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再配達削減 置き配 宅配ボックス コンビニ受け取り できることは?

  • 2023年3月15日

家庭への荷物の配送を担う運送会社では、再配達による宅配ドライバーの負担増加に頭を悩ませています。物流業界の人手不足が深刻な課題となる中、国土交通省は、再配達の削減を呼びかける取り組みを集中的に進めることになりました。再配達はどう宅配ドライバーの負担になっているのか、再配達を減らすサービスなどについてまとめました。

配達の現場に密着 3個に1個が再配達に

配達の現状を取材させてもらおうと、40代の宅配ドライバーの業務に同行しました。ドライバーは、マンションや戸建て住宅を1軒1軒まわりながら、毎日、70個から100個ほどの荷物を配達しています。

重荷になっているのが再配達です。インターフォンを2回鳴らして反応がなければ、せっかく運んだ荷物を再び車内に戻さなければなりません。

配達に同行した14個の荷物のうち、不在だったのは5個。ほぼ3個に1個が再配達となりました。こうした場合、その日のうちにさらに3回から4回訪ね、それでも不在だと翌日、再び配達に向かうことになります。

宅配ドライバー
「荷物が多い日には、車から玄関先まで走らなければ1日の配達を終えられないこともあります。時間指定をしているのに不在の時は、『なんで?』と思います」

収入増にはならない再配達

配達業務は荷物1個あたりで単価が決まっているため、再配達で負担が増えても会社やドライバーの収入が増えるわけではありません。朝8時に配達を始めても、すべて回り終えるのが夜8時を過ぎることも多いということです。

運送会社「デリバリーサービス」 志村直純社長
「数をこなすことが収益につながるという仕組みになっているので、不在でお届けできないとデメリットも大きい。例えば置き配だと料金が少し割り引かれたり、時間指定だと割り増しになったりといった仕組みが整備されるとありがたい」

再配達削減の取り組みを集中的に

こうした中、国土交通省は宅配業者の負担となっている「再配達」の削減に向けた取り組みを、ことし4月の1か月間、集中的に進めることとなりました。

具体的には、利用者に対して、荷物を確実に受け取ることができる時間帯を指定することや、玄関先などに荷物を届ける「置き配」の活用、それにコンビニでの受け取りや街なかの宅配ボックスの利用などを呼びかけます。

新たな動き 置き配バッグ

再配達を減らすためのサービスも広がっています。東京のベンチャー企業は置き配用のバッグを手がけていて、届いた荷物を宅配業者に入れてもらえ、外出している場合でも荷物を受け取ることができます。

バッグには施錠するための南京錠もついているほか、鍵付きのワイヤーを使って、玄関のドアノブなどにつり下げることもできます。

置き配用バッグ手がける「Yper」内山智晴社長
「再配達が減って快適に荷物を受け取れるようになったと反響をいただいている。このスタイルが広がれば確実に配達の効率化に貢献できると考えている」

駅やスーパーなど 広がる宅配ロッカー

また、駅やスーパーを中心に荷物の受け取りができる「宅配ロッカー」も広がっています。
宅配大手の「ヤマト運輸」が行っているサービスでは、現在、全国およそ6700か所にロッカーを設置しています。

あらかじめ自宅や勤務先などに近いロッカーを届け先に指定すると、荷物が届いてから3日間、いつでも受け取ることができます。会社では今後も各地の再配達の状況などを見ながら、増やしていくことにしています。

再配達の割合 2025年度までに7.5%に

物流業界では2024年4月から、トラックドライバーの労働規制が厳しくなるのに伴って、輸送量が大幅に減少することが懸念されるなど、人手不足が深刻な課題となっています。
国土交通省によりますと、再配達となる荷物の割合は2022年10月の調査で11.8%となっていて、こうした取り組みを通じ、2025年度に7.5%まで引き下げたい考えです。

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