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くらしりスペシャル 新感覚みかん!湘南ゴールドの実力

  • 2020年2月29日

今回の食材は『湘南ゴールド』。じつは この湘南ゴールド、神奈川県で生まれた品種で、神奈川県でしか栽培されていないとっても希少なみかんなんです。この湘南ゴールドを、 “ご当地みかん” として売り出して、生産量を増やしていきたい、ブランド化したい、と神奈川県でも頑張っているのですが、なかなかうまくいかないというお悩みを聞いて、行ってきました。

訪ねたのは、古くからみかんの産地として知られている神奈川県の西部。

地元で、『湘南ゴールド』の評判を聞いてみると・・・

「知っています」 「あの みかんみたいな・・・」 「そんなに見かけない」 「生の果実は食べたことがない」

それもそのはず、年間の出荷量はおよそ200t。神奈川県が主力とする『温州みかん』の出荷量16,000tのわずか1%ほどに過ぎないんです。

そこで、農家を直撃しました。4代続くみかん農家の、榎本昌之さん。年間およそ10tの湘南ゴールドを出荷しています。

「あったあった!ありました!湘南ゴールド鈴なりですね~」

鈴なりになるのが湘南ゴールドの特徴です。みかんに比べ 寒さや病気に弱く、デリケートなため、栽培に手間がかかるんだそうです。

実が取れるのは、2月中旬から3月中旬までの1か月間。

「もう皮からいい香りがしています」

「『新感覚オレンジ』といっています」

「うわッ!果汁がすごい!! おいしい!香りもいいし、甘みも酸味もある。バランスがいい」

榎本さんが湘南ゴールドの栽培を始めたのには、切実な理由がありました。

ここ数十年 全国で消費者のみかん離れが進み、1世帯あたりの消費額が年々減り続けています。神奈川県も例外ではありません。

湘南ゴールドは、味は抜群で、主力のみかんの時期が終わった2月以降に出荷できるとあって、農家は大きな期待を寄せているんです。

「農家にとっても、救世主的なみかん。おいしいので、ぜひ食べてもらいたい。もっと全国的に知ってもらいたい」と榎本さん。

そんな湘南ゴールドは、1人の研究者のこだわりによって生まれました。

真子正史さん。湘南ゴールドの開発を始めたのは、県の農業技術センターに勤めていた32年前。当時、ライバルとなる全国の産地が研究していたのは、実が大きくて甘いみかん。

しかし、真子さんは・・・

「私はそれとは反対に、小さくて価値があって、ちょこっと食べればもうひとつ食べたくなる。そんなみかんを狙った」

何個も食べられる大きさで、甘みに加え、かんきつ類らしい酸味も生かしたい。そこで目を付けたのが・・・

「この木が湘南ゴールドの親 黄金柑(おうごんかん)」

黄金柑は手にすっぽり収まるサイズで、爽やかな酸味が特徴。

「味は濃いです。香りがあって、甘酸っぱい。これに勝るものはない」と真子さん。

しかし、黄金柑には弱点がありました。皮が厚くて、むきづらかったんです。

真子さんは、この弱点を克服し、甘みを加えるため、温州みかんと掛け合わせました。納得のいく果実ができるまでにかかった歳月は、なんと12年。

湘南ゴールドと黄金柑を切って比べてみました。

「全然違いますね~」

「皮が薄いですし。うまい!」

湘南の海のようなさわやかさを持った黄金柑の子ども。真子さんは、『湘南ゴールド』と名付けました。

この湘南ゴールドを “ご当地ブランド” にしようと、県を挙げて売り出しています。

出荷が始まると、県の職員とJAの担当者が産地だけでなく、横浜や東京まで足を運んで、毎週のように試食会を開いています。

でも、お客さんのイメージは・・・

Q.普通のみかんと比べて、どっち取る?

「みかん。湘南ゴールドは酸っぱそう」 「レモンみたいな色をしているので、酸っぱそうな感じ」

さらに、お値段もちょっと高め、みかんより一回り小さいのに2倍以上するんです。

見た目や値段で敬遠する人たちにも、味を知ってもらおうと、ジュースやお菓子など、100種類以上の商品を開発してきたのですが・・・

思うように果実の売り上げにつながらないんです。

JAかながわ西湘の保田喜保さんは「食べてもらえると、リピーターが多くいる。第一歩がなかなか難しい」といいます。

ということで、この方のお力をお借りします!

料理研究家の浜内千波さん。「湘南ゴールドは、このままいただける “新しいみかん” 」

湘南ゴールドのイメージチェンジと新たな可能性を引き出していただきます。

浜内さんのお勧めは、加熱して食べること。若返りに効果があると言われる、フラボノイドをたっぷり含んだ皮ごといただきます。

オーブントースターで焼いたものをいただくと

「やわらかい。 ん?んんんん?! 甘みがぐっとたっている」

加熱することで酸味が飛んで甘みが際立ち、皮の苦みが控えめになるんです。

「皮ごといただけるわけだから、バンバン切って、ポンと入れられる。具材としてもいける。『湘南ゴールド』本当に化けますわよ!これからのスターだと呼んでいい」と浜内さん。

ということで、カフェや飲食店でも作れるようなレシピを、浜内さんが考えてくれました。

湘南ゴールドがどんな料理になるのか?レシピのお披露目会に集まったのは、農家の榎本さんと、販売に携わる皆さんです。

「テーマは、『湘南 さわやかな味』」

一品目は、湘南ゴールドを炒めます。具材として楽しむ『湘南パスタ』です。

作ってくれたのは榎本さん。

オリーブオイルでニンニクを炒めてから、湘南ゴールドを入れます。炒める時間はわずか1分。サッと炒めて食感も香りも残します。

ゆでたパスタをしっかり絡めて最後に粉チーズと黒コショウで味を調えたら湘南パスタの完成です!

「簡単!誰でもできる!」と榎本さん。

試食してみると・・・

「おいしい!さわやか! 甘みと酸味と苦みのバランスがよく、まろやかに混ざり合うよう。今まで食べたことない」といいます。

JAかながわ西湘の保田さんも「温かい湘南ゴールドがこんなにおいしいとは!」と、高評価。

そして、二品目は・・・

「チキンの『湘南煮込み』」

煮込むことで、今度は湘南ゴールドのうまみを引き出します。

「甘み、酸味、苦みがちょっとある。優等生な食材であり、調味料である」と浜内さん。

作るのは、JAの保田さんと松井さん。

鶏肉は、塩とコショウで下ごしらえ。湘南ゴールドの甘みと酸味をいかすため、味付けはたったのこれだけ。鶏肉をこんがり焼いて、野菜を炒めて しんなりしてきたら、水を入れて5分ほど煮込みます。

ここでちょっとスープの味見。

「キャベツと玉ねぎの甘み、 “いつもの味” 」

「さッ!湘南ゴールドを入れてください。ステージが全く違ってきます」

湘南ゴールドを入れて、5分間煮込みます。

すると・・・

「全然さっきと違う。全然違う」(JAかながわ西湘の保田喜保さん)

「湘南ゴールドの味がしみ出ている。さっぱりして、結構甘みもある」(JA全農かながわの松井透さん)

「鶏肉がしっとりして、うまみが凝縮されたような感じで、おいしい」(神奈川県 農政課の大塚有紀さん)

そして最後は、焼き!『湘南グリル』。魚介類との相性も抜群なんです。

「本当に驚きのひと言。調理のしかたで湘南ゴールドが変化する。主役級の素材として生かされているのがすごいと思った」と榎本さん。

大塚さんは「 “湘南地域に行けばこの料理が食べられる”という所に つなげていきたい」と話していました。

浜内さんは「 “湘南ゴールドここにあり” という入り口にしてもらえるとうれしい」と、直伝のレシピをプレゼントしていました。

 

問い合わせ先

◇湘南ゴールドについて
 「神奈川県農政課ブランド推進グループ」
 「JAかながわ西湘 指導販売課」
 収穫時期:2月中旬~3月中旬

◇湘南ゴールドを販売している店
・朝ドレファーミハルネ店
・朝ドレファーミ成田店
・澤光青果(神奈川県内・各店舗)
・京急百貨店(もとまちユニオン上大岡店)
・Aコープ(神奈川県内・各店舗)
※販売開始の時期は店舗によって異なります。お店にお問い合わせ下さい。

【出演者】
料理研究家:浜内千波さん


【湘南ゴールドのレシピ】
◆湘南パスタ

<材料>
・湘南ゴールド・・・2個
・パスタ・・・200g
・塩・・・お湯の1%
・オリーブオイル・・・大さじ2
・にんにく・・・1かけ
・パルメザンチーズ・・・大さじ1
・黒コショウ・・・適量

<作り方>
(1)パスタは、熱湯に対して1%の塩を入れ、既定の時間ゆでる
(2)フライパンにオリーブオイル大さじ1、スライスしたニンニクを入れ、香りが出るまで炒める
(3)輪切りにした湘南ゴールドを加え、1分ほど炒める
(4)ゆでたパスタを入れ、ゆで汁を少しずつ加え、味を調節する
(5)器に盛り、残りのオリーブオイル・黒コショウ・パルメザンチーズをふる

 

◆魚の湘南グリル
<材料>
・湘南ゴールド・・・2個
・エビ・・・4尾
・ホタテ・・・2個
・イカ・・・1切れ
・シャケ・・・2切れ
・紫玉ねぎ・・・1/4個
・オリーブオイル・・・大さじ2
・塩・・・小さじ1/2弱
・黒コショウ・・・適量

<作り方>
(1)イカの内臓をとり、2cmの輪切りにする
(2)シャケは一口大に切り、紫玉ねぎは1cm幅のくし切りにする
   湘南ゴールドを横半分に切り、切り込みを入れる
(3)魚焼きグリルにアルミホイルを敷き、オリーブオイル大さじ1を伸ばしておく
(4)具材を並べ、塩を全体にふり、7~8分火が通るまで焼く
(5)残りのオリーブオイル・黒コショウをふって完成

 

◆チキンの湘南煮込み
<材料>
・湘南ゴールド・・・2個
・鶏もも肉・・・300g
・玉ねぎ・・・100g
・塩・・・小さじ2/3
・黒コショウ・・・少々
・キャベツ・・・200g
・オリーブオイル・・・大さじ2
・水・・・2/3カップ

<作り方>
(1)鶏もも肉は筋切りをし、たて半分に切り、塩コショウする
(2)玉ねぎはスライス、キャベツは大きめのざく切りにする
(3)フライパンにオリーブオイル大さじ1を入れ、中火で鶏もも肉の皮目をしっかり焼き、
   ひっくり返してこんがり焼きながら玉ねぎを入れて炒める
(4)キャベツを入れて炒め、しんなりしてきたら水を入れ、5分ほど中火弱で煮込む
(5)4等分にした湘南ゴールドを入れ、再び5分ほど煮込む
(6)器に盛り、残ったオリーブオイル・黒コショウをふって完成

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