旬の海の幸を存分に味わう方法を“魚の伝道士”上田勝彦さんに教わるシリーズ。
今回は、“スルメイカ”。ここ数年、不漁続きでしたが、今年は回復の兆しが!順調に水揚げされているそう。
甘みがあるこの時期ならではのスルメイカで、塩辛と、加熱しても柔らかい煮つけの方法を伺いました。
スルメイカは夏イカと冬イカに分かれる。それぞれおいしいけれど、夏イカの方が、身が厚くて柔らかくて甘みがある。
ぜひ、この時期ならではのスルメイカを味わってほしいね!
<基本のさばき方>
(1)イカの裏側から包丁かキッチンバサミで開いて腹ワタを取る。えら・骨を取り除いて水洗い。(短い腕が2本、前に出ているほうが表・ジェット噴射がついているほうが裏)
(2)耳を外しながら皮を取る
(3)2本の足の真ん中に包丁を入れて、中から目玉とくちばしを取る
(4)包丁で足に付いた吸盤の固い部分を取る
(5)熱湯にさっとくぐらせて、氷水で冷やしてしっかり水けをふき取る
スルメイカは、イカの中でも肝が大きいから塩辛に向いている。
イカは菌が繁殖しやすいから、とにかく下処理と下ごしらえをしっかりしよう。
<塩辛の材料>※分量はお好みです
・スルメイカ
・塩
・しょうゆ
・酒
<作り方>
(1)肝をつぶさないようにしてたっぷりの塩を振り、一晩おく
(2)胴は、繊維を断ち切るように短冊切りにする
(3)(2)をしょうゆで洗って臭みを取り除き、一晩おく
(4) 一晩おいた肝は、塩を酒で洗い流しておく
(5)肝を絞って(3)と合わせ、塩と酒少々で味付けて完成
濃厚な肝の味と、イカの甘みが出ていますね。臭みがなくて、とても食べやすい!
できあがった塩辛は、瓶などの密閉容器に入れて保存しよう。
3日間ぐらいはイカから水分が出るため、塩をつぎ足して、混ぜてください。
イカの基本料理の一つ、煮つけ。加熱しても柔らかく仕上げるコツをご紹介するよ!
<材料>※分量はお好みです
・スルメイカ
・じゃがいも
・しょうゆ
・砂糖
・塩
・酒
・じゃがいも
<作り方>
(1)スルメイカは、腹ワタを引き抜き、胴は軟骨を除いて1cm幅の輪切りに、
足はブツ切りにする
(2)じゃがいもを煮ておく
(3)鍋に水・しょうゆ・酒・砂糖を入れて沸騰させ、調味液を作る
(4)じゃがいもが煮えたらお湯を切って、イカを入れ、沸騰した(3)を入れてふたをする
※火をつけずに余熱で調理する
(5)30分ほどおいて、味がしっかりしみ込んだら完成
ぜんぜん硬くない!イカの身はプリプリで、中までしっかり味が染みています。おいしい!
狙い通りのおいしさだね!余熱調理をすれば、イカの煮ものは失敗しないよ!
ぜひ、お試しください。