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団地の商店街に「まちの工作室」 北本市

  • 2022年06月17日

ことし5月、埼玉県北本市の団地にある商店街の一角に空き店舗を活用したシェアアトリエ&ギャラリー「まちの工作室」がオープンしました。地元のまちづくり会社「暮らしの編集室」の岡野高志さんに保坂友美子キャスターが伺いました。

早速なんですが、町の工作室とはどんな場所なんでしょうか。

「まちの工作室」は地元の北本団地にオープンしたシェアスペースです。創作する場所としてのアトリエと展示する場所としてギャラリーの2つの機能を持っています。アトリエは3人のものづくりの作家が利用しています。ギャラリーは誰もが利用できて、絵画などの作品を展示販売できるようになっています。

3人の作家さんはどのようなものをつくっているんですか。

1人は手芸作家で教室も開いています。あとは、洋服を制作している方と天然石でアクセサリーをつくっている方です。

このスペースはもともと「北本団地活性化プロジェクト」の一環で始まったと聞いているのですが、どのような思いでプロジェクトを始めたんですか。

北本団地は完成してからことしで51年になる約2000戸の大型団地です。団地には15店舗ほどの商店が入っているんですが、住民の高齢化が進んだ影響で、営業を続けているのが数店舗ほどといわゆるシャッター商店街になってしまったんです。

私も北本団地の住人なんですが、地元の友人たちと一緒に自治体も巻き込みながらこの空き店舗を使って団地を盛り上げたいなと思ってこのプロジェクトを始めました。

どうして「まちの工作室」をつくろうと思ったんですか。

地元の若者やお年寄りが集ってコミュニケーションをとることができる場所ができれば地域づくりに貢献できるのではないかと思いまして、去年5月に空き店舗を使って誰もが料理をつくってふるまうことができるシェアキッチンをオープンしたんです。

すると、シェアキッチンに集まったお年寄りなどが自宅でつくった手芸作品などをシェアキッチンに持ち込んで、好きな人に配り始めたことに気づいたんです。皆さんが手を動かしてつくったものをシェアできる場所があれば、団地のコミュニティーの拠点になることができるのではないかと思って、「まちの工作室」をオープンしました。

団地の様子は変わってきましたか。

オープンしてまだ1年足らずなのですが、シェアギャラリーではすでに企画展なども開催しています。団地の外から訪れてくれる人もかなりいて、注目を集め始めています。こうした動きが積み重なっていけば、団地に住む人が増えたり、団地のお年寄りたちとの交流が進んだりするのではないかと期待しています。

今後はどんなイベントが開かれる予定ですか。

3人の作家のうち、手芸作家の方は週に何日かワークショップを開催しています。これに加えて、今後は、今はミシンを持っていない若い方も多いので、工作室にあるミシンを使って、会話を楽しみながら自由にものづくりを楽しんでもらう教室もできたらいいなと思っています。

これから北本団地をどんな場所にしていきたいですか。

団地に住んでいる人たちが、この団地に住んでよかったなと思える場所にしていきたいと思っています。「まちの工作室」をコミュニティーの拠点として、お年寄りや若者、そして、団地の外の人たちがこの場所に集って、団地に愛着を持ってくれる場所になってほしいと考えています。

キャスターからひと言

「まちの工作室」の一足先にオープンしたシェアキッチンでは、ジャズ喫茶がメインで開催されているそうです。岡野さんは「お年寄りがレコードを持ち込んで、それをきっかけに自然に会話が生まれています」と嬉しそうに話してくれました。

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