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ヘルメットだけじゃない 自転車に乗る際の努力義務 埼玉県

  • 2023年04月21日

4月から、自転車に乗る全ての人にヘルメットを着用する努力義務が課されました。ただ、埼玉県では、ほかにも自転車に関して努力義務とされていることがあります。知っておきたい、それぞれのポイントをまとめました。

(さいたま局 記者/平岡仁)

ヘルメット着用が努力義務に

自転車の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶるよう努めなければならない

4月から、改正道路交通法が施行されました。対象は、自転車に乗る人全員です。それまでは、児童や幼児が対象で、保護者が子どもに着用させる努力義務が課されていました。どうして全員に拡大されたのでしょうか。その背景には、自転車の事故で亡くなる人が後を絶たない実情があります。埼玉県警によりますと、去年1年間に県内の自転車事故で亡くなった16人のうち、およそ7割にあたる11人が頭に致命傷を負っています。

埼玉県警

ヘルメットをかぶっていない人は着用している人よりもおよそ2倍致死率が高いというデータもあり、全員がヘルメットをかぶることで被害を軽減させるねらいがあります。自転車をレンタルする際も、レンタル業者が貸し出していない場合は、自分で用意する必要があります。ただ、ヘルメットの着用はあくまで努力義務です。ヘルメットをしないまま乗ったとしても罰せられることはありません。実際、街を歩いていても、かぶっていない人が多く見られます。埼玉県警が、ことし2月3日から14日にかけてどれだけ着用しているか調査したところ、3.3%でした。義務化されてからの調査は行われていませんが、街の人に話を聞くと、「安全のために、このタイミングで買った」という人がいた一方、次のような声も聞かれました。

持ち運びが大変

髪型が崩れるのが嫌だ

まだまだ、浸透していないのが実情です。このため、警察は、各地でチラシを配るなどしてヘルメットを着用するよう呼びかけています。また、自治体によっては費用を助成し、ヘルメットの着用を促しているところもあります。

ヘルメット品薄に

都内の店舗

ヘルメットは、自転車の販売店のほか、ホームセンターなどで取り扱っています。また、インターネットでも販売されています。
デザインも、サイクリング用のものから帽子のようなものまで、さまざまあります。

都内の店舗

ただ、ヘルメットが売り切れてしまい、入荷の時期も読めないという店舗も少なくありません。インターネット販売も、特に施行直後は在庫がない商品が多く見られました。大阪に本社がある自転車用のヘルメットのメーカーによりますと、去年から増産体制はとっていたものの、受注の数が生産を上回っているということです。このため、モデルによっては、今から注文しても納入は6月から7月になる可能性もあるということです。

3つのポイント

ヘルメットを買う際にどんなことに注意すればいいのでしょうか。自転車に関する国内外の政策の調査や研究を行っている「自転車活用推進研究会」によりますと、ヘルメットを選ぶ際、3つのポイントがあるといいます。
1つ目は、安全基準を満たした製品を選ぶことです。国内の製品の場合、「SGマーク」などが目印になります。

海外の製品では、「CE EN1078」や「CPSC」などがあります。頭を守るためにかぶるわけですから、基準を満たしたものか確認することが大切です。
2つ目が、できるだけ実際にかぶってみて自分の頭に合うものを選ぶことです。ヘルメットの本来の性能を発揮するためでもありますし、ヘルメットが合わずにかぶりたくなくなるのを防ぐためでもあります。
3つ目は、中古品は避けることと、定期的に買い替えることです。ヘルメットも衝撃や紫外線などで劣化し、安全性能が落ちていくということで、新品が品薄でも中古品は避けたほうが無難です。また、新品も3、4年で買い替えが必要だということです。このため、「自転車活用推進研究会」は、無理に高いものを買う必要は無いとアドバイスしています。

損害保険などへの加入義務

ヘルメット着用のほかに、県内では自転車に関してもう1つ努力義務を課されていることがあります。それが、自転車の損害保険などへの加入です。県は、5年前の2018年4月から努力義務としています。こちらも罰則はありません。ただ、補償面で相手方を確実に救済するとともに、自分の経済的な負担を軽減する目的があります。県によりますと、過去には、裁判になって加害者側がおよそ1億円の支払いを命じられた例もあるということです。

自分に見合ったものを

では、どんな種類のものに加入し、どのくらいの額を設定すればいいのでしょうか。結論から言うと、いずれも決まりはありません。種類も額も、自分に見合ったものを選ぶことになります。損害保険などには、個人が加入するものもあれば、自転車にかけるものもあります。自転車を点検整備した際に「TSマーク」というシールが貼られますが、このマークがある自転車に乗って事故を起こした場合、整備から1年間、個人で加入しているいないに関わらず補償されます。

日本交通管理技術協会のホームページ

県は、保険会社などに問い合わせ、速やかに自分に見合ったものを選んで加入するよう呼びかけています。

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