国立がん研究センターは、2010年に全国のがん拠点病院などでがんと診断された患者34万人あまりを対象に、診断から10年後の時点での状況を分析しました。その結果、10年後の生存率は全体で53.3%でした。
がん種類と進行度別の生存率の詳細を図表でまとめました。
・甲状腺乳頭ろ胞がん ・前立腺がん
・女性の乳がん ・子宮体がん ・子宮けいがん
・腎臓がん ・喉頭がん ・大腸がん ・胃がん
・卵巣がん ・ぼうこうがん ・腎う尿管がん
・非小細胞肺がん ・胆のうがん ・肝細胞がん
・肝内胆管がん ・小細胞肺がん ・すい臓がん
がんの種類、進行度別のデータは以下の通りです。いずれもがんが原因で亡くなった人だけを推定して算出する「ネットサバイバル」と呼ばれる生存率の値で示しています。
全体の生存率が高い順に示します。
甲状腺乳頭ろ胞がんは、ステージ1が96.4%で、全体では91.0%です。
前立腺がんは、ステージ1が90.6%で、全体では84.3%です。
女性の乳がんは、ステージ1が94.1%で、全体では83.1%です。
子宮体がんは、ステージ1が92.0%で、全体では79.3%です。
子宮けいがんは、ステージ1が91.9%で、全体では68.1%です。
腎臓がんは、ステージ1が82.4%で、全体では65.7%です。
喉頭がんは、ステージ1が73.2%で、全体では58.8%です。
大腸がんは、ステージ1が80.4%で、全体では57.9%です。
胃がんは、ステージ1が77.7%で、全体では57.6%です。
卵巣がんは、ステージ1が83.8%で、全体では51.9%です。
ぼうこうがんは、ステージ1が64.8%で、全体では50.1%です。
腎う尿管がんは、ステージ1が56.6%で、全体では33.9%です。
非小細胞肺がんは、ステージ1が62.5%で、全体では30.8%です。
胆のうがんは、ステージ1が66.4%で、全体では21.6%です。
肝細胞がんは、ステージ1が30.5%で、全体では20.4%です。
肝内胆管がんは、ステージ1が44.1%で、全体では12.0%です。
小細胞肺がんは、ステージ1が22.8%で、全体では5.8%です。
すい臓がんは、ステージ1が28.6%で、全体では5.4%です。
国立がん研究センターは、2010年に全国のがん拠点病院などでがんと診断された患者34万人あまりを対象に、診断から10年後の時点での状況を分析しました。その結果、がん医療の効果をはかる指標となる、10年後の生存率は、全体で53.3%でした。
今回発表された生存率は前回発表された数値よりも低下していますが、その理由について国立がん研究センターは、今回の集計から算出方法を国際的に使われている新たな方法に変更したためだとしています。
国立がん研究センター 石井太祐医師
「治療成績などが悪くなったわけではない。これまで過大評価されていた部分が修正されたことで、より実態を反映した数値になったと考えている」
最新のがんの治療法や、全国各地にある拠点病院、それに相談支援センターなどについての情報は、国立がん研究センターが運営している「がん情報サービス」(ganjoho.jp)にまとめられています。
「がん情報サービス」のウェブサイトでは、部位ごとにステージ別の生存率も見ることができます。