おはよう日本 関東甲信越

7月16日放送
大人気!世界も注目 プログラミング教育

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『開発タイム、スタート!』
教室に集まった小学生80人。取り組んでいるのは・・・『プログラミング』。
アイコンを組み合わせるだけで、誰でもゲームやアプリケーションが作れます。
プログラミングの基本が学べると人気です。
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「自分で作るのが好き」 「上手にできたときが うれしい」という子どもたち。
この教室では、オープンから3年間で生徒数が15倍。およそ900人に増えました。
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保護者たちは「これから先、やっぱりパソコンとか大切かなと思って」 「物事を組み立てて考えていけるのを学べるのではないか」といいます。

アメリカでは、大統領自ら『プログラミング教育』の普及を推進。

イギリスやオーストラリア、フィンランドでは、すでにプログラミングを学校で必ず教えるようになっています。
実はいま、世界的にもプログラミング教育に注目が集まっています。
そして日本でも、2020年度から小学校で必修化する見通しです。
なぜ、いま『プログラミング教育』なのか? とことんお伝えします。
私たちの身近にあるスマートフォンやパソコンだけでなく、電化製品や信号などにも、コンピュータが使われています。
それらを動かすためになくてはならないものが、『コード』と呼ばれる命令文です。これを組み立てていくことを『プログラミング』といいます。
子どもたちがプログラミングを学ぶと、どんな効果があるのか。ある小学生を取材しました。
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小学4年生の桑田 悠右(ゆづき)くんは、9か月前からこの教室に通い、プロのプログラマーも使う『コード』を覚えて、自分でソフトを開発しています。
「簡単に説明すると・・・randっていう変数にmath.floorで、小数点以下を切り捨てて、ランダムに0から2までの数を作り出すっていうコードが中に入っています」と説明してくれる悠右くん。
悠右くんのカバンには専門書がぎっしり。
夢は、スティーブジョブズやビルゲイツのようになることです。
「すごくおもしろい。本当だったら新しい商品が出るのを願うだけなのに、『あったらいいな』と思ったら、すぐに『作っちゃおう』で作れるのが、すごく楽しい」
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『これ、いま自分で作っているサイトだよ!』
月700円のお小遣いを管理する “家計簿アプリ” 。
残高が設定を下回ると、アラームで知らせてくれるソフトを目指しています。
作り始めて3か月。買い物に応じて、消費税まで計算できる電卓機能が完成したところです。
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「アプリは自分の子どもなんですよ、プログラマーにとっては。やっぱり だんだんと、賢くしてあげたいと思うんだよね」
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週に1回、千葉県柏市の自宅から教室に通っている悠右くん。
お花屋さんをしている両親は、悠右くんがプログラミングを勉強するようになってから、変わってきたと感じています。

以前は、何かうまくいかないことがあると、すぐにイライラすることがあった悠右くん。
最近では『自分が何を考えたのか』筋道だてて話ができるようになってきたといいます。
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母親の紀子さんは「人とのつき合い方。ケンカしちゃったときでも、『こういうコトがあって、こういうコトがあったから、結果こうなった』というのを論理的に物事を考えるようになった」といいます。
ここからは、プログラミング教育の普及活動をしている、社団法人『みんなのコード』代表、利根川裕太さんとともにお伝えします。
利根川さんは、文部科学省のプログラミング必修化に関する有識者会議のメンバーでもあります。

『論理的思考が身につく』とは、どういうことなんでしょうか?
まずは、子ども向けの学習ソフトを用意しましたので、体験していただきたいと思います。
赤い鳥を緑のブタの所まで連れて行くのを 『まえにすすむ』 『ひだりに まがる』 『みぎに まがる』というブロック(命令文)をつなげて、作ってみてください。
近田)「まずは前に進むですね。そして左に曲がる・・・で、そのあと、右に曲がるだらか・・・」
利根川)「あ!ここが危ないところなんですね! 物事を分けて考えなくてはいけないので、前に進むを 左に曲がるの次に入れてください」
近田)「なるほど! 前に進むを入れてから曲がるんですね・・・」

【実行】ボタンを押すと・・・
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「進め! 前に進んで左に曲がり、前に進んで右に曲がった! 前に進んでゴール!!」

これで立派なプログラムが書けました。
コンピュータに自分が意図した動きをさせるためには、ひとつひとつ物事を分解し、筋道を立てて考えなければいけないので、 “論理的な思考力” が身につく。これがプログラミング必修化のねらいのひとつでもあるんです。
でも、論理的思考を学ぶのであれば、プログラミングでなくてもいいのでは?と思うのですが。
「必修化の背景として、これからの社会、身近な生活にコンピュータや人工知能がもっと入ってくるので、コンピュータが何でもやってくれる【魔法の箱】ではなく、人間が意図した処理を行う【科学技術】なんだよと気づいてもらう必要がある という議論になっています」
4年後(2020年)の必修化を見据え、教育現場も動き出しているんです。
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『ワン、 ツー、 ハマりそうだよ』 『分かった 分かった。意味が分かった』
杉並区の教員が自主的に開いたプログラミングの勉強会です。
プログラミングをどうやって授業に取り入れていくのか、意見を交わしました。
『ここまでで気になることは?』
『授業の中には結局、 “プログラミング” という教科では落とし込めないし、体験的にやって、その後に各教科に何かエキスを入れるという感じ?』
実は必修化といっても、理科や算数などに加えて、プログラミングという教科が増えるわけではありません。
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従来の教科を教える中で、プログラミングを学ばせるというのが文部科学省の方針です。

どの教科でどの程度教えるのかは、それぞれの学校の裁量に任せることになっています。
教員は「各教科で、どの場面で使えるか・・・、理科で、あるいは国語で、社会でとなると、実際どう実現するか不安だ」といいます。

プログラミング教育を授業に取り入れるための模索も始まっています。
勉強会に参加した1人、栗山崇志先生は、3か月前から、独学で本を読んだりして準備してきました。
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「いま これ(本)で勉強していて。見ているだけで理解できるものでもなかったりしますし、時間をかけて勉強しないと、完璧には覚えられないかなと思う」
栗山先生は、今回 試験的に『総合』の授業に取り入れてみることにしました。
『コンピュータを使った仕事』の授業で、プログラミングを取り入れられると考えたのです。
しかし、栗山先生には ひとつ気がかりなことが。
ゲームにばかり子どもたちの関心が集まってしまい、授業を深めることができないのではないかというのです。
「ゲームで終わらないように、意義づけと価値づけをしっかりしていきたいと思うんですが・・・」
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栗山先生が受け持つ6年生の子どもたち。
すぐに、プログラミングの教材に夢中になりました。
『12番、キター!』
『ピピ!』
「さぁ いったん手を置きます!!」
授業の中盤、栗山先生が問いかけたのは、プログラミングの基本である『もし何々なら』というコードについてです。
身の回りでは、どんなところに使われているのかを考えてみることにしました。
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「ゆりかもめ! “もしも” 電車の前に何かあったり、異物があった “としたら” 停止する」
「カーナビ! “もしも” 道を間違え “たら” 次の道を言うみたいな」
子どもたちは、乗り物や製品がどうプログラミングされているのか、気づくことができました。

『総合』の授業で扱っていくことに、手ごたえを感じた栗山先生。
「プログラミングで がんがんコードを書ける小学生を育てなさいということでもない。授業に無理やり入れて、何も身につかないというのが一番申し訳ない。本当に相性のいい教科、相性のいい単元をしっかり考えていく必要があるなと思う」と話していました。
ほかにも、算数の大きな数の計算とか、図形の単元などでの活用も想定されています。
また、図工の事例もあり、『回転寿司のロボットを作ろう』という授業で、ロボットの動きを子どもたちがプログラミングしました。
4年後(2020年)の必修化に向けて、子どもたちが簡単にプログラミングを学べる教材の開発を、民間企業やNPOが一緒になって作っています。実際に授業をやってみた時のカタログのようなものを作って、まだプログラミングをやったことのない先生でも、子どもたちに教えられるように、業界を挙げて進めています。

プログラミング教育の普及活動をしている利根川さんとお伝えしました。

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