海外で環境保護のボランティアに挑戦しようとしていた女子高校生は、コロナ禍で留学制度自体が中止になりました。
「行動を起こすことで気持ちを切り替えよう」
海洋プラスチックごみをアクセサリーに作り替えることで、メッセージを伝える取り組みは、海外にまで広がっています。
カラフルなイヤリングに、ペンダント。
手作りのアクセサリーの中に入っているのは…なんと、ペットボトルのふたやおもちゃなど、海に流れついたプラスチックごみです。
作っているのは、高橋あすかさん、高校3年生。
親戚や知り合いから送られてきたプラスチックごみを使っています。
「ほんとに、ぽろぽろ手で簡単に折れちゃう」
ペットボトルを切って形をつけたり、華やかな色づかいになるよう工夫を凝らしたりして、価値あるものによみがえらせていきます。
高橋さん
「新しい命を吹き込むじゃないけど、そういう感じで。また新たな形で使っていけたらいいなって思います」
この春から、アクセサリーをSNSに投稿し始めたところ、フォロワーが1500人以上に急増。国内だけでなく、海外からも絶賛の声が寄せられています。
高橋さんがこうした活動を始めたのは、あることがきっかけでした。
この夏、文部科学省の留学制度でガラパゴス諸島に行き、環境保護のボランティア活動をする計画を立てていました。
厳しい選考を通過するために、1年以上かけて8枚に及ぶレポートを準備。留学後には、国際協力の仕事に就くという目標を決めました。
しかし、ことし4月、新型コロナウイルスの影響で、留学制度自体が中止となってしまったのです。
高橋さん
「なんでこのタイミングでってすごく思って。ガラパゴスに行く計画しかなかったので、ただただショックでした」
“とにかく行動を起こすことで気持ちを切り替えよう!”
高橋さんはそう考え、まず始めたのは身近な場所でのごみ拾いです。
「捨てるのは一瞬だけど、やっぱり拾うのは時間がかかりますね」
ポイ捨てされたごみの多さに驚いた高橋さん。
アクセサリーをきっかけにして、プラスチックごみの問題を知ってもらうための発信を始めたのです。
すると、高橋さんの活動に関心を抱いたアメリカの高校生たちが、声をかけてきました。
そうした人たちと、インターネットを通じて意見交換を行いました。
高)「I want to spread awareness about social issues and environmental issues, like to my friends or families, like around people, but sometimes it is difficult to tell them.」(社会や環境問題への意識を広めたい。友人や家族、周りの人たちに。でも、みんなに伝えるのは難しい)
ア)「I am doing platforms YouTube, Facebook, TikTok. I mean that definitely is really important.」(ユーチューブ、フェイスブック、ティックトックなど、ソーシャルメディが有効よ)
同じ志を持つ若者が海外にもいることに勇気づけられています。
いま力を入れているのは、全国に呼びかけ、プラスチックごみを集めること。
「これはカキの養殖に使われるものです。現地の人の声を聞かないと分からない問題は多いんじゃないかと思う」
高橋さんは、届いたごみで日本地図を作り、各地の抱える問題を発信していきたいと考えています。
父親は「つながりが広がることがすごいなと思う」と話していました。
コロナ禍で模索の末に見つけた新たな道。高橋さんの挑戦は続きます。
高橋さん
「自分の思い通りにいかないことがあっても、何かしら自分でできることとか、これからも見つけてやっていきたいなと思ってます」
高橋さんの元には、アクセサリーを販売してほしいという声も寄せられているため、オーダーメイドの注文を受け付けているそうです。
売り上げは、環境を守るための活動に使いたいということです。