくりとした揺れで、超高層の建物などでは地震そのものの揺れと建物などの揺れとが共振して揺れが大きくなります。
高層マンションを襲った大きな揺れ、エレベーターの閉じ込めなどの注意点をまとめました。
神奈川県川崎市のマンションや商業施設が立ち並ぶ地域で、16日夜の地震の様子を聞きました。
すごく揺れていましたね。長かったので、すごくこわかった
もう寝る準備をしていたので、もし何かあったらと、外に出られる恰好にしました。
今回の地震では、高層ビルをゆっくりと揺らす「長周期地震動」が、関東でも観測されました。
「長周期地震動」は、大地震や巨大地震の際に発生する周期の長い、大きくゆっくりとした揺れで、超高層の建物などでは地震そのものの揺れと建物などの揺れとが共振して揺れが大きくなる特徴があります。
こちらは気象庁の「長周期地震動」の観測情報です。
長周期地震動
「階級1」室内でほとんどの人が揺れを感じる。
「階級2」なにかにつかまらないと歩くことが難しく、本棚の本が落ちることがある。
「階級3」立っていることが困難。固定していない家具が動いたり、転倒したりすることがある。
「階級4」立っていることができず、固定していない多くの家具が転倒し壁にひび割れや亀裂が多くなる。
16日夜の地震では、最も揺れの大きな階級の「4」が出たのは宮城県でしたが、東京23区や千葉県の一部でも黄色で示す階級「2」が観測されました。
高層ビルの上の階などで、物につかまらないと歩くことが難しい、食器や本が落ちることがあるといった揺れが起きたのです。
こうした長周期地震動の揺れ。エレベーターでの閉じ込めにも注意が必要です。今回の地震でもエレベーターの停止が相次ぎました。
エレベーターは、一定以上の揺れを感知すると、自動的に停止することがあり、長周期地震動のような揺れが影響を与えた可能性もあります。
地震の影響でエレベーターに閉じ込められた千葉県浦安市の18歳の男性に話を聞きました。16日遅くの地震で、千葉県浦安市では震度4の揺れを観測しました。
男性は1人暮らしで6階建てのマンションの5階に住んでいて、16日夜11時半すぎに、買い物に出ようとエレベーターに乗り込んだということです。
その直後、エレベーターが大きく揺れて、真っ暗になり、1人エレベーターの中に閉じ込められてしまいました。
落下してしまうのかと思うくらい大きく揺れました。中は豆電球ほどの明かりのみで緊急地震速報で地震だとわかりましたが、どのくらいの揺れなのかわからないことが多くて本当に怖かった。
男性はエレベーター内に非常連絡用のボタンがあるのを思い出し、スマートフォンのライトを頼りにボタンを見つけ、連絡を取ろうとしたものの、なかなかつながりませんでした。
何度も連絡を試みた結果、ようやくつながり、現場へ駆けつけた業者の立ち会いのもと、外へ出られたのは閉じ込められてから30分後だったということです。
男性は閉じ込められていた途中で母親と電話がつながったため少し安心したものの、スマートフォンの電池の残量が少なかったため、いつ連絡が途切れるか不安だったと言います。
いつ地震が起きるかわからないので、モバイルバッテリーを用意するなど常に対策をしないといけないと思いました。
全国でおよそ21万台のエレベーターとエスカレーターの保守を担っているという「日立ビルシステム」によりますと、今回の地震の影響で東北や関東を中心におよそ1万8000台のエレベーターが一時、停止したということです。
また、全国でおよそ24万台のエレベーターとエスカレーターの保守を担う「三菱電気ビルテクノサービス」によりますと、16日夜の地震の影響で東北と関東にあるあわせて8台のエレベーターで、人が閉じ込めらたということです。
エレベーターに閉じ込められた場合には、慌てずに救助を待って下さい。無理に脱出しようとすると大変危険です。
エレベーターには必ず外部と連絡ができるインターホンなどの装置があるので、状況を通報して救助が来るのを待って下さい。
停電しても非常用バッテリーが点灯します。落ち着いて外部と連絡を取り、救助を待つようにして下さい。
また、地震によってエレベーターが被害を受けている可能性があります。今は動いていても停電や故障で緊急に止まり、閉じ込められてしまう可能性があります。建物の管理者などが安全を確認するまでは使わないようにしてください。