埼玉県本庄市の商店街に築100年の元料亭を改装した「本庄デパートメント」が去年11月にオープンしました。いったいどんなデパートなんでしょうか? 共同代表の榎本 千賀耶さんに岩崎 愛キャスターがうかがいました。
こちら、普通のデパートではないんですよね。
本庄デパートメントは、JR高崎線の本庄駅から徒歩10分ほどの銀座通り商店街にあります。築100年以上の料亭だった建物をリノベーションしたカフェとコワーキングスペースになっています。
築100年の建物を選ばれたのはどうしてなんですか。
元料亭だったので外観がとても魅力的で、私自身、古いものがすごく大好きで気になっていたので、この建物を選びました。
写真を拝見しましたけれども、室内がレトロな雰囲気で、本当におしゃれですよね。榎本さんは建築家でデザイナーという肩書をお持ちですけれども、建物のリノベーションも榎本さんが担当されたんですよね。 どんな点に一番、苦労されましたか。
床とか壁、天井を壊してみないと、建物の構造がどうなっているのかわからなかったので、自分たちで解体しながら、リノベーションの方法やデザインを考えていく難しさがありました。
特にこだわったポイントはなんですか。
工事自体は、プロの大工さんにも入ってもらったんですけれど、解体作業やタイル張り、家具づくりなどは、お子さんを含めて、公募で集まった皆さんとワークショップ形式で話し合いながら、手作りで進めていきました。
この施設には、おいしいコーヒーや地元の果実を使ったクリームソーダがいただけるカフェもありますし、そして、コワーキングスペースもあるんですよね。本当にさまざまな用途で利用できますね。
本庄市に住んでいる人が、ちょっとでも暮らしが楽しくなったと感じてもらえたらと思っています。このあたりの地域は車社会ではあるんですけれど、車ではなくて、歩くと見えるものもありますし、人の顔が見えるようになると、もっと暮らしが豊かになるので、そういう楽しみをみんなで味わって、商店街に遊びに来る人が増えたらうれしいなと思っております。
最近は、空き家に関する相談にも乗っていらっしゃるようですね。
私たち自身も空き店舗を利用して活動しているので、同じようにお店を開きたい方が相談に来てくださるようになりました。私たちにはリノベーションとか、空間プロデュースしたりするスキルがあるので、紹介できる空き家がもっと増えると、いろいろつなぐことができると思っています。現在、空き家のオーナーの方と話すことができないかなと思って、日々、奮闘しているところです。
相談に来るのは本庄市の方が多いんですか。
そうですね。本庄市に住んでいたり、あるいは、一度、本庄市を出た方が移住してお店をやりたいと言ってくださったりするケースもあります。東京の方ですとか、本庄の内外から本当にたくさんの方から相談をいただいています。
榎本さんたちが、建物のリノベーションに向けて、クラウドファンディングを呼びかけたところ、SNSなどですぐに支援の輪が広がり、2日間で当初の目標を達成できたということです。3月21日には、高校生と大学生を主役にしたマーケットを商店街で開催するということですので、みなさんも出かけてみてはいかがでしょうか。