野球のWBC=ワールド・ベースボール・クラシックは、アメリカ・フロリダ州で日本とアメリカの決勝が行われ、日本が3対2で勝って、3大会ぶり3回目の優勝を果たしました。
試合の結果とともに首都圏各地の反応などをまとめています。
WBC決勝前のセレモニーで日の丸を手にした大谷翔平選手を先頭に入場する日本代表
日本とアメリカの対戦となった野球のWBC=の決勝。アメリカ・フロリダ州の「ローンデポ・パーク」で日本時間午前8時20分すぎに始まりました。
決勝戦に先発した今永昇太投手
3大会ぶり3回目の優勝を目指す侍ジャパン。
決勝で日本の先発を務めたのは今永昇太投手です。
先制ホームランを放ったアメリカのターナー選手を見つめる日本ベンチ
試合が動いたのは2回表。
今永投手は、5番シュワーバー選手を変化球でライトフライとしました。
しかし、今大会ここまでホームラン4本と好調の6番ターナー選手に、レフトスタンドへのソロホームランを打たれて、先制されました。
2回 右中間に同点ソロホームランを放つ村上宗隆選手
1点を先制された日本は、2回ウラに村上宗隆選手の今大会初のホームランで追いつきました。
その後、満塁としたあと、ヌートバー選手の内野ゴロの間に勝ち越しました。
4回 左中間にホームランを放つ岡本和真選手
さらに日本は、4回ウラに岡本和真選手のソロホームランで1点を追加し、日本の2点リードとなりました。
4回 岡本選手のホームランをベンチ前で喜ぶ 大谷選手 ヌートバー選手 村上選手
日本は先発の今永投手から戸郷翔征投手、高橋宏斗投手、伊藤大海投手、大勢投手とつないで強力なアメリカ打線を抑えました。
6人目として登板したダルビッシュ有投手
そして8回表からは、6人目としてダルビッシュ有投手がマウンドに上がりました。
ダルビッシュ投手は先頭のアレナド選手をセンターフライで打ち取りましたが、5番・シュワーバー選手にファウルで粘られたすえにライトスタンドへのソロホームランを打たれました。
さらに6番ターナー選手にセンター前ヒットを打たれましたが、7番・リアルミュート選手をショートフライ、8番マリンズをセンターフライに打ち取り、リードを守りました。
9回のマウンドに上がる大谷翔平選手
そして、9回。
1点リードの日本はダルビッシュ投手に代えて、7人目として3番指名打者で出場していた大谷選手をマウンドへ送りました。「大谷ルール」が大リーグに導入された昨シーズン以降、大谷選手は先発投手と指名打者を兼ねて出場し、マウンドを降りたあともバッターとしてそのまま試合に出場してきましたが、試合途中に指名打者を解除して登板するのは初めてで、WBCでも史上初めてです。
第5回WBCで優勝しガッツポーズする日本の大谷翔平選手
9番マクニール選手はフルカウントから際どいコースにストレートを投げ込みましたがフォアボールで出塁を許しました。
続く1番ベッツ選手はセカンドゴロでダブルプレーに打ち取り、ツーアウトとしました。そして、迎えた大リーグ、エンジェルスでチームメートの2番トラウト選手との勝負。
1球目はスライダーでボール、2球目は160キロのストレートで空振り、3球目は160キロのストレートでボール、4球目は160キロのストレートで空振り、5球目は164キロのストレートが外れてボール、そして6球目はアウトコースのスライダーで空振り三振を奪いました。
大谷選手は帽子とグローブを投げ捨て喜びを表現しました。日本は3大会ぶり3回目の優勝です。
第5回WBCで優勝し喜ぶ日本ナイン。中央は大谷翔平選手
ヌートバー選手の母親・久美子さんの出身地 埼玉県東松山市
日本代表のラーズ・ヌートバー選手の母親・久美子さんの出身地、埼玉県東松山市では、ヌートバー選手の祖父や祖母などが声援を送りました。
市の総合会館には、テレビが設けられて地元の人たちおよそ20人が応援しました。
チームメイトから「たっちゃん」と呼ばれているヌートバー選手のミドルネーム「テイラー・タツジ」の由来となり、「元祖たっちゃん」として注目を集めた祖父の榎田達治さんと祖母の和子さんも孫に声援を送りました。
立ち上がって喜ぶヌートバー選手の祖父 榎田達治さん 左は祖母 和子さん
そして、日本の優勝が決まると達治さんは立ち上がってバンザイをして、おなじみになった「ペッパーミル・パフォーマンス」をして、喜びを分かち合っていました。
ヌートバー選手への応援のメッセージが掲げられていた市役所と総合会館の連絡通路は、さっそく「優勝おめでとう感動をありがとう」などと記されたメッセージへと掛け替えられていました。
ヌートバー選手の祖父 榎田達治さん
ラーズ・ヌートバー選手の祖父 榎田達治さん
「こんなに皆さんに応援してもらって本当によくやったと思います。この上ない喜びで涙が出る思いです。日本の侍の魂が入っていると思いました」
野球のWBC、決勝のパブリックビューイングの会場でも日本選手の活躍に大きな声援が送られ、3大会ぶりの優勝に集まったファンから喜びの声が聞かれました。
東京・港区に設けられた会場には平日の朝にも関わらず、日本代表のユニフォーム姿のファンなどおよそ400人が集まりました。
試合が始まると初回から1球ごとに大きな拍手や声援が送られ、2回ウラに村上宗隆選手が同点ホームランを打った場面では、互いにハイタッチするなどして会場は熱気に包まれました。
そして、9回に大谷投手がトラウト選手から三振を奪って優勝が決まると会場は総立ちとなり、抱き合ったり飛び上がったりして喜びを爆発させていました。
30代の男性
「WBCを待ちに待って、すべての試合をみてこういう結果になり本当にうれしいです。決勝は接戦でいつ逆転されてもおかしくない状況でしたが、最後、大谷選手がトラウト選手をおさえて漫画のようなシナリオになり最高の結末でした。村上選手を最後まで信じて使い続けた栗山監督にもしびれました」
20代の男性
「決勝に行くと信じて仕事を休みにしてきました。村上選手がきょうも打つと信じていました。本当に感動しました」
20代の男性
「大谷選手もダルビッシュ選手も活躍して優勝し、勇気をもらいました。最高です」
40代の男性
「村上選手の一発で流れを呼び込んで、最後の大谷選手の投球までつなぐことができて本当によかったと思う。今回の代表は監督や選手間の信頼やチームワークが感じられるチームで、そういうものをみられたのもよかったです」
野球のWBC=ワールド・ベースボール・クラシックで、日本が3大会ぶりの優勝を決めたことについて東京・新橋で聞きました。
50代の女性
「選手が皆さん頑張ってくれて日本中、盛り上がったのでうれしいです。村上選手のホームランは気持ちよかったです。選手たちにはお疲れ様ですと言いたいです」
30代の会社員の男性
「ちょうどスマホで見ていました。点を取ったり取られたりの攻防が続いていたので、どうなるかと思っていましたが、最後に大谷が決めてくれて、無事に勝てて良かったです」