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世界最大規模の田んぼアートが見頃に 埼玉県行田市

  • 2022年07月22日

埼玉県行田市では毎年、2万8000平方メートルの田んぼをキャンパスに見立ててさまざまなデザインの絵を描く田んぼアートをつくっています。ことしも見頃を迎えました。行田市農政課の橋本卓也さんに泉浩司アナウンサーが伺いました。

行田市の田んぼアートはどんなねらいで始まったのでしょうか。

平成20年から始まって、ことしで14回目の開催となります。行田市のおいしいコメと観光を発信するため、地元が誇る緑豊かな水田を舞台に色彩が異なる複数の稲で文字や絵柄を描いています。また、米づくりという農業体験を通して日本人の主食であるコメを身近に感じてもらおうと始めました。

過去にはギネス世界記録に認定されたということですが、認定に向けては随分、苦労したそうですね。

当初、約2000平方メートルの田んぼで始めたんですが、平成23年には2万8000平方メートルまでに広げました。行田の田んぼアートの大きさを世界に発信したいと思って、ギネス世界記録の基準作成を依頼しました。平成24年に田んぼアートの面積や色の種類、背景の割合などの基準が示されたのでギネスに挑戦しようとしたのですが、背景の割合が基準に達しなかったため挑戦を見送った経緯があります。

その後も高温障害や大雨による稲の生育不足などの理由で、なかなか世界記録の認定に至ることができませんでした。地元でも若干、あきらめムードが広がっていたんですが、田んぼの高低差を解消したり強い苗の選別をしたりした結果、平成27年9月に無事、ギネスの世界記録に公式認定されました。

ことしはどんなデザインなんでしょうか。

プロサッカー選手を目指して奮闘する少年たちを描いた人気漫画の「アオアシ」です。

NHKでもアニメを放送していますよね。なぜ、選んだんですか。

去年のデザインが歌舞伎と浮世絵で、国内外からとても大きな反響をいただきました。ことしも日本の代表的な文化を取り入れたいと考え、国際的にも人気の高いアニメや漫画にすることにしました。また、秋にはサッカーのワールドカップも開催されることから、「アオアシ」とコラボレーションすることにしました。

田んぼアートと言えば上から見ることでデザインがわかるんですが、どのようにつくっているんですか。

測量器械を使って田んぼにデザインの目印となる杭を1本ずつ打っていきます。ことしは約5200本の杭を打ちました。杭と杭をひもで結んで絵柄がわかるようにして、指定された色の苗を植えていきます。ことしは4色の苗を使っています。緑色には「彩のかがやき」、白色は「ゆきあそび」、赤色は「べにあそび」、黒色は「ムラサキ905」という品種です。

田んぼアートで最も難しい点はどこでしょうか。

田んぼアートだけに言えることではないんですが、田んぼは水の管理がとても大切です。水の量が多くても少なくても苗の成長に大きく影響してしまうんです。

6月に田植えを行ったということなんですが、どういった方が参加したんですか。

田植えは2日間行いまして、6月11日には市の職員や関係団体、地元の小学生やボランティアなど453人が参加しました。翌日の12日には田植え体験ということで親子連れなど230人が参加しました。

見頃はいつになりそうでしょうか。

7月中旬から8月中旬が、苗が最も色鮮やかになる時期です。 その後も徐々に稲穂が黄金色になっていきますので、また別の雰囲気を見せてくれます。稲刈りを予定している10月中旬頃までは楽しめると思います。

行田市の田んぼアートをどんなふうに楽しんでほしいですか。

世界最大級と田んぼアートにアニメをコラボレーションすることで、田んぼにあまり関わることのない若い世代にぜひ、足を運んでいただきたいと思っています。また、国内外に行田市の田んぼアートの魅力を発信していきたいとも考えています。

キャスターからひと言

ことしのデザインの「アオアシ」はNHKのEテレで放映されていて、我が家でも3人の息子と毎回、見ています。田んぼアートは隣接する「古代蓮の里」にある古代蓮会館の高さ50メートルの展望室から見下ろすと一望できるということです。

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