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ヘアドネーションに挑戦した小学5年の男子児童 埼玉県入間市

  • 2022年01月21日

「病気の治療などで髪の毛を失った人の役に立ちたい」。2年あまりにわたって髪を伸ばしてきた埼玉県入間市の小学5年生の男子児童が今月30センチを超える髪を切り、寄付しました。
(さいたま放送局 所沢支局 高本純一)

ヘアドネーションに挑戦

入間市立豊岡小学校の5年生の田中宏太郎さん(11歳)は、医療用ウイッグとして自分の髪の毛を寄付する「ヘアドネーション」に取り組んできました。

右は髪を伸ばす前の田中さん

きっかけは3年前に母親が「ヘアドネーション」に協力したのを見て、自分も困っている人の役に立ちたいと思ったことでした。

心が折れそうになることも

田中さんは、その年の秋から髪を伸ばし始めましたが、髪が長くなるにつれ、大好きなバスケットボールをしていると女の子に間違われることが増えたということです。

ヘッドコーチ
「試合で『何で女の子がいるんだ』という声を聞くことが何回もありましたが、プレー自体に影響はありません」

周りに髪を伸ばす男の子がいなかったため、田中さんは不安になり、途中でヘアドネーションを辞めたいと思うこともあったといいます。そのたびに両親らが励ましてくれ、続けることができました。

いよいよ髪を切る日が

そして今月7日、背中まで伸びた髪を切る日がやってきました。家族とともに地元の美容室を訪れた田中さんは「ちょっとわくわくしています」と少し緊張した面持ちで話していました。

髪の長さを測り、寄付に必要な31センチ以上あることを確認すると、母親が最初にはさみを入れ、これまでの日々をかみしめるようにゆっくりと切っていました。

母親に髪を切ってもらう田中さん

田中さんは自分の髪の毛が短くなっていくようすに驚いたり笑顔を見せたりしていました。

髪を切り終えて新しい髪型になった田中さんは、美容室を出ると家族と記念撮影をしていました。

母親の祐子さん
「切る時はうれしさとさみしさで複雑な気持ちでした。よく頑張ったと思います。髪の毛も短くなって印象も変わり、お兄さんぽくなった気がします。ヘアドネーションだけでなくほかにもいろいろな活動をしてほしいと思います」

田中さん
「切ってもらう時はちょっと心配でしたが、髪を寄付することができてうれしいです。困っている人を助けて勇気を持ってもらえるウイッグになればいいなと思います」

田中さんの髪はNPO法人に寄付され、医療用のウイッグとして18歳以下の髪を必要とする人に無償で提供されるということです。

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