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  • 2023年11月9日

仕事と親の介護(ビジネスケアラー)両立に支援 経産省 2023度中に企業の指針策定へ

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働きながら介護をする「ビジネスケアラー」と呼ばれる人たちが仕事と介護を両立しやすくするため、経済産業省は今年度中に(2023年度)企業が取り組むべき支援策を指針としてまとめることになりました。

国の検討会の委員を務めるリクルートワークス研究所の大嶋寧子主任研究員は、仕事と介護の両立に向けた課題については、「介護の負担というのは人によって多様なうえ、負担が変化しやすく、どのような期間や重さで負担がかかってくるかを予測しづらい特性がある」などと述べ、それぞれのニーズに応じて柔軟な支援策をとる必要があるとしています。

「ビジネスケアラー」支援へ

高齢化に伴って、働きながら家族などの介護をする「ビジネスケアラー」と呼ばれる人たちも増えていて、経済産業省によりますと、2030年には318万人と、10年で50万人以上増える見通しです。

介護の負担が重く、仕事に支障が出る人もいるため、介護離職とあわせた経済的な損失は、2030年には9兆1792億円にのぼると推計されています。

このため、経済産業省では仕事と介護の両立を支援することで離職の防止や働きやすい環境につなげようと、今年度中に企業向けの指針を策定することになりました。

有識者と経営者でつくる検討会を設け、経営の視点も踏まえて取り組むべき優先順位や、業種や規模に応じた従業員への支援策を議論していくことにしています。

指針には、介護に関する相談窓口の設置や費用の助成、それに上司をはじめ、会社側の理解を深める研修などの対応策を盛り込むことにしていて、企業に取り組みを促したい考えです。

経済産業省では、「ビジネスケアラーの発生は、働き手の減少や生産性の低下といった大きな経営課題になっている。指針の策定を通じて、幅広い支援につなげたい」と話しています。

専門家“ニーズに応じて柔軟な支援策を”

◇「ビジネスケアラー」について◇ 
働きながら介護をする「ビジネスケアラー」について、国の検討会の委員を務めるリクルートワークス研究所の大嶋寧子主任研究員は、「少子高齢化が進む中で、ビジネスケアラーがいっそう増えていき、日本の経済や社会、働き方に与える影響が非常に大きくなることが予想されている」とした上で、「これまでの調査を通じて、ビジネスケアラーが介護について会社の中で話しにくかったり、実際に介護休業などの必要な制度を利用していない実態もわかってきた」と問題点を指摘します。

◇課題について◇ 
そして、仕事と介護の両立に向けた課題については、「介護の負担というのは人によって多様なうえ、負担が変化しやすく、どのような期間や重さで負担がかかってくるかを予測しづらい特性がある。今、どういう支援が必要か、その時々のニーズにあわせて従業員と話し合ってすり合わせることが必要だ」と述べ、それぞれのニーズに応じて柔軟な支援策をとる必要があるとしています。

◇企業はどう取り組むべき?◇ 
一方で大嶋主任研究員は、「企業側は仕事と介護の両立支援を福利厚生として捉えるだけではなく、ビジネスケアラーが介護と仕事の両立を通じて得た新しい視点や、生産性を高めるような意識をどう企業の成長に取り込んでいくかを考え、競争戦略として取り組むことが必要だ」と述べ、会社の取り組みを単なる支援策ではなく、成長につなげる戦略として位置づけるべきだと指摘しています。

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