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築100年の石蔵をリノベーション 埼玉県小川町

  • 2021年11月08日

小川町の役場近くにある大正14年建築の石蔵。外壁に大谷石が使われた立派な石蔵がことし5月、コワーキングスペース「NESTo(ネスト)」として生まれ変わりました。蔵の中は吹き抜けで開放的な空間が広がり、入り口には誰でも利用できるカフェもあります。運営を担当する「NPO法人あかりえ」代表の谷口西欧さんに武田涼花キャスターが伺いました。

石蔵をリノベーションして、コワーキングスペースをつくったということなんですけれども、どんなところなんですか。

広さが50坪くらいある広い大谷石の石蔵で、すごく雰囲気がいいので、これまでも地元の有志が、映画の上映会や写真展を開催していたんですけれども、トイレなどを整備して、5月10日にコワーキングスペースとしてオープンさせました。

ぱっと見た感じはカフェみたいな雰囲気で、利用者、会員の方が好きな席に座って、パソコンを開いて仕事をしたり、本を読んだり、そんな感じで使われていますね。

谷口西欧 「NPO法人あかりえ」代表

この施設をつくろうと思った理由はなんですか。 

関東では、大谷石でこの広さの石蔵は最大級といわれていて、”地域の宝だね”、”これはなにかもっと広く多くの方に、何かこう使ってもらえるようになったらいいよね”、みたいな話がもともとあったんです。

コワーキングロビーというコンセプトにしているんですけど、石蔵で働くだけでなくて、そこを拠点に地域にどんどん出てっいってもらって、本当にホテルのロビーのように石蔵に立ち寄ってもらって、町の自然や人に出会ってもらえたらいいな、みたいな感じでやっています。

ただ石蔵って、正直、寒かったり暑かったりというのが心配なんですけれども、どうでしょうか。 

そうなんですよ。小川町は京都に似て盆地で、冬になるとえらい底冷えをするので、そのまま働いていたら、たぶん1時間くらいでしょんぼりしてしまうくらいになってしまうんです。それで今回、空調を入れて夏は涼しさをキープして、冬は薪ストーブと床暖房を設置して、薪ストーブを焚くと床がポカポカと温まるような仕組みにしています。

薪はどこから調達するんですか。

小川町は面積が60平方キロメートルくらいあって、このうちの半分は林野なんてすね。でも、なかなか地元の木材資源を活用することができていないんです。なので、自分たちで、会員の方なんかも一緒に巻き込んで山に入ってですね、 ちょっと木を切らせてもらって、それを薪にして、冬を過ごす暖の燃料を自給自足できたらいいなという思いもあります。

コワーキングスペース「NESTo(ネスト)」

今後、このワーキングスペースですけれども、皆さんにどんなふうに活用してもらいたいですか、そして、どんな存在になっていきたいですか。

大谷石って、まだ日本が海の底に沈んでいたときに海底火山が噴火して、沈殿してできあがった石らしくて、人の一生のスケールを軽々と超える時間をかけてできているんですね。なにか、懐の深さがある空間だなと思っていて、人種とか文化とか国境を問わずに、世界中から人が集まるような、そんな場所にしていけたらいいなと思っています。

ワークスペース以外の時間帯には、トークイベントとか映画の上映会とか、音楽の演奏会とか、文化発信の拠点みたいなこともできたらいいなって思っています。

キャスターからひと言

地元にひっそりと佇んできた石蔵が地域の人々の憩いの場になる…。築100年の空間で仕事をする感覚とはどんなものなのか、一度味わってみたいと思いました。イベントでの活用も考えているとのことですので、また、新たな石蔵の魅力を発見できるかもしれませんね。

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