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  4. コロナ禍での災害避難は

11日に梅雨入りした関東。気になるのが「災害時の避難」です。大勢の人が避難すると、体育館など避難所の施設は「密」な状況になりかねません。新型コロナウイルスを受けて、自治体では、避難所での感染をどう防ぐのかが、大きな課題になっています。

密集した避難所での感染リスク

東海大学の関根嘉香教授の監修のもとで行った実験によると、風が吹かない屋内でクシャミをすると、飛まつは1.5メートルほど先に、集中して落下することがわかりました。その上を人が歩くと、ほこりなどに付着した飛まつも一緒に舞い上がります。
避難所の中で、密集した状態で床に寝たり座ったりしていると、その飛まつを吸い込むことによる感染リスクが高まります。

難航する避難所の確保

東京・狛江市では、去年の台風19号の際、市内を流れる多摩川の周辺で内水氾濫が発生。住民およそ4000人が避難所に殺到し、中に入れない人も出ました。これを教訓に、狛江市は水害時の避難所を4か所から14か所に増やしました。

さらに、新型コロナウイルス対策も必要になり、市は避難場所の確保に追われています。
1か所の収容人数を少なくして、感染リスクを減らす必要があるからです。

そこで狛江市は、市議会の議場も新たに避難所に指定しました。この議場は、去年の台風の際も急きょ開放され、100人以上が避難しましたが、感染防止のため、入れる人数は半数以下に抑える予定です。

また、「感染の疑いがある人」との接触を避けることも重要です。駄倉地区センターは、発熱などの症状がある人専用の避難所として使うことにしています。

感染防止対策として新たに確保した避難所は7か所に上りました。

これまでに市内のほとんどの公共施設が避難所に指定されましたが、浸水エリアに住む、およそ5万人全員が避難した場合、10%余りしか収容できないということです。

さらに避難所を運営する人員の確保も課題です。避難者の誘導など、必要な研修も間に合っていないといいます。

狛江市安心安全課 山田龍二さん
「建物の絶対数にも限りがあります。公共施設だけで考えていくと、限界が見えているので民間施設とか、協力いただけるところにはぜひ協力いただき、数を増やしていきたいと考えています。ただ、開放する避難所が増えれば増えるだけ、そこに派遣する人員が必要になってきます。そうした人員を捻出しないといけないので、非常に課題と考えています」

避難の分散 3つの選択肢

難航する自治体の避難所の確保。こうしたなか大雨になる前に、私たちが今のうちから考えておくべきことは「避難の分散」です。内閣府や防災の専門家などによりますと、「自治体の指定する避難所以外の選択肢を用意しておくこと」が大事です。

その選択肢として3つ考えられます。
まず「在宅避難」、2つめが「親族宅や知人宅」を頼るということです。例えば水害では、川の氾濫や土砂災害の危険が指摘されていない場合や、マンションなど浸水しない「上の階」に避難できる場合は、選択肢になります。また、自宅だとリスクがあるという場合は、避難所を避けて、知人の家などに身を寄せるのも1つです。
3つめは「車中泊」です。避難所の駐車場や商業施設の立体駐車場など、危険な場所でなければ、一時的に車の中で過ごすということも検討の対象になりえます。ただ、避難するときに渋滞が起きたり、流されたりといった、リスクがあること。また、避難した後も、エコノミークラス症候群など、注意しなくてはならない点があることも覚えておく必要があります。

避難を考える時、熱があったり体調がすぐれない場合、避難所に行ってもいいのかどうか。
そう考える人も多いかもしれませんが、感染が疑われる場合でも、危険が差し迫っている時は命を守るために、避難所に行ってください。
自治体によっては、狛江市のように、体調不良者向けの専用の避難所を設けている所もあります。
自分の住んでいる場所にどんな避難場所があるのか、また、どんなリスクがあるのか、ハザードマップや自治体のホームページなどで事前に確認しておくことが大切です。自治体側にも丁寧な情報発信、そして態勢の整備が求められます。

一番大事なのは、危険が差し迫っている場合には「ためらわずに避難する」ことです。
「感染したくない、させたくない」と、避難所に行くのをためらう気持ちも出てしまいそうですが、一番大切なのは命。「ためらわずに避難」しましょう。

  • 茅原 毅一朗

    首都圏センター

    茅原 毅一朗

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