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  • 2024年3月14日

春闘2024 賃上げ 中小企業や非正規雇用に広がるか 金属労協 UAゼンセン 政労使会議は

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ことしの春闘、最大の焦点は去年に続き持続的な賃上げを実現させ、その動きを中小企業や非正規雇用にまで広げられるかどうかです。3月13日の春闘の集中回答日、大手企業を中心に高い水準の賃上げの妥結が相次ぎました。集中回答日までの状況について労働組合の受け止めや、中小企業や非正規雇用に波及させようという動きなどをまとめました。

大手企業45組合の平均賃上げ額は? 金属労協

自動車や電機などの産業別労働組合でつくる「金属労協」は、春闘の集中回答日・3月13日に合わせて記者会見を開き、これまで集計した主要な大手企業の45組合の平均賃上げ額は1万4877円で、2014年以降で過去最高になったと発表しました。

金属労協 金子晃浩議長  
日本経済を好転させるためには本日の回答だけでは、世の中の流れは変わらない。組合のない企業で働く人や非正規で働く人まで賃上げを波及させることが重要だ。引き続き交渉が続く組合をしっかりサポートしていきたい。

連合 仁平章総合政策推進局長(会見に出席)  
本当の正念場はこれからで、中小企業で働く人を含めて、賃上げのすそ野が広がって日本全体の賃上げが実現して初めてステージ転換だと思っている。今後も賃上げの実現に向けて全力を尽くしたい。

パート従業員 正社員を上回る賃上げ回答も

「UAゼンセン」は、繊維化学、流通、サービス業など、およそ2200の組合でつくる産業別労働組合で、パートなどの非正規労働者がおよそ6割を占めています。事務所には13日の夜、大企業を中心に交渉の妥結が次々と報告されました。経営側からは満額や要求を超える高い水準の回答が相次ぎ、パート従業員の賃上げ率が正社員を上回る回答も目立ちました。

このうち、▼ドラッグストアの「ウエルシア薬局」は時給で88円の引き上げ、▼スーパーマーケットの「ライフ」は76円、▼家具日用品販売の「ニトリ」は67円の引き上げとなりました。

UAゼンセン 松浦昭彦会長  
大企業だけでは社会全体での大きな変化にならず中小企業での賃上げが大事だ。それを進めるには人件費を含めた適正な価格転嫁が重要になる。働く人や大企業と中小企業の格差を是正して社会全体での賃上げを作り上げていきたい。

賃上げ 中小企業や非正規雇用などへ波及焦点に

2023年・去年の春闘では30年ぶりの高い水準の賃上げ率となりましたが、物価上昇の影響を受け実質賃金は22か月連続でマイナスが続き、個人消費も伸び悩んでいる状況です。

ことしの春闘は、今後、価格転嫁しやすい環境を整え、中小企業や非正規雇用の賃上げにつなげることができるのか、そして、消費の拡大によって賃金と物価が安定的に上昇する好循環を生み出し、デフレからの完全脱却につなげられるかが焦点です。

「非正規春闘」ストライキで賃上げを訴える

集中回答日の13日、パートや派遣社員などが合同で賃上げを求める「非正規春闘」の参加者が勤務先の15の企業でストライキを始め大幅な賃上げを訴えました。

「非正規春闘」は労働組合がない企業などでパートや派遣社員の人たちなどが集まりそれぞれの勤務先に賃上げを求めようと去年から始まった取り組みです。ことしは個人で加入できる20以上の労働組合などが、勤務先120社に対して一律10%以上の賃上げを要求していて、労使間で交渉を行ってきましたが、十分な賃上げに応じない企業も多いということです。

「非正規春闘」を呼びかける総合サポートユニオンの青木耕太郎共同代表は「大企業では早期、満額の賃上げといわれているが、非正規は賃上げの波が広がっていない印象だ。非正規の多くは職場に組合がない人が多く1人からでも賃上げに参加する枠組みが重要だ」と話していました。

岸田首相 中小企業賃上げを後押しする考え 政労使会議

さらに13日には、政府、経済界、労働界の3者による「政労使会議」が開かれ、岸田総理大臣は、中小企業などにも賃上げの流れを広げることが重要だとして、それを後押しする環境整備に全力を尽くしていく考えを示しました。

具体策として、大企業などが下請けに不当に安い取引価格などを要求する行為に厳正に対処していくと説明しました。また人件費にあたる「労務費」が適正に価格に転嫁されているか、公正取引委員会の調査を実施し、不十分なところは、3月中に企業名を公表する方針も明らかにしました。

さらに2030年代半ばまでに最低賃金を1500円に引き上げる目標の前倒しを図る考えも示し、物価上昇を上回る持続的な賃上げの実現に向けた官民の連携を呼びかけました。

政府「中堅企業」成長後押しへ 支援パッケージ

一方、政府は、持続的な賃上げの実現に向けて、中小企業より規模が大きく、雇用の受け皿になっている、「中堅企業」の成長を後押ししようと、補助金や税制優遇などの支援パッケージをとりまとめました。

具体的には、▼工場の整備など大規模な投資に対する最大50億円の補助や、▼4%以上の賃上げを行った場合の大企業を上回る税制優遇、それに、▼デジタル化などに必要な人材とのマッチング支援などが盛り込まれています。

政府は、地方を中心に雇用の受け皿になっている中堅企業を支援することで、国内への投資の拡大や持続的な賃上げの実現につなげる狙いがあります。

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