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甲子園に代わる大会を 球児の強い思い ~神奈川・慶応高校~

  • 2020年8月4日

新型コロナウイルスによって変わる社会。高校球児も大きな影響を受けました。
甲子園の中止で一度は目標を失った球児たちは、各地で独自に開催されている大会に挑みます。
神奈川県の慶応高校もそのひとつです。
8月1日から始まった大会の開催決定の裏には、この高校からひろがった球児たちの強い思いがありました。

およそ300通に上る手紙。神奈川県内の高校球児から知事に宛てたものです。
『神奈川県だけの大会を開催して、試合がしたいです』
『希望はこの県大会なんです』
県の独自大会を求める、まっすぐな訴えの数々がつづられています。

手紙を知事に送ろうと発案した、慶応高校。
春夏合わせて27回の甲子園出場を誇る名門にも、新型コロナウイルスが影を落としました。
3月からグラウンドでの練習は休止。そんななか、5月20日に届いたのが、夏の甲子園中止の知らせでした。

野球部 森林貴彦監督は「野球選手として一度命を失ったことだと思うんです。最後の真剣勝負の舞台を用意してあげたい」という思いから、何か自分たちの思いを伝えることができないかと考える部員たちに、知事に手紙を送ってはどうかと提案しました。

手紙を書いた1人、3年生の大谷航毅選手は、入部当初は練習についていくのがやっとでしたが、今ではチームの貴重な戦力に。最後の夏に賭けていました。

大谷選手
「チームとしても、個人としても、日本一を目指して一生懸命やってきたので、すごく悔しい気持ちが強かったです」

大谷選手が手紙に込めたのが、野球への情熱です。
『野球人生で最高の瞬間を迎えるために、高校生活の全てをささげてきました』

部活動の自粛期間中も、代替大会の開催を信じてトレーニングを継続し、不安な日々を支えたのが野球への思いでした。

大谷選手
「代替大会が心のよりどころになっていて、もしそれすらかなわなくなってしまったらどうしようと。自分の高校野球生活は無駄じゃなかったんだと思えるような、後悔の残らない、出し切ったと思える大会にしたいです」

 

手紙を書いたのは選手だけではありません。
橋口光輔マネージャーです。
『野球がしたい、それだけです。どうか僕たちに大会をください』

橋口マネージャー
「今まで野球をできていた “喜び” や “感謝の気持ち” を、もう一度、自粛期間中に感じ取ることができたので、恩返しというか、感謝の気持ちを伝えられるような、そういう大会にしていきたいと思っています」

支えてくれた監督や親たちにプレーを見てもらうことで、感謝の気持ちを伝えたいと考えたのです。

 

6月、10校の高校球児たちが書いた300通の手紙が、神奈川県の黒岩知事に届けられました。

黒岩祐治 知事
「皆さんがやりたい気持ちがそれだけある。私はぜひ応援したい」

このおよそ10日後、県独自の代替大会開催が決まりました。

高校球児から届いた300通の野球愛。
1つ1つの思いが、ふだんとは違う特別な晴れ舞台に臨みます。
 

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