“ソーラーシェアリング” 停電から地域を守る

  • 2020年7月28日

去年の台風15号。千葉県内では、猛烈な風で電柱が倒れるなどして最大64万戸が停電しました。その中で、台風の影響を受けずに動き続けていたのが「太陽光発電」の設備です。災害時に活用する取り組みが進められています。

住民を支えた “ソーラーシェアリング”

去年9月の台風15号。千葉県の匝瑳市では、1週間にわたって停電が続きました。
その際に住民を支えたのが匝瑳市飯塚地区の太陽光発電の設備です。

飯塚地区の太陽光発電施設

設置されている場所は80ヘクタールの畑です。作物にも光が当たるよう、間を空けてパネルを並べているのが特徴で、パネルの下には、トラクターが入れる広いスペースを空けています。“ソーラーシェアリング” と呼ばれ、農業をしながら、発電した電気を売って、両方から収入を得る仕組みです。猛烈な風による被害が相次いだ去年の台風15号、農業と発電を両立するための施設の構造が、思わぬ形で役立ちました。

この施設を運営する「市民エネルギーちば」を6年前に立ち上げた椿茂雄さん。被害を受けずに済んだのは、パネルの間に広い空間があることで風をうまく逃がしたことが理由ではないかと考えています。

椿 茂雄さん
「この設備は農業のために良いような形で作っています。その構造によってあの台風のとんでもないような風でも壊れず、防災的にも非常に強いのだなと」

台風被害 太陽光発電で充電を

去年9月、台風による停電の深刻さを目の当たりにした椿さんは、設備の一角に太陽光で発電した電気を使った無料の充電コーナーを設け、住民に利用を呼びかけました。

椿 茂雄さん
「ここにあるコンセントから電源をとりました。テーブルを置いて電源タップを並べ、そこでいろいろ使ってもらいました」

SNSでも情報が広まり、6日間で150人を超える利用者が集まりました。当時利用した男性は「携帯電話で外部と連絡が取れず情報が全く得られなかったので、かなり助かりました」と話していました。

次の災害に備えを 使い方を地域で学ぶ

今年の台風に備えて、いま椿さんは、より多くの人が設備を使えるよう、取り組みを進めています。

まず、地域の人たちと連携して、講習会を開きました。安全に利用するための操作を覚えてもらい、停電の際には、住民自身の手で、充電場所を運営してもらうことを目指しています。

“停電のない” 地域を目指して

さらに椿さんたちは、地域の農産物直売所に、ソーラーシェアリングの導入を提案しています。

この直売所は去年の台風で停電し、多くの農産物や食品が傷んでしまう被害を受けました。ソーラーシェアリングの電力やそれを使った蓄電池で、停電の際に冷凍庫などを動かせれば、保存した食料などを、地域の人に提供することも可能だと考えたのです。

ふれあいパーク八日市場 小林貢 常務
「非常用電源を何とかしなきゃいけないというのは、ずっと考えて検討していました。いざという時、活動を止めないためには、何としても電源が必要で、それを確保することによって、お店全体が維持できる」

椿さんたちは、災害時に避難所などで利用してもらうために、小型の太陽光パネルと蓄電池を提供することも検討しているということです。ソーラーシェアリングを利用する施設を増やすことで、より災害に強い地域を作っていきたいと考えています。

椿 茂雄さん
「周りが停電になっても電気を提供できるということは、地域の安心感がすごく高まる。本当に停電のないような地域というものができればいいなと」

ページトップに戻る