ページの本文へ

  1. 首都圏ナビ
  2. 埼玉WEB特集
  3. 埼玉パナソニックワイルドナイツ優勝 堀江翔太選手に聞く

埼玉パナソニックワイルドナイツ優勝 堀江翔太選手に聞く

  • 2022年06月08日

埼玉パナソニックワイルドナイツはラグビー リーグワンのプレーオフトーナメントの決勝で東京サントリーサンゴリアスに勝って初代チャンピオンに輝きました。チームの組織的なディフェンスの切り札として試合の後半から出場して存在感を示し、MVP=最優秀選手にも選ばれた堀江翔太選手に泉浩司アナウンサーが伺いました。

優勝おめでとうございます。まずはサントリーとの決勝戦ですが、国立の舞台にはどんな思いで臨んだんでしょうか。

3万3000人の観客の皆さんが楽しめるようなラグビーをしたいと思っていました。グラウンドから見ていても青いタオルや青い服を着ている人がよく見えたので、なんとか期待に応えたいと思いながら試合に臨みました。

結果は18対12でサントリーを破りました。 勝因をどう捉えていますか。

ディフェンスがうまくいったと思っています。ペナルティーキックによる失点だけで、トライをとられませんでしたし、ペナルティー(反則)も最小限に抑えることができたのではないかと思っています。

前半終了間際には、サントリーのマッケンジー選手の突破を山沢選手がタックルで止めましたね。

あのプレーは山沢選手にしかできなかったと思っているので、非常にいいタックルだったと思います。

ラインアウトでの守備も光りましたね。

ロックのジョージ・クルーズ選手やジャック・コーネルセン選手が相手のプレーを予測しながら、みずからの判断でどんどんプレッシャーをかけてくれておかげです。

リーグ戦では堀江さんが試合の後半から出場して流れを変える試合も数多くありました。試合の途中から入るのは難しさもあると思うのですが、どんなことを考えていたんですか。

グラウンドでのコミュニケーションやどんなプレーがうまくいっていないのかということを分析して、頭に入れたうえで試合に出るので、身体はもちろんですが、結構、頭を使いながらプレーしているイメージですね。

ベテランの役割とは

ロビー・ディーンズ監督は決勝戦のあと、「突出したスターはいない。2人のすばらしいリーダーの坂手と堀江が準備から試合に至るまでチームを引っ張り、チームワークが醸成された」と話していました。

坂手選手がリーダーシップをとってチームをまとめて、僕はサポートしていく感じなので、坂手選手にプレッシャーがかかりすぎないようにと思いながらシーズンを過ごしました。

堀江さんにはプレーイングコーチの役割も果たしていますよね。

もう37歳で引退も近づいてくる年齢なので、自分が持っている経験はどんどん教えていきたいなとは思っています。

チームをまとめることは上司と部下の関係にも通じると思うんですが、堀江さんが考えるリーダー論はありますか。

リーダーということを意識したことはあまりないのですが、若手の選手とは年齢もすごく離れているんですよね。だから若手は全員が1つ下の年齢の選手だと思って接しています。

そう考えるとなにが変わるんですか。

誰とも同じようにコミュニケーションがとれますよね。もちろん初めは慣れないでしょうし、僕からコミュニケーションをとると委縮してしまうので、若手の選手が気軽に話しかけることができる環境になるまでは我慢します。でも、なにかのきっかけで話す機会ができたときには、いつもどおりに話すようにしています。

ラグビーを始めたきっかけ

堀江さんがラグビーを始めたきっかけはなんだったんですか。

きっかけはダイエットです。もともとサッカーをやっていたんですが途中でやめて、結構、太ってきてしまったので、小学校5年生のときに母親に「なにかスポーツをしたほうがいいんじゃない?」と言われて誘われたのがラグビーでした。

ラグビーのどこが楽しいと思いましたか?

ラグビーはいろいろな特性を持った人が輝ける場所があるスポーツだと思うんです。身長が低くてもスクラムハーフというポジションがあったり、足が速ければウイングというポジションがあったりするので、それが僕にはすごくあっていると思います。

堀江さんはドレッドヘアがトレードマークですが、真ん中から分けていますよね。

スローイングのときにボールが髪の毛に当たらないように、ツインテールにしています。髪の毛が短かったときは分けていなかったんですが、長くなってから分けるようにしました。

もう一つのトレードマークが、試合のときにまくりあげているパンツ。聞くところによると調子がよいときほど、まくりあがっていると聞いたことがあるんですが、いかがでしょう。

試合で走るときに邪魔になるので、スパッツの中に折り込んでいるだけなんです。調子がよいときに上がっているかどうかはちょっとわからないですが、もしかしたらそうかもしれないですね。

ラグビーの魅力とは

改めてラグビーの魅力はどういうところにあると思いますか。

ラグビーはルールもたくさんあって、選手もたくさんいるので、あまりかしこまらず、まずは試合の会場に来ていただいて、選手同士がぶつかり合う様子などを楽しんでいただくことが一番だと思います。

堀江さんはフッカーと言うポジションで、スクラムの最前線でボールをかき出す役割ですが、このポジションの魅力はどんなところにありますか。

フッカーは何でも屋なんです。セットプレーもありますし、フィールドプレーでも結構、動かなくてはならないですし、難しいポジションですが、楽しんでやっています。

ファンにぜひ見てほしいプレーはどんなところですか。

スクラムはフッカーを中心にして組みますし、ラインアウトではスローイングをするので、こういったプレーが目立つところかなとは思いますね。

今シーズンは本拠地を熊谷市に移して初めてのリーグでした。

コロナ禍なのでなかなかファンと交流することは難しいんですが、練習場が公園の中にあるので、気軽に来ていただいて写真も撮ることができますし、選手の様子も間近にみることができます。選手にとっても、ファンに見られているということで緊張感をもって練習ができる利点もあると思います。

最後にファンの皆さんにメッセージはありますか。

皆さんの応援のおかげで優勝することができました。ありがとうございます。来月には日本代表の試合も始まりますし、1年中、ラグビーを観るチャンスがあると思いますので、楽しんでいただければと思います。

キャスターからひと言

堀江選手は来年のワールドカップに向けて、日本代表に選ばれました。2019年の大会後、いったんは代表引退を表明しましたが、トレーナーと一緒に地道にトレーニングを続けてコンディションを上げていったと言います。これまでのトレーニングで身に付けた身体の使い方や鍛え方をぜひ将来、子どもたちに伝えていきたいと話していました。

記事の内容はさいたま放送局のFM番組「ひるどき!さいたま~ず」で放送しました。(6/8)

ページトップに戻る