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  • 2024年1月31日

能登半島地震の死因「圧死」92人「低体温症」や「凍死」32人 警察庁 専門家“過去の災害より多い印象”

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能登半島地震で亡くなった人のうち、警察が検視を行った222人の「死因」について、NHKが警察庁に取材したところ、倒壊した建物の下敷きになったことなどによる「圧死」が最も多く、全体のおよそ40%を占めました。

また、「低体温症」や「凍死」が30人以上いたことが明らかになり、多くの人が救助を待つなどする間、寒さによって体力を奪われ亡くなっていた実態が浮き彫りになりました。

災害救助に詳しく救急救命士の資格を持つ上武大学の加古嘉信教授は「低体温症などで亡くなった人が過去の災害より多い印象だ。道路の途絶により救助に時間がかかったことも要因として考えられる」と指摘しています。

「低体温症」や「凍死」が32人

能登半島地震では、1月30日までに、石川県内で、「災害関連死」の疑いを含め、238人の死亡が確認されています。

NHKはこのうち、災害関連死の疑いがある15人を除き、警察がこれまでに検視を行った222人の「死因」について、警察庁に取材しました。

死因で最も多かったのは、倒壊した建物の下敷きになったことなどによる「圧死」で、全体の41%にあたる92人、次いで、「窒息」や「呼吸不全」が49人(22%)でした。

さらに「低体温症」や「凍死」が32人(14%)にのぼり、真冬に起きた災害で、多くの人が救助を待つなどする間、寒さによって体力を奪われ、亡くなったとみられる実態が浮き彫りになりました。

このほか、市中心部の「朝市通り」で大規模な火災が発生した輪島市では、3人が「焼死」でした。

また、亡くなった人のうち、年齢が判明した204人の内訳は、▼10歳未満が4人、▼10代が8人、▼20代が6人、▼30代が5人、▼40代が11人、▼50代が21人、▼60代が22人、▼70代が56人、▼80代が47人、▼90代が24人となっていて、60代以上が73%を占めています。

石川県は、地震で亡くなった人のうち、遺族の同意が得られた人について死因を公表していますが、「家屋の倒壊」や「土砂災害」などとされていて、詳細が明らかになったのは初めてです。

自治体別「死因」の詳細

警察庁への取材で明らかになった亡くなった人たちの自治体ごとの「死因」の内訳です。

【輪島市】(98人のうち) 
▼「圧死」 32人 
▼「窒息」「呼吸不全」 20人 
▼「低体温症」「凍死」 15人 
▼「外傷性ショック」など 12人 
▼「焼死」 3人 
▼重い物などによって長時間、体を圧迫されることによって生じる「クラッシュ症候群」など 4人 
▼「不詳」 12人

【珠洲市】(95人のうち) 
▼「圧死」 40人 
▼「窒息」「呼吸不全」 25人 
▼「低体温症」「凍死」 15人 
▼「外傷性ショック」など 13人 
▼「クラッシュ症候群」など 2人

【穴水町・能登町・七尾市・羽咋市・志賀町】(あわせて29人) 
▼「圧死」 20人 
▼「窒息」「呼吸不全」 4人 
▼「低体温症」「凍死」 2人 
▼「外傷性ショック」など 3人

専門家「道路途絶で救助に時間かかったことも要因か」

災害救助に詳しく救急救命士の資格を持つ上武大学の加古嘉信教授は、「今回の地震の特徴は家屋の倒壊によって、圧死や窒息で亡くなった人が多く、過去の震災とも共通する。圧死や窒息などの即時型の死と一定時間は倒壊した建物の中で存命だった人が、次第に状態が悪化して亡くなったケースがあったと考えられる」と話しました。

そのうえで「低体温症」や「凍死」が30人以上いたことについて、「低体温症などで亡くなった人が過去の災害より多い印象だ。季節や寒い地域という条件が重なったうえに、特に交通アクセスが悪い輪島市、珠洲市で高い数字が出ているので、道路の途絶により救助に時間がかかったことも要因として考えられる」と指摘しています。

また、年齢別では、高齢者が多かった一方で若い世代も亡くなっていることについては、「70代から90代で亡くなった人が多い点は地域性もあったかもしれない。30代未満も一定数亡くなった背景には、帰省シーズンという状況も影響しているのではないか」と話していました。

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