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なでしこジャパン猶本光選手・浦和レッズレディース 支えになった両親の教え

  • 2023年09月14日

オーストラリアとニュージーランドで開かれたサッカー女子のワールドカップ。
なでしこジャパンで、2戦目の先制ゴールをあげたのが、浦和レッズレディース所属の猶本光選手です。
猶本選手は、夢だったワールドカップに29歳で初出場を果たしました。
猶本選手に、どうやって幼い頃からの夢を育てることが出来たのかを伺いました。

(さいたま放送局 アナウンサー/吉田一之)

29歳で大舞台 W杯で先制ゴール

 猶本光選手は29才にしてワールドカップの舞台に立ちました。
攻撃の要になるミッドフィルダーです。 

グループステージ2戦目、2-0で勝ったコスタリカ戦の1点目を挙げたのが猶本選手です。 

猶本光選手

ワールドカップでのゴールを決められたと言うのは、本当に自分のサッカー人生にとって、すごく価値のある物なんですけども、あの時はまだ1対0だったし、負けたら意味がないので、決めてやったみたいな感じはなかったですね。

両親の教えとは

猶本選手がサッカーを始めたのは小学校1年生の頃です。
日本を代表する選手に成長できたのは、両親の教えがありました。

まず小さい頃に言われていたのは、自分で選択しなさいというのを言われていて、両親がサッカーをやりなさいと言ってやったわけではなくて、私がやりたかったらやればいいし、やめたかったらやめればいいしと言うスタンスでしたね。 

(母からは)人のせいに結局きついときにしちゃうから、それは違うじゃないですか。だから自分で決めさせてたと言うのを言われていて、サッカーはもしかしたらやらされてたら嫌いになっていたかもしれないし、ほんとに自分がやりたいからサッカーを続ける。やめてもいいよと言われていたのが大きいと思います。

これまで五輪やW杯には招集されず 

2012FIFA サッカーU20 女子ワールドカップ

猶本選手は、10代のころから年代別の日本代表に選ばれるなど、得点に結びつくパスの出し手として注目された期待の星でした。 

なでしこジャパンにも20歳で選ばれますが、オリンピックやワールドカップの大舞台には召集されませんでした。

選ばれたいから、ここでミスをしてはいけないとか、ここでこういうプレイをしないと選ばれないとかいうふうになると、プレイの選択が間違ってしまうし、自分の引き出しを増やしていったり、自分のプレイの幅を増やしていったりと言う、そことはまた別でしっかりと自分の成長に向けて何が必要かというのを考えてやっていました。

シュート力を磨く

技術の引き出しを増やす。取り組んできたことの一つが、得意なパスだけでなく、シュート力を磨くこと。
昨シーズン、WEリーグでは過去最多の7得点を挙げなでしこジャパンへの選出に繋がりました。 

シュート練習だけは正確に結構決められるんだけど、それをまず出せない。じゃあ試合になってその技術が発揮できないか?というので、レッズレディースには得点王を取ったことがある選手2人いるし、ディフェンスはこうだから、ここではそんなにあわてて打たなくていいよとか、そういう話を聞くだけでもやっぱりそうなんだみたいな。

そこにどういう技があって、どういう戦術があってというのを、一個一個解決していった結果が、コスタリカ戦のゴールにもつながった。

ゴールを決めた猶本選手(右)

コスタリカ戦の得点の場面では、シュート前にまず味方の選手の位置を確認。 
パスを出せないと判断して今度はキーパーの動きを確認。 

大舞台で引き出しを増やす地道な努力が実を結びました。 

吉田アナ

シュートを打つ前に顔上げて味方の選手が走ってくるかを確認されて、ちょっと顔ずらしてキーパーの位置も確認して落ち着いてシュートを決められましたよね。

あそこの角度からのシュートは結構練習していたので、どこにシュートを打てば入るかというのが自分の中であった。

「左足の練習」父のアドバイス

 そしてシュートは利き足ではない左足。左足の練習を始めたのは、お父さんのアドバイスでした。 

父が小3の時位に、わたし右利きなんですけれど、左も蹴れたほうがいいから、シュート練習の時とかも全部左に要求してやりなさいと言われて、そこから左を使うようになったのも大きかったかなと思います。

吉田アナ

お父さんとお母さんの役割は、サッカーをやるうえで違いがありましたか? 

父は結構ビデオを撮ってくれていて、帰ったら一緒に反省会じゃないんですけれど、一緒にビデオを見ながらもっと、こうしたほうがいいとか言ってくれたりした。

母は練習の送り迎えとかもすごくやってくれて、睡眠時間が短かったと思うんですけれど、(私から見ても)きつそうだなとは思いながらやってくれていたのはありがたいですね。

どんなことを子どもに声を掛けてあげることが、いま頑張っている子どもたちの成長を促すことになると思いますか?

常に味方でいてくれるだけでやっぱり頑張れると思うので、 なんとかしなさいとかは、その子がやりたかったらやるし、やりたくなかったらやらないし、やりたいことを暖かく見守って、サポート必要なときにはしてくれると頑張れるんじゃないかと思いますね。

猶本選手は、9月23日に日本で行われるアルゼンチンとの親善試合にも召集されました。
日本代表は、10月から、パリ・オリンピックにむけての2次予選が始まります。

  • 吉田 一之

    さいたま局 アナウンサー

    吉田 一之

    入局4年目から3年間を浦和局(現さいたま局)で過ごしました。
    甲子園実況、初めての大型番組の制作など、埼玉時代に経験した刺激的な仕事は思い出深く、この土地が大好きです。

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