ラグビー リーグワンを地域で盛り上げる 埼玉県熊谷市

ジャパンラグビー リーグワンの強豪チーム、埼玉パナソニックワイルドナイツの本拠地となった埼玉県熊谷市。1月にはリーグ戦も開幕し、いつもとは違った盛り上がりを見せています。地元でベーグル店を営み、ラグビーでまちを元気づけようと活動を行っている臼杵健さんに泉浩司アナウンサーがうかがいました。

リーグ戦が始まりましたけれど、熊谷、地元の盛り上がりをどう感じていますか。 

最初の2試合がコロナの関係で中止になったこともあって、出だしで “おっ”と思ったところもあったんですが、1月23日に熊谷ラグビー場で初めて試合が開催されたときには、6400人以上の来場者があって、大変、盛り上がりました。

やはり、まだ、アルコール類は販売されていませんし、応援も声を出してできるわけではないんですが、久しぶりに何千人という方がスタジアムの周りに集まって、みんなで1つのことに盛り上がる雰囲気は、来ている方々の表情を見ていてもすごく感じましたね。

臼杵さんはベーグル屋の店主ですが、商品の1つにラグビーボールの形をしたパンがあるそうですね。

熊谷がワールドカップの開催地に決まったときに、ラグビーにちなんだ商品をつくりたいと思って始めました。埼玉県の北部や群馬県では「みそパン」というソウルフードがあるんですが、ラグビーボールの形をしたベーグルの中に甘みそのたれを入れた商品となっています。

ホームゲームのときは、スタジアムの外にも出店しているんですよね。

一生懸命、宣伝しているというのも、もちろん、あると思うんですが、“せっかく熊谷に来たので、「みそパン」を食べたかったんだよ”と言いながら買いに来てくださる方が多いです。ラグビーは15人でやるスポーツなので、試合のときは15種類のベーグルを用意しているんですが、ダントツの人気になっていますね。

店を出していると、試合が見られないんじゃないですか。 

そうなんです。基本的には見られないですけど、チケットは買ってはあるんです。お客さんもラグビーを見に来ているので、試合中はラグビー場の外にはいらっしゃらないんですね。なので、お客さんが落ち着いたら、さっと試合を見に行って、ハーフタイムになる直前に戻ってくるとかですね、できるかぎり観戦もしながら出店もするという、欲張りなことをやっています。

臼杵さんはベーグル店の店主のほかに、熊谷ラグビー合唱団の団長でもいらっしゃいます。 こちらはどういう活動なんですか。

もともとはワールドカップの地元開催を盛り上げるには、どういうことができるだろうと考えて、試合を行うチームの国歌をみんなで歌って、おもてなしをするという企画を仲間と一緒に立ち上げました。ワールドカップが終わったあとも、ラグビーのトップリーグ、今はリークワンになりましたが、地元のチームを応援する、そして、試合に来る人たちにおもてなしをするという活動を続けています。

地元チームを応援するだけでなくて、相手チームのファンのみなさんも熊谷を楽しんでほしいという、おもてなしの心があるわけですね。

そうですね。僕がラグビーを好きになったのは、ワールドカップで積極的に関わったことがきっかけなんですが、ラグビーという競技だけではなくて、相手チームへのリスペクトであるとか、ノーサイドの試合後にお互いのチームの選手たちが握手をする、そういう雰囲気も好きなんです。試合ではもちろんワイルドナイツを応援しますが、それ以外は、相手チームのファンも含めてみんなでいい一日をつくりましょうよという気持ちでやっています。

ラグビーに関わるさまざまな活動をなさっていますが、今後、やってみたいことはなんですか。

そうですね。 本当はハイタッチをしたいんですね。これもやはりワールドカップのときに、ボランティアの人たちが試合を見に来たお客さんに、バスの停留所や駅の案内所、ラグビー場などあらゆる場所で、ハイタッチでおもてなしをしていたことがすごく印象に残っているので、そのレガシーを引き継いでいきたいと思っています。ハイタッチが復活できる日が早く来るといいなという思いはありますね。