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埼玉 神川町 海なし県でサバの養殖?武田涼花キャスターが取材

  • 2023年07月24日

海のない埼玉県で、人工の海水を使ってサバの“陸上養殖”に成功した施設があるんです。手掛けたのは埼玉県神川町の“温泉施設”です。

(さいたま放送局 キャスター 武田涼花)

温泉施設でサバ?

あたり一面緑に囲まれた埼玉県神川町。
ここに、県内外から人々が訪れる温泉施設があります。中に入ると…。

水槽を泳ぐサバ!

「いました!サバが泳いでますよ!きれいですね~」

サバの養殖を担当している鎌田奈津実さんです。サバを育てているだけでなく、温泉施設の支配人も務めています。 

サバの養殖担当 鎌田奈津実さん

サバの養殖が行われているのは、温泉施設のすぐ隣。その名も“温泉サバ”と名付けました。現在、100尾から150尾ほどいます。 

広さ200平方メートルのハウスの中に、直径およそ5メートル、高さおよそ1メートルの円柱の養殖池が2つ設置され、人工の海水を循環させてサバを育てます。

このプロジェクトが始まったのは今から2年前。 

「海なし県でおいしくて安全なサバを食べてほしい」「地域を盛り上げたい」
そんな思いから始まりました。

サバの養殖担当 鎌田奈津実さん
「まさか海のないところにこういった施設を作って養殖を始めるとは思っていなかったのでその点はすごい不思議な感覚です」

苦労の末 初出荷へ

しかし、苦労もありました。
ろ過装置がうまく働かず水質が悪化し、サバが全滅することもありました。
健康に育つための水質を維持できるよう試行錯誤を続けた結果、長さ30センチほど、重さ300gまで育つようになりました。 

そして、ことし6月、ようやく初出荷を迎えたのです。 

サバの養殖担当 鎌田奈津実さん
「神川の地域ひいては埼玉県を盛り上げることができるプロジェクトだと理解していたのでその点はくじけずにやっていかなといけないなと思いました」

貴重な生サバ 課題も…

水揚げされたばかりのサバをふるまうことを可能にした養殖。サバの下処理も施設内で行います。 

一方で課題もあります。 
まだ生産量が非常に少なく、ほしいというお客さんに提供しきれていないということです。 

このため、現在はクラウドファンディングで、この事業を支援した人にふるまっています。 

こちらの夫婦も支援者の一組。釣りが趣味だという森田昌行さんと妻の美幸さんです。 
新鮮なサバを生かした“サバのフルコース”を楽しみに東京都内からやってきました。 

美幸さんはサバは苦手だったのですが、生臭さを感じずにおいしく味わうことができたといいます。 
クラウドファンディングに参加した昌行さんは、温泉サバを通して多くの人に魚を好きになってもらいたいと願っています。 

森田昌行さん

今若い子たちの中で魚離れってあるので、サバは苦手だったけど食べられるようになればもうちょっと広がっていくのかなと思います

料理長 佐藤良さん 
「料理人としてはやっぱり生で食べられるサバは大変貴重なのでもっと提供したいです。喜んでいただくのが一番だと思うのでもっと普及していければいいかなと思います」

埼玉のサバを知ってもらいたい

そんな温泉サバを身近に感じてもらおうと施設では様々なイベントを開催しています。 
認知度向上のため、サバの本に、サバの缶詰。頭上には大きなサバの飾りまで。 館内中サバづくしです。 

この日は、施設の利用者の前で料理長がとれたてのサバを調理しました。初めてみる光景に子どもたちも興味津々です。 

参加した子ども

ああやって切っているのがちゃんとよくわかりました

父親

生で見ることができると楽しいし、好きになるんじゃないですかね

鎌田さんは、神川町のサバを地域の名物にしていきたいと意気込んでいます。 

サバの養殖担当 鎌田奈津実さん
「この埼玉県でサバが生産できるということに対して知っていただきたいっていうのと、できればいろんな方に自慢をしていただいて、こういった取り組みがあるっていうのを知っていただけたらうれしいなっていうふうに思います」

緑豊かな山あいで育った新鮮なサバ。今後は数量限定で販売を実施する予定だということです。また、サバの魅力を知ってもらうイベント「埼玉鯖祭」を9月末まで開催予定です。

  • 武田 涼花

    さいたま局 キャスター

    武田 涼花

    趣味・特技:旅行・カラオケ・不用品のリメイク・映画や舞台の音楽を覚えること(あまり役に立ちませんが…)
     埼玉のここが好き:豊かな自然をもちつつ利便性に優れているところ。そしてなんといっても「心の広い県民性」

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