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校長先生はオペラ歌手? 埼玉県和光市の小学校 歌声披露

  • 2022年07月13日

熱唱するこちらの男性。アマチュアのオペラ歌手として活動していますが、本業は埼玉県和光市の小学校の校長先生です。コロナ禍で封印していた自慢の歌声を子どもたちの前で披露しました。【最後に動画があります】

イタリア留学でオペラ学ぶ 異色経歴の小学校校長

和光市立下新倉小学校の校長、藤原啓さん(58)は大学生の時にオペラに魅せられ、27歳の時から2年間、イタリアに留学して本格的にオペラを学んだ経験があります。

カルメンのダンカイロ役を演じる藤原さん(後列右・1999年)

プロのオペラ歌手になる夢はかないませんでしたが、音楽の楽しさを子どもたちに伝えたいと31歳の時に小学校の教諭になりました。
こうした経験を買われ、地元などで開かれるオペラの公演ではバリトンの歌手として、これまでに20を超える演目に出演。50以上の役柄をレパートリーとしているということです。
そして藤原さんは勤務先の学校でも時々、子どもたちの前で歌声を披露してきました。

和光市立下新倉小学校校長 藤原啓さん
「オペラは自分にとっては、一生涯、続けていくものですし、自分を高める大きな存在です。自分が音楽に対して、真摯に向き合っている姿勢も子どもたちに感じ取ってもらいたい」

新型コロナで歌声封印 そして“トリオ結成”

しかし、この3年間は新型コロナの影響で自慢の歌声を封印せざるを得ませんでした。

そうした中、ことし4月に転機が訪れました。音楽に秀でた2人の教員が赴任してきたのです。

石橋怜奈さんと柳瀬亮佑さん

音楽大学で声楽を学んだ石橋怜奈さん(23)と、ピアニストとして活動し国内外のコンクールで入賞した実績のある柳瀬亮佑さん(30)です。
感染状況もちょうど落ち着いてきた中で、このチャンスを生かそうと、藤原さんは子どもたちの前で生の歌声と演奏を披露することを決めました。

3人は、本番の1か月前ほどから授業の準備など忙しい業務の合間を縫って、放課後にリハーサルを繰り返しました。

藤原啓さん
「とても楽しみでわくわくしています。自分の声を初めて聴く子どもたちは驚くかもしれませんが、ぜひ楽しんでほしいと思います」

「音楽の楽しさ伝えたい」3年ぶりに披露する生の歌声

6月下旬、子どもたちが集まる朝礼の場で3人の先生によるオペラが行われ、藤原さんは3年ぶりに歌声を披露しました。
感染対策のためオペラを行う朝礼は学年ごとに開くことにして、この日は藤原さんの歌を初めて聴く3年生が対象でした。

藤原さんは、石橋さんとのデュエットで、モーツァルト作曲のオペラ「ドン・ジョバンニ」の楽曲から、イタリア語で美しい歌声を響かせました。

ソロの場面では、自分のはまり役だという主人公の従者役として「カタログの歌」を熱唱。ユーモラスに登場人物を演じて、子どもたちは笑顔で聞き入っていました。

オペラの曲が終わったあとは、子どもたちが音楽の授業で習った「夢の世界を」を全員で歌いました。

生で見られてうれしかったです。

音楽って強い力を持っているんだなと感じました。

大きくなったら自分で歌を作ってみたいと思いました。

校長先生の歌声がすごくきれいで感動しました。

久しぶりにみんなで音楽朝会ができてよかったです。音楽は楽しいと思いました。

藤原啓さん
「一生懸命に歌いすぎて、最後は息が上がってしまいましたが、子どもたちに音楽の楽しさ、喜びを届けたいと思い、力を込めて歌いました。音楽は楽しいもので人の気持ちを豊かにするものだということを感じてほしい。終わったあとも『またやってね』と言ってくれた子もいたので、また歌いたいと思います」

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