コロナ禍でも子どもたちに音楽の楽しさを学んでもらおうと、音楽の授業で使う音源を集めたCD「音楽まなびの森」が制作されました。いったいどんなCDなのでしょうか。選曲や監修を担当した戸田市立戸田東小学校の小梨 貴弘先生に猪崎 那紗キャスターが伺いました。
新型コロナウイルスの感染拡大で、学校での音楽の授業はどのように変わったんでしょうか。
恐らく学校の授業で一番大きな影響を受けたのが音楽の授業ではないかと思います。リコーダーや鍵盤ハーモニカなど口に触れる楽器の演奏は1年以上、中止が続いているような感じです。また、歌なども以前のように元気いっぱいということではなくて、小さな声で歌うというような形だったんですけれども、それも今回のオミクロン株の感染拡大によって、一時中止になっているような状況です。
学校のイベントで中止になったものはありましたか。
毎年、行われていた音楽会ですとか吹奏楽や合唱といったクラブ活動後も、ここ2年ぐらいはきちんと実施できていないですね。
今回、制作されたCDを使うと、どんな授業ができるようになるんでしょうか。
歌うことができなくても、楽器が演奏できなくても、身体を動かしながら音楽を感じたり、さまざまなジャンルの音楽に触れたりすることができるようになります。
CDですからもちろん音楽を聴くことはできるんですが、それだけではなくて、CDに入ってるブックレットという紙の冊子にQRコードが表示してありまして、スマホなどで読み込むことでYouTubeを視聴できるようになっています。YouTubeを通して、お兄さんやお姉さんと一緒に踊ったりすることで、音楽を楽しむことができるようになっています。
実際にどのように身体を動かしていくんですか。
ボディーパーカッションというのですが、音楽に合わせて手を叩いたり、膝を打ったり、足をならしたりします。歌ったり、楽器が演奏できなかったりする代わりに、身体全身で音楽を感じながら、リズムをとりながら、楽しい授業をつくることができるようになっています。
これまでの授業とは違うけれども、また違った形で音楽を楽しむことができるということなんですね。実際、このCDを使った授業をされて、子どもたちの反応はいかがでしたか。
やはり、こういう状況で、心が萎縮してるような子どもたちも非常に増えてきているわけですが、楽しい音楽に合わせながら全身を動かすことで、かなり笑顔がこぼれる子どもが増えてきている感じがします。
まだまだコロナ禍でいろいろな制限がありますが、今後、どのような授業をしていきたいと思われますか。
今はコロナ禍で委縮した子どもたちの心をなんとか解きほぐしていきたいな、子どもたちの笑顔を取り戻していきたいなという思いで授業を進めています。そして、コロナが一段落したら、また、子どもたちみんなが心の底から歌ったり、楽器を演奏したりできるように、CDだけではなく、ICTなども積極的に活用しながら、1歩前進した音楽の授業づくりに取り組んでいきたいと考えています。
「音楽まなびの森」のCDには、あわせて59の音源が収録されていて、ゲーム感覚でリズムを表現する曲や季節を感じることができる効果音などもあるということです。音楽は、聴いている人や歌っている人、みんなを笑顔にしてくれますよね。コロナで大変な時期が続いていますが、子どもたちにはぜひ、笑顔で過ごしてほしいと思います。