1. NHK
  2. 首都圏ナビ
  3. もっとニュース
  4. 東京都内 はしか(麻疹)なぜ感染?症状や感染経路 予防接種は?

東京都内 はしか(麻疹)なぜ感染?症状や感染経路 予防接種は?

  • 2023年5月15日

東京都内の男女2人がはしかに感染していることが確認されたと、5月12日に都が発表しました。都内で感染が確認されたのは3年前の2020年以来です。
強い感染力のあるはしか、なぜ2人は感染したのか、その症状とは。そして予防にはどうすればいいのか、まとめました。

都内で感染確認 2020年以来

Q.2人はどのようにして感染したのか?

感染が確認されたのは、都内の30代の女性と40代の男性です。
いずれも発熱や発疹、せきの症状があって、医療機関を受診したところ感染が確認され、女性は5月10日に、男性はその翌日の11日に、医療機関から届け出がありました。

この2人は面識がありませんが、都が感染経路を調べたところ、共通することがありました。

2人とも、4月23日に同じ新幹線のグリーン車に乗っていたのです。

この車両は、新神戸駅を午後6時52分に発車し、東京駅に午後9時33分に到着する東海道・山陽新幹線の、のぞみ50号の9号車で、インドから帰国後の4月27日に感染が確認された茨城県の30代の男性も乗車していました。

都は、この男性がきっかけで、2人が感染したと見ています。

新たに感染が確認された都内の40代の男性は、5月4日に静岡県の三島駅を午後6時54分に発車した、東海道新幹線のこだま740号10号車のグリーン車も利用していたということで、都は、この新幹線を利用した人は体調に注意するよう呼びかけています。

感染経路や症状

Q.はしかはどのように感染するのか?その症状は?

厚生労働省や都によると、はしかは空気感染などで広がる、感染力がきわめて強い感染症で、免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症するとされています。

感染するとおよそ10日後に発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が現れ、2~3日熱が続いたあと、39℃以上の高熱と発疹が出ます。合併症として肺炎や脳炎などを引き起こし、重症化すると死亡することもあるということです。

Q.近年の感染状況は?

厚生労働省によると、かつては毎年春から初夏にかけて流行が見られていましたが、WHO=世界保健機関は2015年に、日本の国内に土着のウイルスがいない「排除状態」になったと認定しました。
排除後は、海外からウイルスが持ち込まれるケースや、そこからの感染事例が確認されています。

予防・ワクチン接種

Q.予防はどうしたらいい?

鼻や口からの飛沫や接触によって感染するだけでなく、空気感染もするため、手洗いやマスクなどでの予防が難しいとされています。都は、推奨されている2回のワクチン接種が予防に有効だとしています。

定期接種の時期は1回目は1歳のとき、2回目は小学校就学前の1年間です。

都内のワクチンの接種率は、2021年度では1回目が93.9%と前年を5.2ポイント下回り、集団免疫を得る目安となる95%を下回っているほか、2回目も93.2%と前年を0.8ポイント下回っています。

コロナ禍で、保護者が医療機関での感染に不安を感じ、接種を控えるケースが増えたことや、小児科の発熱外来がひっ迫して、一時的に接種の予約が取りづらくなったことが要因とみられるということです。

都は、集団免疫が下がると流行が広がるおそれがあるとして早めの接種を呼びかけています。
また、定期接種を受けていない人についても、かかりつけ医に相談し、抗体検査を受けたり、予防接種を受けたりするよう呼びかけています。

Q.感染に不安を感じたら?

都は、はしかを疑う症状(発熱、発疹、咳、鼻水、目の充血など)が現れた場合は、必ず事前に医療機関へ連絡し、移動の際は公共交通機関の利用を控えるよう呼びかけています。

ページトップに戻る