食欲の秋、魚の魅力を伝える“魚の伝道士”ウエカツさんこと上田勝彦さんに、今回は刺身のおいしい食べ方について伺いました。
スーパーで買ったお魚が、ワンランクアップしますよ~!
スーパーに並んでいる刺身、買うときはこんなところに注意しましょう。
【新鮮な魚の見分け方】
・ドリップ(水分)がでていないもの
・血合い部分の色が赤くてきれいなもの
・切り身の場合は切った角がピシッと立って、崩れていないもの
さくで買ってきてそのまま刺身にすると、あと味が生臭くなることも。下処理をしっかりやろう!
塩を全体に振りかけます。浸透圧によって一瞬にして表面の雑菌や臭みを取り除きます。
【下処理の仕方】
(1)塩を全体に振りかける
(2)3秒ほどたったら洗い流し、水分をしっかりふき取る
一度、これをやっておくと、あと味が臭くなることはない!!
半解凍の魚をそのまま切ると、細胞内の氷が急激に溶けてうま味が流れ出やすくなってしまいます。
冷蔵庫でゆっくり解凍してから下処理をするようにしましょう。
下処理が終わったら、切り方。切り方によって魚の味わいが変わるそうなんです。
切り方を変えて試してみました。
まずは薄いそぎ切りから。
薄く切るとくちどけがいいので味がダイレクトに伝わってきます。
ぶつ切りにすると…。
食感もいいし、噛めば噛むほど魚の味わいが楽しめます。
マグロなど赤味の魚は味が濃いので、噛んで味わう厚切りかぶつ切りにするのがおススメです。
魚の味に合わせて切り方を変えると、いつもの刺身がよりおいしく味わえます。
白身魚の真鯛はどんな切り方をすればいい?
白身の魚の場合、味がストレートに伝わりにくい。だから味の伝わりやすい切り方をする。
包丁を斜めにしてそぎ切りに。直角に包丁をいれるよりも、斜めに切るほうが表面積が大きくなり、より味を感じやすくなります。
では、赤身と白身の中間、アジのような魚は?
アジもマグロ同様、白身よりも味が濃いので、厚めがいいそうです。
ただし、切るときに注意が必要。アジのような小魚は身が柔らかいので、手で触りすぎると傷んで臭みがでてしまいます。身を触るのは親指の一点だけ。切ったら素早く盛り付けましょう。
さらに盛り付けるときも、空気が入るようにふわっと重ねると、身が崩れにくくなります。
どのように切って、もっとおいしくしてやろうか。だんだん慣れてくるとおもしろくて、おいしくてやめられなくなるから、ぜひ自宅で試してみてください!
味の濃さだけでなく、刺身の食感も切り方次第でちがった味わいに。
身が固い魚のときは薄く切ってコリコリした食感を楽しむ。
熟成されて身が柔らかくなっていれば、厚めに切ってじっくり味わう。
ウエカツさんによると、買ってきた魚をよく観察して、味見をして、その魚に合った切り方を見つけるのも、楽しみの一つになるそうですよ!