野球のWBC=ワールド・ベースボール・クラシックの準決勝に勝ち進んだ日本。
準決勝は3月21日、決勝は3月22日で、いずれも日本時間の朝8時からアメリカのフロリダ州で行われます。
日本の準決勝の対戦相手は、5大会連続のWBC出場で、今回が初めてのベストフォー進出のメキシコです。そして、メキシコに勝てば一足先に決勝進出を決めた、大会2連覇を目指すアメリカと対戦します。
各チームの特徴や日程、それに3大会ぶりの世界一を目指す日本の選手たちの状況などをまとめました。
佐々木朗希投手 ブルペンに入って投球練習を行う
WBCの準決勝に進んだ日本の選手たちは19日、試合会場のアメリカフロリダ州の「ローンデポ・パーク」で初めて練習を行いました。
佐々木朗希投手 準決勝の試合会場のマウンドを確認する
このうち、準決勝のメキシコ戦で先発が予定されている佐々木朗希投手はマウンドに足を運び、傾斜や土の感触を確かめました。そして、強めのキャッチボールをしたり、ブルペンで投げたりして調整を行いました。
佐々木朗希 投手
「後ろにはいい投手がいるので球数は気にせず、1つ1つアウトを積み重ねてゼロで抑えたい。勝たないと次はないのでベストを尽くす」
大谷翔平選手 キャッチボールで調整する
また、大谷翔平選手はバッティング練習には参加せず、外野で軽めのキャッチボールをして調整していました。
大谷選手は、準決勝に向けて「もう勝つだけだと思う。ピッチャーは抑えてくれると信じている。あとはバッターがどれだけ楽にさせてあげられるかの勝負だと思う」と意気込みを話しました。
そして、準決勝と決勝で登板する可能性について聞かれると「あすは十分に投げるピッチャーはいるし、みんなが計算通りにいけば、間違いなく勝てる試合だと思う。決勝は中継ぎで行く準備はもちろんしたいと思っている。ここまで球団にもわがままを聞いてもらっているので、最後の最後だし、自分の体と相談しながら決めたい」と話し、決勝は指名打者だけでなく、リリーフとして登板する準備も進める考えを示しました。
一方、野手はシートノックを行って、ボールの跳ね方やフライの見え方などを確認したあと、バッティング練習を行いました。
バッティング練習では準々決勝でツーベースヒットを2本打つなど調子を上げてきた村上宗隆選手や、4番に座った吉田正尚選手が力強いスイングでホームラン性の打球を飛ばしていました。
また、千葉県出身の近藤健介選手や群馬県出身の周東佑京選手、それに母親・久美子さんが東松山市出身のラーズ・ヌートバー選手など、関東にゆかりがある選手たちも準決勝に向けて準備を進めていました。
近藤健介選手 準決勝に向けて調整を行う
周東佑京選手 牧原大成選手や甲斐拓也選手と準決勝の試合会場で調整を行う
ヌートバー選手 打撃練習を行う 村上宗隆選手と大谷翔平選手が見守る
準決勝、日本と対戦するメキシコは5大会連続のWBC出場で、今大会は1次ラウンドで大会連覇を目指すアメリカに勝ち3勝1敗でグループCを1位で通過しました。
準々決勝は前回(第4回 2017年)、前々回(第3回 2013年)と2大会連続で準優勝をしているプエルトリコと対戦し、5対4で勝っています。
代表メンバーは大リーグでプレーする選手が多く、チームを率いるギル監督は、大谷翔平選手が所属する大リーグ、エンジェルスの内野コーチです。
同じエンジェルスの先発左腕、サンドバル投手も代表メンバーで、ことしのキャンプで大谷選手のキャッチボール相手を常に務めるなど、仲がいいチームメートとして知られています。
投手陣の中心は、昨シーズン、ドジャースで17勝をあげ最優秀防御率のタイトルを獲得したフリオ・ウリーアス投手です。
ほかにもアーキーディ投手、ウォーカー投手と大リーグで昨シーズンふた桁勝利をあげた投手が2人いて、サンドバル投手もアメリカ戦で3回1失点で勝ち投手になるなど能力の高いピッチャーがそろっています。
ギル監督は、準決勝ではエンジェルスに所属するサンドバル投手が先発するとすでに明言していて、大谷選手とのチームメート対決が実現します。
26歳のサンドバル投手は昨シーズン27試合に先発して6勝9敗の成績ながら防御率2.91をマークし、チーム内の先発投手陣では大谷選手に次ぐ成績を残しました。
打撃陣はアメリカ戦でホームラン2本を打ったナショナルズのメネセス選手、それに1次ラウンドで打率5割、9打点のレイズのアロサレーナ選手が当たっていて、好調な2人の前にランナーを出さないことがポイントになりそうです。
日本が準決勝でメキシコに勝つと、決勝で対戦するのはアメリカです。
アメリカは今大会、1次ラウンドを3勝1敗でグループCを2位で通過しました。
そして、準々決勝はベネズエラに9対7、準決勝はキューバに14対2で勝っています。
アメリカは、今回のWBCに出場する20チームで唯一、選手30人全員が大リーグの選手で構成され、キャプテンはトラウト選手です。大谷選手のチームメートで大リーグ屈指の強打者です。
アメリカのキャプテン トラウト選手
さらに▽昨シーズンMVPのカーディナルスのゴールドシュミット選手▽ホームラン46本でナショナルリーグのホームラン王を獲得したフィリーズのシュワーバー選手▽通算ホームラン299本でサードの守備でも10年連続でゴールドグラブ賞を受賞しているカーディナルスのアレナド選手など、実績のあるトップ選手が名を連ねています。
野球のWBC=ワールド・ベースボール・クラシックの日本の準決勝は、3月21日午前8時からです。
そして、決勝は3月22日午前8時からとなっています。