ブルーシートの下で いまも続く生活

  • 2020年3月5日

去年(2019年)の台風15号で大きな被害が出た被災地では、半年近くがたったいまも、復旧が進まない中で生活を送る人たちがいます。

千葉県鋸南町では、屋根に深刻な被害を受けた住宅で、ブルーシートに頼る生活が続いています。

千葉県鋸南町。去年の台風15号で被災した住宅の多くは、今も屋根にブルーシートがかけられたままです。台風から半年近くがたち、ブルーシートの劣化による深刻な状況が出始めています。

「ブルーシートは時間がたつと劣化して穴があいたり、破れたりする。張ってから半年たっている。もう全部 雨漏りで下が腐っている」と話すのは、屋根に被害を受けた住民。

雨水によって天井や床にカビが生えて、住めなくなるケースが起こっています。

さらに、ブルーシートを押さえる土のうにも限界が。袋が破れて土が流れ出し、シートを押さえることができなくなる事態も。

「怖い。この間の大風のときも、飛んじゃうんじゃないかと。1人では屋根に上がるのは 怖くて、なかなか作業が進まない」と話す女性もいました。

全世帯のおよそ7割が被災した鋸南町では、今も罹災証明の手続きや相談に訪れる人があとを絶ちません。

経済的な理由や、業者の不足などで屋根の本格的な修理を行えず、ブルーシートに頼らざるを得ない状況が続いています。

住民たちが頼りにしているのが、地域のボランティアセンターです。

「1月に入ってから 新たに74件の張り替えのニーズが寄せられている」

センターには、『今すぐシートを交換してほしい』という切実な声が殺到しています。

復興ボランティアセンターの小出一博さんは「どうやって応急処置をしたらいいか分からない人がほとんどじゃないですか。ブルーシートがばたついたら、その上にさらにシートをかけて 土のうで押さえるということが、一般の方ができる精いっぱいのことなのかなと思う」といいます。

センターでは、シートの張り替えができる地元のボランティアを養成しようとしています。

この日は、ブルーシートをより耐久性の高いものに張り替える作業が行われました。指導にあたるのは、愛知県から来ている上野祥法さん。鋸南町に住み込んで活動を続けています。屋根職人をしていた経験を生かして、100件を超える応急処置を行ってきました。

『ブルーシートを剥いだら、瓦のかけらとかが落ちる可能性あるから、頭上注意で!』

『はーい』

シートが飛ばないように、土のうではなく木に打ち付けて固定します。

『木で挟んで留めていく。横のシートは折り込んで』

上野さんの指導のもと、メンバーは少しずつ技術を習得してきました。

しかし、上野さんは仕事の都合により、今月いっぱいで活動を終えなければなりません。

上野さんは「地元の人たちが少しずつ増えてきていて、そういう人たちにバトンを渡していければいいかなと。そういう形ができてくれば安心できる」と話していました。

ブルーシートの下で続く人々の暮らし。懸命な応急処置が続いています。

 

鋸南町では、今後、地元のボランティア4人が中心となって、引き続きブルーシートの張り替え作業を続けていくということです。

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