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ふるさと納税 埼玉県内1位の自治体は?寄付額アップにかける!

  • 2023年9月25日

年々規模が拡大する、ふるさと納税。昨年度、埼玉県内でもっとも多く寄付額を集めた自治体はどこだったのか?これから年末にかけて寄付が増える時期を迎え、埼玉県内でも返礼品を工夫するなど「寄付を呼び込もう」という動きが活発化しています。

さいたま局記者/玉木香代子

寄付金受入額 トップは?戦略は?

ふるさと納税の昨年度の寄付総額は国全体で9654億円でした。前の年度の1.2倍に増えていて、1兆円に迫る勢いとなっています。埼玉県内の状況はどうなっているのか。寄付額が多かった自治体を取材しました。県内で最も寄付額が多かったのは北本市でした。昨年度の寄付金の受入額は、11億円。県内で唯一10億円を超え、過去最高の額になったそうです。人気を集めた背景に、地元にある工場との連携があります。

地元の縫製工場と連携(資料提供:北本市)

北本市には東京銀座などに店舗をかまえる老舗のスーツ専門店の縫製工場があります。返礼品にはオーダースーツを仕立てるのに使える補助券を、1万円から300万円という12パターンで用意しています。寄付の総額の9割を占めるほどの人気を集めているそうです。

大手菓子メーカーとも

工場オリジナルの箱に詰めて送る(写真提供:北本市)

また、大手菓子メーカーの北本工場で作られた、15種類の菓子セットも人気を集めています。返礼品の希望件数では1位の1800件を記録して、自分や孫向けにリピートする人が多いそうです。

こうした地元の工場と連携した商品のラインアップに加えて北本市では、昨年度からリピーターにつなげようと専用のパンフレットも作成。手元に残してもらおうと、20ページ以上ある冊子にし、写真をとりいれながら、北本市の紹介から寄付金の使い道などを詳しく載せています。

北本市では昨年度、寄付金から、例えば子ども医療費の補助や保育所の立て替え費用など子育て支援策におよそ9千万円をあてられたそうです。これから年末にかけて、11月の東京有楽町のイベントやSNSの広告、雑誌でも、積極的に寄付を呼びかけていくことにしています。

北本市市長公室の千葉茉衣子さん(パンフを手に)

北本市市長公室 主任 千葉茉衣子さん

「子育てしやすい街をPRする北本市にとっても、ふるさと納税は欠かせない財源になっています。返礼品や使い道を丁寧に伝えながらリピーターを増やしていきたい」

2位は深谷市 2.2倍に急増!

県内2位は…ゆるキャラと渋沢栄一でおなじみ 深谷市

寄付金の受入額が県内2番目に多かったのは、深谷市。昨年度の寄付額は8億2千万円あまり。前の年度の2.2倍の過去最高額を記録しています。何が起きているのでしょうか?

深谷市産業ブランド推進室主査 原田加代子さん(右)

推しのゆるキャラと出迎えてくれたのは深谷市産業ブランド推進室主査の原田さん。地元の工場に掛け合い、次々と返礼品を開拓してきました。

交渉して返礼品に加わった家電の数々

去年の春から、大手家電メーカーの工場長や会社側と交渉を続け、去年10月から新たに、この家電メーカーの商品が返礼品となりました。掃除機や炊飯器、除湿機などがそろっています。価格は7万円台から36万円台までと、さまざまな商品があります。暮らしに欠かせない商品が返礼品に加わったことで、寄付額が一気に増えました。

旧渋沢邸の屋根にも

改修の旧渋沢邸にも仕掛けが…(写真提供:深谷市)

ユニークな試みとしては、深谷市を代表する実業家、渋沢栄一の旧渋沢邸がことし8月にリニューアルオープンするのにあわせて寄付を募集した改修費用です。

瓦屋根の裏に名前を入れられる特典も(写真提供:深谷市)

1万円以上を寄付すると、瓦屋根の裏に寄付した人の名前を入れるという特典を用意しました。すると888人から1400万円以上の寄付金が集まったということです。

100万円のシンセサイザーも

1年以上の交渉でシンセサイザーも(手前)(写真提供:深谷市)

この秋からは、新たな返礼品をさらに追加します。地元の楽器工場と1年以上の交渉を続けた結果、100万円のシンセサイザーが加わることになり、担当者も今後の寄付に期待しています。

深谷市産業ブランド推進室主査の原田加代子さん

「交流人口を増やすための街おこしにもつながっていく財源となるので、これからも手を尽くして寄付額で県内トップを目指したい」

流出に歯止めをかけるために

寄付額が増える自治体がある一方で、本来、手元に入るはずの税金がほかの自治体に流れて減収となる自治体が大都市を中心に相次いでいます。県内で特に危機感を募らせているのが、さいたま市。さいたま市では、寄付額の受け入れ額を差し引いた流出超過額が、今年度88億円あまりに上ると見込まれ、減収額は全国で6番目に多くなっています(ことし8月時点)。

返礼品を増やしたさいたま市(さいたま市HPより)

さいたま市では、寄付額を増やすことで税収が減るのを抑えようと、この8月にはうなぎの冷凍真空パックや伝統の岩槻人形などを新たに投入。返礼品の数を1年半前の4倍となる400品目あまりに増やして、てこ入れをはかっています。

制度変更で駆け込みも 

これから年末年始にかけては、確定申告をしなくても税の控除が受けられる「ワンストップ特例制度」を利用する人たちの寄付額がいっきに増える時期を迎えます。このあと触れる制度改正の影響もあり、9月にすでに駆け込み需要が始まっているという自治体もあり、今後税収をかけた自治体のPR合戦はますます熱を帯びそうです。

10月からの制度変更

注目は返礼品の原材料を、同じ都道府県内で生産されたものにかぎるというルールの厳格化です。肉なら地元で肥育したもの、米なら地元で刈り取ったものにかぎることに。こうした基準に違反したとみなされると、ふるさと納税の対象自治体から2年間外されるペナルティがかされることになります。

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