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学校の給食費無償化 東京23区で広がる 子育て支援・物価高で

  • 2023年2月10日

子育て世帯を支援しようと、東京23区では、学校の給食費を無償化する動きが広がっています。新年度予算案に盛り込まれた各区の動きなど、給食費無償化の動きをまとめました。

北区 区立小中学校が対象

物価高の影響で負担が増している子育て世帯を支援するため、東京・北区は、区立の小中学校の給食費をことしの4月から無償化する方針です。

北区は、46校ある区立の全小中学校のおよそ1万8800人を対象に、ことし4月から給食費の無償化を実施する方針です。

区によりますと、小学生は1人あたり年間5万4210円から5万9475円、中学生は1人当たり年間6万7450円となっている保護者の負担を区が負う形で無償化することを決めました。

北区
「今のところ終わりの時期は考えておらず、財源を確保し、できれば継続していきたい」

区は、無償化実現に新たに必要となる11億円あまりを新年度予算案に盛り込み、区議会に提案することにしています。
 

人口23区最多の世田谷区も

東京23区で最も人口が多い世田谷区でも、保護者の負担を軽減するため、新年度、区立の小中学校で給食費を無償化する方針です。

世田谷区は、物価やエネルギー価格の高騰が区民の生活に多大な影響を及ぼしているとして、保護者の負担を軽減するため、ことし4月から学校給食費を全額公費で負担し、無償化する方針を発表しました。

区内に90ある区立小中学校の児童・生徒、およそ5万人が対象で、区は、無償化に必要となる費用、およそ26億5900万円を新年度予算案に計上しました。

世田谷区
「少子化が深刻だという認識のもと、子育て支援を充実させる。できるかぎりの負担軽減を行っていきたい」

品川区 区立全小中学校など

東京・品川区は子育て世帯を支援するためことし4月から区立の小中学校などで給食費を無償化する方針です。

品川区によりますと、子育て世帯を支援するため、学年によって、1食あたり240円から320円となっている保護者の負担を区が負う形で無償化するとしています。

無償化は46ある区立の全小中学校と義務教育学校のおよそ2万3000人を対象に、ことし4月から実施する方針です。

去年、異例の再選挙を経て就任した森澤恭子区長は選挙で給食費の無償化を掲げています。

品川区 森澤恭子区長
「学校給食は子供の食生活を支えている。無償化を通して子どもや家庭を積極的に支えていきたい」

区は、無償化実現に新たに必要となる11億円あまりを新年度予算案に盛り込み、3月の区議会に提案することにしています。

荒川区 小中学校と幼稚園

東京・荒川区は保護者の負担軽減を図るためことし4月から区立の小中学校で給食費を無償化するとともに、これまで弁当の持参が必要だった区立の幼稚園で無償の給食を始める方針です。

荒川区は、物価高騰に直面する保護者への負担軽減として34ある区内の小中学校の児童・生徒およそ1万3000人の対象にことし4月から学校給食の無償化を実施する方針です。

区では学校給食の無償化のため必要となる新年度予算案に7億5000万円あまりを計上しました。

一方、これまで弁当の持参が必要だった8つある区立の幼稚園で弁当方式の無償の給食を始める方針で、区は、これに必要となる2500万円あまりを新年度予算案に計上しました。

都内では新年度予算案などで給食費の無償化方針を示す自治体が相次いでいます。

荒川区
「周辺の区も給食費を無償化する中で、子育て世帯の負担を軽減することが大事だと考えて予算に計上した」

先駆けの葛飾区では

東京・23区では初めて、小中学校の給食費無償化方針を打ちだした葛飾区は、ことし4月から無償化を始めるため必要となる14億円あまりを新年度予算案に計上しました。

葛飾区は、ことし4月から区立の小中学校の給食費を無償化する方針を去年9月、23区では初めて打ち出し、その後、無償化する方針を示す自治体が相次いでいます。

葛飾区は、小学校で学年に応じて3900円から4900円、中学校で5280円を毎月、保護者が負担していたものを区が補助する形で、無償化するとしています。

対象となる児童・生徒は、区立の小中学校や特別支援学校に在籍するおよそ2万9000人で、区は必要となる14億円あまりを新年度予算案に計上しました。

葛飾区 青木克徳区長
「去年、無償化を発表したあと他の自治体から否定的な意見も含めて多くの反応があったが、結果的に多くの自治体が実施する形になってよかった。先導するつもりで子育て施策を前に進めたい」

中央区 保育所でも無償化

東京・中央区は保護者の負担軽減を図るためことし4月から区立の小中学校で給食費を無償化するとともに、保育所などでも給食を無償化する方針です。

中央区は、コロナ禍に加え、物価高騰などで子育て世帯の負担が大きくなっているとして負担を軽減するため20ある区内の小中学校の児童・生徒およそ1万人を対象にことし4月から学校給食の無償化を実施する方針です。
区は学校給食の無償化のため必要となる5億2000万円あまりを新年度予算案に計上しました。

一方、区内に91ある、保育所やこども園に通う3歳児から5歳児を対象に徴収していた給食費も4月から無償化する方針で、区は、これに必要となる1億1200万円あまりを新年度予算案に盛り込みました。

都内では新年度予算案などで給食費の無償化方針を示す自治体が相次いでいます。

中央区
「子どもひとりあたり年間およそ5万円の負担軽減になる。家計負担の軽減で安心して子どもを産み育てられるようにしたい」

台東区 1月から実質無償化

物価高の影響を受ける子育て世帯の経済的な負担を軽減するため、東京 台東区は区立の小中学校の給食費を1月から「当面」実質無償化しました。

台東区によりますと、区立の小中学校の給食費の保護者の負担は、学年によって1人当たり毎月4600円から5900円となっていて、区は1月から「当面」保護者の負担を求めず実質無償化しました。

実質無償化は、物価高に対する緊急の対策として保護者の負担を減らすためおよそ1億3800万円の事業費を今年度の補正予算として計上して食材調達の全面支援などを行うことで実現することにしています。

対象になるのは区立の小中学校26校全校の児童・生徒あわせて9300人余りで、区によりますと小中学校の給食費の実質無償化は23区内では初めてだということです。

台東区
「想定を上回る勢いで物価が上昇しているため、緊急経済対策として子育て世帯への食の支援の拡充を決定したところです。物価の上昇が早期に収まる見込みは難しいため、次年度についても引き続き検討していきたい」

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