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足立区の足立成和信用金庫 葛飾区の東栄信用金庫 2025年10月合併目指して交渉

  • 2024年2月15日

東京・足立区に本店を置く「足立成和信用金庫」。
東京・葛飾区に本店を置く「東栄信用金庫」。
2つの信用金庫による合併に向けた交渉の詳しい内容が明らかになりました。

合併の時期は、来年(2025年)10月を目指し、時代にあわせた店舗機能の見直しや職員の再配置を通じた事業者支援の強化に取り組むことにしています。

実現すれば都内では19年ぶりで、地方だけでなく東京でも始まった信用金庫の生き残りをかけた再編の動きは今後、いっそう加速することも予想されます。

両信用金庫の特徴や街声、それに信用金庫を取り巻く環境などについてまとめています。

2025年10月の合併目指して交渉

足立区に本店を置く「足立成和信用金庫」と、隣接する葛飾区に本店を置く「東栄信用金庫」は、合併に向けて最終的な交渉を進めていることが13日に明らかになりました。

14日にそれぞれコメントを発表し、「合併に関して検討を行っていることは事実です」とした上で、「現時点で決定している事実はなく、決定した場合は速やかに開示します」としています。

関係者によりますと、合併の時期は来年(2025年)10月を目指しているということです。

その上で、店舗については安易に統廃合は行わず、デジタル化の進展など時代にあわせた機能の見直しに着手することにしています。

また、職員の再配置などを通じて中小企業が課題として抱える後継者の育成や新規事業の立ち上げについて支援の強化を図る方針です。

2つの信用金庫は、今後、合併に向けた正式な合意など必要な手続きを進めていくことにしていて、地元密着の金融機関として存在意義を高められるかが注目されます。

足立成和信用金庫とは?

「足立成和信用金庫」は、大正15年に設立された東京・足立区に本店を置く信用金庫です。

去年(2023年)3月末時点で従業員は433人、区内を中心に23店舗を展開していて、預金残高は5778億円と、都内に23ある信用金庫の中で16番目です。

足立区は、卸売業、小売業、製造業などの事業所が集積していますが、100年近くにわたり、地域の金融を支えてきました。

東栄信用金庫とは?

「東栄信用金庫」は、昭和13年に設立された東京・葛飾区に本店を置く信用金庫です。

去年(2023年)3月末時点で従業員は144人、葛飾区を中心に10店舗を展開していて、預金残高は都内の信用金庫で最も少ない1437億円です。

葛飾区には、卸売業、製造業、宿泊業などの事業所が多く、地元密着の金融サービスを続けてきました。
両信用金庫を含む都内の4つの信用金庫は平成13年に業務提携を結び、さまざまなノウハウを共有するとともに取引先の販路の拡大やマッチングに連携して取り組むなど関係を深めていました。

2つの信用金庫の地元では

2つの信用金庫による合併に向けた交渉が明らかになったことについて、地元で聞きました。

東栄信用金庫の本店近くにある商店街で履物店を営む50代の男性は「祖父母の代からずっとつながりがある信用金庫なので、びっくりです。今までどおり地域に根ざした親切な信用金庫であってほしいです」と話していました。

また、近くに住む80代の女性は「合併を検討しているのは知りませんでしたが、合併しても近くの店舗は残してほしいです」と話していました。

足立成和信用金庫の本店近くの商店街で青果店を経営する60代の男性は「大手の金融機関と違って、接し方には情があるし、相談にも対応してくれます。合併したとしても、地元を尊重して接してもらいたいです」と話していました。

また、利用者の60代の男性は「規模が大きいことはいいことだと思っています」と話していました。

銀行とは違う信用金庫

信用金庫は、個人商店や中小・零細企業が主な取引先で、地域金融を支える重要な存在です。

そのルーツは、明治時代に経済的に弱い立場にあった農民や商工業者の相互扶助を目的に作られた「信用組合」にあり、利益が求められる銀行とは異なる非営利の組織です。

信用金庫は、営業ができる自治体などを定款で定めて国の認可を得る必要があり、地銀などのように越境して大都市に店舗を設け、収益をあげることは原則できません。

また、融資や預金ができるのも原則、営業エリアの中の個人や中小企業などに限られます。

預金保険機構によりますと、信用金庫は1973年には全国に484ありましたが、バブル崩壊後の経済の低迷や人口減少を背景に合併などが進んだ結果、去年(2023年)3月末の時点では254となっています。

それでも地方銀行の99を大きく上回っていて、きめ細かいサービスができる一方で、経営基盤に課題を抱えるところも多くなっています。

信用金庫を取り巻く環境

人口減少と高齢化が加速する中、信用金庫を取り巻く環境は厳しさを増しています。

信金中金によりますと、全国の信用金庫の預金残高は増加傾向が続いてきましたが、近年、相続などをきっかけに顧客が預金をほかの金融機関に移す動きも出ていて、預金量が減少に転じている信用金庫もあります。

また、大手銀行に比べて規模が小さい信用金庫はデジタル化が遅れていて、若い世代の顧客が減っているという指摘もあります。

さらに、ほかの金融機関と同様に低金利が続いたことで収益環境が悪化していました。

今後、日銀の政策転換で「金利のある世界」が戻ってくれば、収益環境の改善が見込まれる一方、体力がある大手金融機関との金利競争が激しくなる可能性もあります。

さらに、個人投資家を対象にした優遇税制「NISA」の拡充などもあり株式などへ資金を移す動きが加速すれば預金の流出がいっそう進むのではないかという懸念の声も出ています。

金融庁は、信用金庫は地銀以上に経営環境が厳しいとして、地域経済を支えるために経営基盤の強化を図る必要があると指摘しています。

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