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スポーツで放課後の子どもたちに居場所を 埼玉県久喜市に誕生

  • 2022年11月16日

新型コロナの影響が続き、子どもたちが友達どうしで遊ぶ機会が減っています。そうしたなかで、埼玉県久喜市には、放課後の子どもたちがスポーツを通じて自由に体を動かせる居場所がことし1月に誕生しました。地域の中でどのような役割が果たせるのでしょうか。

さいたま放送局/粕尾祐介記者

スポーツが楽しめる居場所

久喜市にことし1月にオープンした施設です。ボルダリングや卓球、ダーツなど、室内で子どもたちが思い切り体を動かすことができます。
集まってくるのは放課後の子どもたち。親が迎えに来る午後6時ごろまで、スポーツをしたり宿題をしたり、思い思いに過ごしています。

スポーツの専門的な知識を持ったスタッフが子どもたちを見守ります。

コロナ禍の子どもたちのために

施設の代表の瀬川泰祐さんは、地元でサッカークラブを運営してきました。
新型コロナウイルスが流行する中、子どもたちが放課後、外で体を動かして遊ぶ機会が減っていることを憂いていました。家に閉じこもりがちな子どもたちが自由に体を動かせて、子ども同士で交流できる新たな居場所を作ろうと、施設をオープンさせました。

さまざまな家庭事情の子どもが一緒に

料金は利用回数に応じて、月額1000円から4000円。家庭の状況によっては無料で利用できるということです。母子家庭や共働き世帯など、さまざまな事情を持つ子どもたちも一緒にスポーツを楽しんでいます。

施設の運営には、子どもの居場所づくりを進める日本財団や自治体からの支援も受けています。自治体や学校から、困難を抱える家庭の子どもを受け入れてほしいと相談されることもあるということです。

代表の瀬川泰祐さん
「子どもたちが安心してスポーツができる場所を提供したいという思いで始めました。各家庭によって事情もさまざまですので、差はつけずにいろんな子どもたちが集まる場所にして子育て支援をしていきたい」

内気な少年が明るい性格に

この施設に週2回ほど通っている小学4年生の吉野巧くんです。

おとなしく内気な性格でしたが、母親にボルダリングをやりたいと伝えました。母親の知子さんは「巧がチラシを持ってきて、自分からここに通いたいと言ってくれて、あまりそういうことがなかったので、すごくうれしかったです」と話していました。

巧くんは3人兄弟の末っ子で、お兄さんに発達障害があります。共働きの両親は巧くんにあまりかまってあげられなかったということです。コロナ禍で巧くんも家にこもりがちになっていました。

この施設で巧くんはボルダリングを楽しんだり、チャンバラをしたりと、友達と一緒に走り回っています。

吉野巧くん
「学校や公園でできないことが、ここではできるので楽しい。チャンバラとか楽しく戦える」

母親の知子さん
「学年が違う友達と一緒に遊ぶようになって、性格が明るくなってきました。ここが巧の自由にできる唯一の場所だと思います」

瀬川泰祐さん
「子どもが遠慮せず体を動かせる場所が大切で、スポーツが自己表現を促してくれるところがあります。結果的に楽しんで遊んでくれることが、変化につながっているのではないか」

必要な家庭に支援を

この施設では支援が必要な家庭を積極的に見つける活動もしています。
先月、この施設で行われたハロウィンパーティー。地域の人たちが無料で招待され、親子連れなどおよそ150人が訪れました。

瀬川さんは訪れた人たちに声をかけ、施設の特徴を説明していました。
こうした活動を通じて支援が必要な家庭を見つけだし、地域と連携して支えていきたいということです。

瀬川泰祐さん
「子どもを預かる子育て支援だけでなく、地域の相談場所になれれば良いと思っています。スポーツができたり、親が相談できたり、いろんなことができる場所にして、私たちにできないことがあれば行政などと協力して横の連携を強めながらやっていきたい」

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