新型コロナの感染者数は、一部の医療機関が1週間分を報告する定点把握となっています。8月6日にかけての1週間の感染者数について、全国では前の週の0.99倍とほぼ横ばいの状況でした。このほか東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の状況や分析、XBB系統など国内の変異ウイルスの状況についてまとめました。
(発表時点の感染者数です)
厚生労働省によりますと、8月6日までの1週間に全国およそ5000の医療機関から報告された新型コロナの患者数は前の週から565人減って7万7937人となりました。
また、1つの医療機関あたりの平均の患者数は15.81人で前の週の0.99倍となり、ほぼ横ばいの状況となっています。
都道府県別では多い順に佐賀県が34.69人、長崎県が28.46人、宮崎県が25.84人、大分県が24.86人、石川県が24.1人などとなっていて、23の都道県で前の週より増加しています。
厚生労働省
「感染状況はほぼ横ばいの傾向が続いており、入院外来もひっ迫していない状態だが、例年、お盆明けは感染拡大のピークとなるので、高齢者と一緒に過ごす際には、体調に留意し、マスクを着用するなど引き続き感染対策を行ってほしい」
東京都は10日、新型コロナの感染状況について、モニタリング項目を発表しました。それによりますと、定点把握の対象になっている都内419の医療機関のうち、412か所から報告があり、感染者数は8月6日までの1週間で、あわせて4750人で、1医療機関あたりでは11.53人となりました。
これは前の週の11.12人の1.04倍と、7週続けて増えています。
また、8月7日時点での入院患者数は前の週より303人増えて2060人となりました。
専門家は「感染者数の増加スピードは鈍化しているものの、緩やかな増加が続いていて注意が必要だ」として、お盆の帰省で高齢者と会ったり大人数で集まったりする場合は場面に応じたマスクの着用や換気など、感染対策を心がけるよう呼びかけています。
神奈川県によりますと、先週1週間は、県内359の医療機関から4201人の新規感染者の報告があり、1医療機関あたりの平均は11.70人で、前の週から減少しました。
年代別では、10歳未満が最も多く、次いで50代、40代の順になっています。
ことし5月に定点把握に移行してから先週まで11週連続で増加していましたが増加が、初めての減少となりました。
埼玉県が9日に発表した新型コロナの感染状況によりますと、8月6日までの1週間に定点把握の対象となっている261の医療機関から報告があった新たな感染者数は3838人でした。
1医療機関あたりでは、14.70人となり、前の週と比べて(3493人・13.38人)およそ1割増えていて、10週連続で増加しています。
年代別では、10歳未満が587人で最も多く、次いで10代が537人、20代と40代が531人、30代が523人などとなっています。
埼玉県
「感染者の増加のペースなど今後の傾向を注視していく。重症化リスクの高い高齢者や基礎疾患のある方がいる場所には、体調の悪い時に行かないよう気をつけてほしい」
千葉県は9日、新型コロナウイルスの「定点把握」による感染状況を発表しました。
8月6日までの1週間の1医療機関あたりの新たな感染者数は17.92人で、前の週の18.36人から減少しました。感染者数が減少したのは8週間ぶりです。
年代別では10歳未満が最も多く、次いで50代、40代となっています。
現在、国内で流行の主流となっているのはXBB系統と呼ばれる変異ウイルスです。XBB系統にはさらに枝分かれした複数の種類の変異ウイルスがあり、これらが同時に流行する状態となっています。
国立感染症研究所が民間の検査会社のデータをもとにまとめた資料によりますと、7月16日までの1週間に検出された変異ウイルスは、91.8%がXBB系統だったということです。
また、これらのデータをもとに、現時点の流行状況を推定したところ、XBB.1.9系統が37%で最も多く、次いで、XBB.1.16系統が36%、XBB.2.3系統が15%になっているとみられるということです。
XBB系統の変異ウイルスは海外でも流行していて、WHO=世界保健機関の週報によりますと、7月16日までの1週間では、国際的なデータベースに登録されたウイルスのおよそ70%をXBB系統が占めたということです。
また、XBB.1.9系統からさらに枝分かれしたEG.5という変異ウイルスも増加傾向にあるということです。