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埼玉県川越市 「はしご酒ツアー」で人気観光地の夜の魅力を

首都圏ネットワーク 東武東上線ウイーク
  • 2024年5月15日

埼玉県有数の観光地“小江戸”川越。日中は多くの観光客でにぎわいますが、夜になると静まり返ってしまいます。遅い時間まで滞在する人を増やし、夜のにぎわいも充実させようと、川越の夜の魅力を発信する動きが始まっています。

さいたま局 所沢支局記者/瀬出井小百合
ディレクター/池端祐太郎

にぎわう観光地 しかし夜は…

年間700万人を超える人が訪れる埼玉県を代表する観光地のひとつ、川越。
蔵造りの風情ある街並みは外国人観光客にも人気です。
インバウンド需要の回復もあり、去年訪れた外国人観光客は過去最多になりました。

東武東上線

多くの観光客が訪れる理由のひとつが、都心からの交通アクセスの良さです。
東武東上線、西武新宿線、JR川越線と3つの路線が乗り入れていて、ターミナル駅の池袋からは最短30分ほど。

時の鐘

一方、そのアクセスの良さゆえに日帰りで訪れる人が91%を占めています。
蔵造りの建物が並ぶ一番街は、日中は観光客が車道にはみ出して歩いたり、車の渋滞が起きたりしていますが、夜になると打って変わって閑散としています。

そこで川越市は、観光客の集中する「時間と場所」を分散させようとしています。
2月には川越城本丸御殿などの観光スポットをライトアップするイベントを実施。
夜の川越の魅力をアピールしています。

夜の川越を盛り上げたい

夜の観光客の誘致に街の人も動き出しています。
小江戸川越観光親善大使のヴェソラウスキー阿里耶さんです。
イベントの司会や観光ガイドなどをしながら、地域活性化に取り組んでいます。

ヴェソラウスキー阿里耶さん
「熱い思いを持った人たちがみんなでタッグを組んで、みんなでつながって、夜の観光を盛り上げられるような活動ができれば」

“川越宿部”ライバルが手を組んで

去年、阿里耶さんが中心となって、市内4か所の宿泊施設と「川越宿部」を結成しました。
参加したのは「川越プリンスホテル」「ちゃぶだい Guesthouse, Cafe & Bar」「旅籠小江戸や」「川越東武ホテル」です。ライバルどうしが手を組んで協力しました。

集まって話し合い、それぞれの客層に違いがあることや宿泊施設が抱えている課題などを共有しました。
そして、にぎやかな昼間と違った表情を見せる、静かで情緒的な川越の魅力が新たな観光資源となるのではないかと考えて、イベントを企画することにしました。

「滞在時間が3、4時間と言われていますが、なんで早く帰っちゃうんですかね」

「やっぱりお店が開いてない。開いてないから来ない。来ないから開けないのか…」

情報交換を重ねていく中で、キーワードとなったのは「お酒」。
第一弾として3つの宿泊施設にあるバーなどを巡って川越ならではお酒を楽しめる「はしご酒ツアー」を開催することにしました。 

川越東武ホテル総支配人 蓑輪明夫さん
「池袋から最短30分弱で川越まで来られますので、ほろ酔い加減で帰っていただいてもけっこうですし、もうちょっと飲みたい方は泊まって翌朝ゆっくり電車で帰ることもできます」

「はしご酒ツアー」で夜の川越を堪能

4月のツアー当日、横浜など県内外から10人が参加しました。
ツアーのガイドは阿里耶さん。さっそく夜の川越の街へ繰り出しました。

はしご酒の1軒目は、古民家を改装したゲストハウスです。提供されたのは、狭山茶の和紅茶を使ったチャイのカクテルなど。
川越らしいレトロな雰囲気の中で味わいました。

道中では阿里耶さんが、夜ならではの街の楽しみ方を紹介しました。
ライトアップされた蔵造りの建物や夜桜スポット。神社を訪れると、祭り囃子の練習をする音も聞こえてきました。
ほろ酔い気分でゆっくりと歩きながら、情緒的な夜の川越を堪能しました。

はしご酒2軒目は、若者に人気のフードコート「縁結び横丁」で、川越特産さつまいも風味のサイダーを使ったサワー。昼間は長蛇の列ができる人気店ですが、夜はほぼ貸し切り状態です。
初対面だった参加者どうし、杯を重ねるにつれて、その距離は縮まっていきます。

はしご酒3軒目は、ホテルにある隠れ家のようなバーで、このツアー限定のカクテルを楽しみました。
「宵酔桜(よいよいざくら)」と名付けられたカクテル。川越の蔵元で作られた日本酒「鏡山」、川越産のクラフトジン「棘玉」、桜のリキュールから作られたものです。
雰囲気の異なる3つの店を巡って、ツアーは終了しました。

夜の川越の魅力発信に手応え

3月から計6回にわたって開催したツアー、なかには繰り返し参加する人もいて、阿里耶さんたちは手ごたえを感じています。

「夜の路地のすてきな感じや、こぢんまりとした温かい感じのバーがあって、また来たいと思いました。泊まると昼と夜と2つエンジョイできるのでいいですね」

参加者の中には電車で帰るという人もいました。

「川越や池袋でしたら、電車で一直線ですから、安心してゆっくりできますね」

阿里耶さんたちは、今後もこうしたツアーを企画していきたいと準備を進めています。

阿里耶さん
「お酒が好きな方に、宿はしご酒ツアーはひとついいコンテンツとして提案できると思います。お酒を入り口に夜の川越をアピールできたかなって思っています」

川越の夜の観光をアピールする動きはほかにも。川越には個性的なバーが増えているそうです。
19日には市内のバー14店が集まって、それぞれの店で提供するドリンクや料理を紹介するイベントが開かれます。
店を紹介して気軽に訪れてもらうきっかけにしようという狙いです。

お酒を通じて夜の川越を盛り上げて、観光地としての魅力をさらに高める取り組みが続けられています。

首都圏局とさいたま放送局では、5月6月に東武東上線沿線地域の魅力や課題について番組やシリーズ特集でお伝えします。関連情報はこちらから↓

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