オンライン診療 利用広がる現場では

  • 2020年4月3日

インターネットを通じて自宅などで診察が受けられる『オンライン診療』が新型コロナウイルスの感染拡大を受けて注目されています。医療現場での利用の広がりと課題を取材しました。

東京・千代田にある『九段下駅前ココクリニック』の院長、石井 聡さんが行っていたのは…
院長)「その後、脈の加減とかいかがですか?動悸(どうき)とか起きてないですか?」
男性)「そうですね 発作も起きてないです」
インターネットを通じた『オンライン診療』です。この日は不整脈がある50代の会社員の男性が自宅で受診しました。

男性はこれまで毎月、仕事帰りに診察を受けていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、先月からオンライン診療を受けています。
オンライン診療を受けた男性は「インターネットなのでウイルスが感染する可能性もないですし、非常に安心して診ていただけるので、とてもいいと思う」と話していました。

クリニックでは、オンライン診療を受ける人が、3月は2月に比べておよそ3倍に増えたといいます。
「通院をオンラインで行いたいというお問い合わせが増加しています。いつも通りの治療をしっかりと続けていただくために、このオンライン診療を活用していく」と石井院長。

新型コロナウイルスへの感染を防ぐため、厚生労働省は2月末、オンライン診療の手続きを簡略化しました。
通常、医師と対面で相談し、診療計画を事前に作成することが求められますが、今回、複数回受診している かかりつけ医で同じ薬を処方してもらう場合は、診療計画がなくてもオンライン診療を認めるなどとしました。

オンライン診療のシステムを提供している会社でも反響が増えています。
東京・港区にある会社、『株式会社メドレー』によると、大手検索サイトで『オンライン診療』の検索数が急速に増えているといいます。

田中大介執行役員は「こうした環境の中で、病院、医療機関の待合室に行くことはかなり抵抗があるかなと思います。 “外出しなくてもいい” 、 “待たなくてもいい” というところは初めての経験だけれども、やってみるとすごくメリットを感じるというコメントをいただく」と話します。

オンライン診療を行うクリニックの石井院長はオンライン診療の機会が増える中で気づいたことがあるといいます。
「いつも通話がうまくいくわけではなくて、時々途切れてしまったり、技術的な問題が発生したりすることがあります。テレビ通話にすべての先生方(医師)が慣れているわけではないので、映り方、しゃべり方など、 “患者に安心感を持ってもらうような対応” ができるようになるのが課題」

新型コロナウイルスの感染拡大を機に、関心が高まるオンライン診療。専門家、日本遠隔医療学会オンライン診療分科会の、黒木春郎会長は普及に向けた課題を指摘しています。
「保険診療の中で行うには診療報酬の点数が必要だが、オンライン診療は点数が低いということ。さらにもうひとつ大きな要因は、保健診療として請求できる対象となる疾患が限られているということ。ある程度、保険の中で使える制度にして、事例を集積し、オンライン診療の優位点や限界の議論を重ねる道筋が本来だと考える」と話していました。

オンライン診療を医療の場でどう位置づけ、普及を進めていくのか。速やかな議論が求められています。

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