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広告宣伝車トラック デザイン規則ある東京都になぜ 規制の今後は

  • 2023年10月26日

10月26日 記事を更新しました。「都外ナンバーも規制の考え」
トラックの車体全体に広告が掲示された広告宣伝車のデザインについて東京都は、都の審議会で「景観を乱している」や「光や音が交通事故を引き起こしかねない」などの意見が出され、2011年から独自の規則を設けました。ただ、規制にもかかわらず、景観の悪化につながりかねないデザインの広告宣伝車が頻繁に都内の繁華街を走っています。その理由や今後の対応についてまとめました。

都 来年5月から都外ナンバーも規制拡大の考え

東京都は、規制のあり方について検討する審議会を設けていて、26日、2回目の会合が都庁で開かれました。この中で都は、都外ナンバーの車両に規制を拡大するため、都内を走行するすべての広告宣伝車を対象に、業界団体からデザインの審査を受けた上で、都の許可を必要とする規則の改正案を示しました。
都は11月からパブリックコメントを行って、審議会の答申を受けたあと、来年5月から規制を拡大したい考えです。

広告宣伝車 渋谷スクランブル交差点では

広告宣伝車について実際はどうなのか。渋谷のスクランブル交差点で4月22日の午後、取材しました。

にぎやかな音楽とともに次々と広告宣伝車があらわれ、荷台部分の電光掲示板には派手な広告が掲示されていました。中には「月間売上1000万」などと記されたホストクラブの求人広告が流れている車両もありました。

30代夫婦

小さい子どもがいてあのデザインは教育的にもよろしくない

20代

渋谷の街の雰囲気もあり、そこまで気にならない

 

その後も次々と広告宣伝車が現れ、スクランブル交差点に向けて設置してあるNHKのカメラの映像を記者が30分見て数えたところ、広告宣伝車のトラックは21回、現場を通っていました。

東京都は独自の規則 その基準は

東京都は、都内ナンバーの広告宣伝車のデザインについて、2011年から独自の規則を設けて審査し、規制しています。デザインは都から認定を受けた公益社団法人の「東京屋外広告協会」が独自の具体的な基準を決めて、審査することになっています。

基準では、基本的事項として、公序良俗に反しないことや、公衆に対し、不安、不快の念を与えないことを条件に、具体的には、過度に鮮やかな模様や色彩を使用されていないことや、広告表示面への照明はできるだけ明るさを抑え、点滅しないことなどを求めています。

“都外で認められた車が走行”

こうした規制があるにもかかわらず、なぜ、鮮やかで派手にも見える広告宣伝車が都内の繁華街を走っているのか。理由について都は、「都外で認められた車が走行しているためだ」としています。
ことし2月、都が、新宿と渋谷で調査したところ、確認した広告宣伝車の74台すべてが「横浜」や「野田」など、都外のナンバーだったということです。

横浜市 “市民からの苦情はあるが…”

これについて横浜市に取材したところ、市の規則の中には広告のデザインを審査する決まりはないということです。横浜市の担当者は、「広告宣伝車について市民からの苦情など、意見は出ている。審査することは表現の自由との兼ね合いもあり、難しい問題だ」と話していました。

1都3県と5政令市 デザイン規制のあり方検討へ

4月26日に開かれた東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県の知事と首都圏の5つの政令指定都市の市長が参加する会議で小池知事は今後、規制の対象を、都内を走るすべての広告宣伝車に拡大する考えを示しました。

その上で、「九都県市が団結して対策を講じる必要がある」とし、首都圏の1都3県と5つの政令指定都市が共同で規制のあり方を検討していくことを提案しました。

これについて、相模原市の本村賢太郎市長は、「統一的な取り扱いをすることで良好な景観の維持が期待できる」として賛成し、都を中心とした検討会を設置することが決まりました。

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