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  • 2024年3月27日

上野動物園のサル山も暑さ対策 リニューアルへ どう変わる?

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暑さ対策が毎年求められる昨今。東京・台東区の上野動物園では、サルが厳しい暑さをしのげるように、「サル山」が取り壊され、リニューアルされることとなりました。どう変わるのでしょうか。

上野動物園の「サル山」とは

昭和7~8年ごろの「サル山」

上野動物園の「サル山」は、ニホンザルなどを飼育・展示している全国各地の「サル山」の先駆けとして、92年前の昭和7年(1932年)に完成し、動物園に現存する最古の展示施設となっています。
千葉県富津市にある高宕山(たかごやま)の岩山をモデルにして造られ、コンクリート製の岩山は
当時の姿のままとなっていて、サルが観察しやすくなっています。

上野動物園によりますと、ニホンザルは、寒さには強いものの、汗をあまりかかないため、暑さには弱いということです。夏になるとコンクリートによる照り返しもあって、サル山では、40度を超えることもあり、動物園はスプリンクラーを設置するなど対応にあたっていて、暑さへの対策が課題となっていました。

リニューアル後は「森」のように

現在の「サル山」

この「サル山」について、老朽化を理由にリニューアルされることとなりました。
関係者によりますと、新たな施設は、世界や日本各地の動物園などで広がっている、できるかぎり、動物が健康でストレスなく過ごせるようにするなどの「動物の福祉」の考えに基づいて建設されます。
具体的には、地球温暖化などの影響で、平均気温が上昇する中、サルが厳しい暑さをしのげるように「サル山」は取り壊され、日陰ができやすい擬木を植えた森のようなつくりになる計画だということです。
また、地面には、照り返しなどで暑くなりにくい素材の活用が検討されているということです。工事は、早ければ、来年3月ごろから始まっておよそ1年で完了し、この期間、サルは園内の臨時の施設で展示される予定です。

動物園を訪れた人からは、このような感想が聞かれました。

 

昔の動物園は動物が過ごしづらい環境だったので、それを変えていこうというのはすごくいいことだと思う。

 

サルが見えづらくなるかもしれないが、森になることでサルの本来の姿が見られるようになるのでいいことだと思う。

 

人間には帽子などがありますが、サルにはないので、暑さでぐったりしている様子を見ると、かわいそうだと思う。夏の暑さが厳しい中、もし、自分が直射日光を浴びる「サル山」にいたらと思うと死んじゃいそうなので、日光をさえぎるものができるのはいいことだと思う。

全国で進む「アニマルウェルフェア」

動物が健康でストレスなく過ごせるようにするなどの考えは「動物の福祉」、「アニマルウェルフェア」と呼ばれています。
もともとは、イギリスで始まった考え方で、2015年にはWAZA=世界動物園水族館協会が指針を出し、世界中の動物園などで急速に取り入れられるようになりました。

日本の動物園でも「動物の福祉」の考えは広まっていて、札幌市にある円山動物園では、2015年に「サル山」の暑さ対策として地面をコンクリートから芝生に変えたということです。また、福岡県の大牟田市動物園では来園者がモルモットを触る際、以前は、飼育員が来園者のところまで持って行きましたが、2016年からはストレスをかけないよう、持って行くのはやめて展示スペースにいるモルモットを触ってもらうようにしました。

このほか、北海道旭川市にある旭山動物園では、ヒグマが窮屈に感じないよう2022年に展示スペースをそれまでの3倍の大きさに広げました。

専門家は、こうした取り組みについて、次のように話しています。

「動物の福祉」に詳しい 日本動物園水族館協会 渡部浩文 動物福祉研究部長
「全国各地で『動物の福祉』を向上させる取り組みが進んでいると受け止めている。この取り組みを通じて野生動物が生き生きと過ごすことができ、来園者もその動物の生態などを知る重要な機会につながる。『動物の福祉』が認知されることはとても意義があることだ」

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