私たちにとってかけがえのないパートナーとなっている犬。しかし、犬も人間と同じようにさまざまな事情を抱えながら暮らしています。そんな犬たちをサポートしようと、埼玉県杉戸町の愛犬家が「みんなのイエロードッグプロジェクト」というボランティア団体を立ち上げました。どんな取り組みなのでしょうか。代表の染川 美智子さんに武田 涼花キャスターが伺いました。
「みんなのイエロードッグプロジェクト」とはどういった団体で、どんな活動をしているんでしょうか。
イエロードッグプロジェクトは、犬のリードに黄色のリボンをつけて、”この犬には近づかないでね”、”そっとしておいてね”というサインを皆さんにお知らせする活動です。黄色のリボンは、人間でいうヘルプマークのようなものになります。スウェーデンで生まれたプロジェクトで、黄色のリボンの付いた犬のことを私たちはイエローリボン犬と呼んでいます。
イエローリボン犬に近づかないでほしい理由はさまざまあります。犬にも個性があって、ほかの犬が近づくと強く吠えかかってしまったり、おびえてしまったりする犬がいます。また、人間や犬が苦手で、他人やほかの犬が近づくことで、びっくりしたり、パニックになったりして、散歩が困難になってしまったり、病気が悪化してしまったりする犬も存在します。
この活動を始めたきっかけはなんだったんですか。
去年1月に私が保護犬の里親になりまして、まるこという名前を付けました。実はまるこは飼い始めたときから犬が苦手だったんです。
犬だけれども、犬が苦手なんですね。
担当のボランティアから、ほかの犬に近づけないようにというアドバイスを受けてはいたんですが、散歩中にほかの犬が近づいてくると、まるこはパニックになって発作を起こして倒れるようになってしまったんです。
犬の健康を保つには、散歩は必須となっていますが、イエローリボン犬の散歩は非常に困難で、早朝や深夜にしか散歩ができなくなっている飼い主がいます。イエロードッグプロジェクトが広まることで、愛犬家の共通言語ができて、病気などさまざまな個性を持った犬の命を守ることができると思って活動を始めました。
この取り組み、全国各地に仲間が広がっているということですね。
主に杉戸町をメインに活動しているんですが、おかげさまで多くの方にイエロードッグプロジェクトのことを知ってもらえるようになりました。また、プロジェクトの内容を高齢者や子どもにもわかりやすく伝えるチラシをつくって、全国に広げる活動も進めています。たくさんのメディアに取り上げていただいたこともあって、埼玉県では川口市など、他県では東京、千葉、福井、大阪、鹿児島などでチラシを掲示してくれる人が出てきています。
イエロードッグプロジェクトは、犬どうしのトラブルを防ぐだけではなく、犬と人間のトラブルを防ぐこともできる活動だと染川さんは話してくれました。イエローリボンのマークが、マタニティーマークやヘルプマークと同じように広がることで、まるこのようなワンちゃんが安心して暮らせる世の中になってほしいですね。