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  • 2023年5月29日

渋谷のトイレ舞台 清掃員役の役所広司さん カンヌ映画祭 最優秀男優賞 受賞

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世界3大映画祭の1つ、フランスのカンヌ映画祭で、俳優の役所広司さんが、東京・渋谷の公共トイレを舞台に撮影したドイツのヴィム・ヴェンダース監督の作品「PERFECT DAYS」(原題)の演技で、最優秀男優賞を受賞しました。

日本人の俳優が最優秀男優賞を受賞するのは19年ぶり2人目です。

また、脚本家の坂元裕二さんが、東京出身の是枝裕和監督の最新作「怪物」で脚本賞を、「怪物」は、カンヌ映画祭の独立賞にあたる「クィア・パルム賞」を受賞しました。

役所広司さん 最優秀男優賞を受賞

ことしで76回目となるカンヌ映画祭は最終日の27日、最優秀賞のパルムドールを競うコンペティション部門など各賞の発表が行われました。

このうち、俳優の役所広司さんがドイツのヴィム・ヴェンダース監督の作品「PERFECT DAYS」(原題)の演技で、最優秀男優賞を受賞しました。

役所さんは名前が読み上げられると、大きく驚いた表情を見せ、壇上に上がって「こんなに華々しいカンヌ映画祭でスピーチするのはあまり好きじゃない」と話し、会場の笑いを誘っていました。

その上で「主人公の平山というとても魅力的な男をかいてくださってありがとうございました」と述べ、ヴェンダース監督ら関係者に何度も謝意を表していました。

この映画は、東京・渋谷の公共トイレを舞台に撮影した作品で、トイレの清掃員として働く主人公の男性を役所さんが演じています。

日本人の俳優が最優秀男優賞を受賞するのは2004年に是枝裕和監督の作品、「誰も知らない」で主演した俳優の柳楽優弥さんが日本人として初めて受賞して以来、19年ぶりです。

「PERFECT DAYS」(原題)とは

「PERFECT DAYS」(原題)は、ドイツの世界的な映画監督、ヴィム・ヴェンダース監督が東京・渋谷の公共トイレを舞台に撮影した作品です。

公共トイレの清掃員として働く主人公の男性が、ある日、思いがけない再会を果たしたことをきっかけにその過去や思いが明らかになっていく物語です。

この作品は、ヴェンダース監督が東京・渋谷区で実施された、誰もが快適に使用できる公共トイレを設置するプロジェクトに共感したことがきっかけで製作され、撮影はすべて東京都内で行われました。

寡黙できちょうめんな清掃員の主人公の役を、俳優の役所広司さんが演じています。  
また、脚本はヴェンダース監督と、クリエイティブ・ディレクターで小説家の高崎卓馬さんが共同で手がけています。

“最優秀男優賞をもらったことは夢のよう”

役所広司さんは授賞式のあと、NHKの取材に対し、1997年のカンヌ映画祭で、みずからが主演した映画「うなぎ」が最高賞のパルムドールを受賞したときのことに触れ、「映画祭の熱気と熱狂を見て映画の力を感じ、頑張っていこうと誓ったのがカンヌ映画祭でした。それから時間がたちましたが、はじめて最優秀男優賞をもらったことは夢のようです」と喜びを表していました。

また、自身の演技のどのような点がヨーロッパの映画界に受け入れられたのかという質問に対して「僕が演じた平山という男は過去、地獄を見ていて、お客さんは平山に対し『新しい人生を頑張って』という気持ちで見てくれたのではないでしょうか」と述べました。

そして、今後の目標については「いままでどおり、日本映画で1つ1つ大切に自分の仕事をしていきたい。是枝さんらアジアの監督が高い評価を受けていて、アジア人どうしで力を合わせればアジアの映画が力強くなっていくと思います。そういうものに積極的に参加したい」と意気込みを語りました。

脚本家 坂元裕二さん「怪物」で脚本賞

 

客席に手を振る是枝裕和監督(中央)手前は坂元裕二さん

また、脚本家の坂元裕二さんが是枝監督の最新作「怪物」で脚本賞を受賞しました。

日本の作品で脚本賞を受賞するのは、2021年に「ドライブ・マイ・カー」で濱口竜介監督と大江崇允さんが受賞して以来です。

坂元さんが脚本賞を受賞したことについて、是枝監督は会見で「4年近くかけて脚本を練って何度も坂元さんたちと意見交換をし、ふだん以上に脚本の隙がなくなった」と述べ、作品を綿密に仕上げてきたことを明らかにしました。

その上で、受賞後に坂元さんからメールが届いたことを報告し「『怪物チームの1人としてうれしいです。感謝します。この脚本はたった1人の孤独な人のために書きました。それが評価されて感無量です』ということばが届きました。僕も感無量です」と喜びを表しました。

「怪物」は…「クィア・パルム賞」受賞

今回のカンヌ映画祭で、是枝裕和監督の最新作「怪物」は、カンヌ映画祭の独立賞にあたる「クィア・パルム賞」を受賞しました。

この賞は、映画祭に出品された作品を対象に独自の審査を経て、性的マイノリティーを扱った映画に与えられている賞で、2010年から始まり、日本の映画としては初めての受賞です。

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