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“コロナ後遺症” 症状と傾向は 感染1年半後でも4人に1人が訴え

  • 2023年2月22日

新型コロナウイルスに感染したあとで続く症状についての研究がまとまりました。国立国際医療研究センターが調べたところ、感染から1年半後の段階でも4人に1人が後遺症とみられる症状を訴えていたということです。記憶障害や集中力の低下、嗅覚異常や「ブレインフォグ」など、症状とその割合、傾向など、研究の内容をまとめました。

東京都内コロナ感染状況 去年6月以来の水準

東京都が2月16日に公表した都内での新型コロナの感染状況と医療提供体制について専門家によるモニタリング項目の分析結果によりますと、15日時点の新規感染者数の7日間平均は1648人で、2022年、去年6月以来となる2000人を下回る水準まで大きく減少しました。
また、入院患者数は、前の週の同じ曜日に比べて522人減り、1424人で5週間連続して減少しました。

“後遺症”訴え 感染から1年半後でも4人に1人

一方、新型コロナウイルスに感染したあとで続く症状について国立国際医療研究センターが調べたところ、感染から1年半後の段階でも4人に1人が記憶障害や嗅覚の異常など後遺症とみられる症状を訴えていたことが分かりました。

国立国際医療研究センター
2020年2月から2021年11月までにセンターや各地の病院を受診するなどした新型コロナ患者で、回復した20代から70代の502人からその後の症状を聞き取って分析。

その結果、何らかの症状があると訴えた人の割合は、半年後では32.3%、1年後は30.5%、1年半後でも25.8%とおよそ4人に1人でした。

1年後段階の症状 記憶障害 集中力低下 嗅覚異常など

このうち、1年後の段階での症状をみると、記憶障害が11.7%、集中力の低下が11.4%、嗅覚の異常が10.3%、頭に「もや」がかかったように感じ、思考力が低下する「ブレインフォグ」が9.1%、抑うつ状態が7.5%、味覚の異常が5.9%、息切れが5.6%、けん怠感が3.8%、脱毛が3.5%などとなっていました。

また、女性は嗅覚の異常や脱毛、集中力の低下、コロナ自体の症状が中等症や重症だった人は息切れやせき、けん怠感が続く傾向があったとしています。

研究をまとめた森岡慎一郎医師
「オミクロン株では、後遺症が出る割合は低くなってきたとされているが、感染した患者は非常に多いので決して侮ることはできない。コロナ自体の症状が軽症でもその後の症状が長引く人はいるので、日頃から感染対策を取っていただきたい」

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