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コロナ飲み薬 塩野義ゾコーバ “後遺症”への効果は 治験結果が公表

  • 2023年2月24日

新型コロナウイルスの感染後に続く“後遺症”とみられる症状に、飲み薬はどんな効果があるのでしょうか。のどの痛みやけん怠感など“後遺症”とみられる症状について塩野義製薬は治験の結果、感染したときに飲み薬の「ゾコーバ」を服用した人では、半年後に症状が出るリスクが半分ほどに下がったと発表しました。治験の結果やこの薬の特徴などまとめました。

「ゾコーバ」都道府県選定の医療機関や薬局で

「ゾコーバ」は新型コロナの初めての飲み薬として2022年11月、12歳以上への投与が緊急承認されました。ゾコーバについて厚生労働省は翌月の12月15日から特に条件を設けず都道府県が選定した医療機関での処方や薬局での調剤が出来るようにすると発表しています。

開発した塩野義製薬は日本時間の2月22日、アメリカで開かれた感染症の学会で発表した最終段階の治験の結果を発表しました。

最終治験 「“後遺症”リスク低下」

発表によりますと、治験に参加した1800人あまりのうち、新型コロナに感染したあと一定程度の症状があり、ゾコーバを服用した患者で半年後にせきやのどの痛み、けん怠感、味覚障害など、14の症状のうちのいずれかを訴えたのは14.5%でした。

一方、偽の薬を服用した人で症状を訴えたのは26.3%で、会社ではゾコーバを服用した人では後遺症とみられる症状が出るリスクが45%下がったとしています。
また、集中力や思考力の低下、物忘れや不眠などの神経症状が出るリスクも33%下がったとしています。

塩野義製薬は「1年後の時点まで追跡調査を続ける」としていて、さらに別の治験で良い結果が得られれば後遺症の予防に使える薬としての追加の承認申請を目指すとしています。

ゾコーバ “症状改善までの期間 1日早まる”

新型コロナウイルスは感染すると細胞内に侵入し、ウイルスそのもののRNAをコピーして増えていきますが、ゾコーバはコピーの準備段階で働く酵素を機能しなくすることでウイルスの増殖を抑えます。

ゾコーバは軽症の段階から服用できる新型コロナウイルスの飲み薬で、重症化するリスクが高い患者を対象にしていたこれまでの薬と違い、重症化リスクの低い患者でも服用できるのが特長で、発熱などの症状が改善するまでの期間が1日早まるとされています。

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