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茨城にUFO? 円盤型「うつろ舟」伝説とは 滝沢馬琴ら奇談集に挿絵も

  • 2023年2月7日

江戸時代、茨城県南部の海岸に円盤型の舟が漂着したという伝説があります。「うつろ舟」伝説です。舟は、空飛ぶ円盤に似ているため「江戸時代のミステリー」ともいわれて話題となっています。果たしてこれはUFOだったのか。資料が展示された水戸市にある常陽史料館で、うつろ舟研究の第一人者で岐阜大学名誉教授の田中嘉津夫さんに聞きました。

江戸時代のミステリー「うつろ舟」伝説

「うつろ舟」伝説は茨城県の海岸に江戸時代、円盤型の舟が漂着したという伝説です。「南総里見八犬伝」で知られる滝沢馬琴らが書いた奇談集などによると、時は1803年、いまの茨城県神栖市周辺の海岸に直径およそ5.5メートルの円盤型の舟が漂着しました。

訪れた人

漂着したっていうのだからUFOなのかな、潜水艦ではないだろうしね。

引き上げてみると、中には見たこともない服装の女性が1人。ことばは通じません。女性は60センチ四方ほどの箱を抱え、ひとときも離さなかったといいます。

常陽史料館 当時の様子を記した書物や資料を展示

水戸市にある常陽史料館は、およそ200年前、常陸国の海岸に、箱を抱えた女性を乗せた「うつろ舟」と呼ばれる円盤形の舟が漂着したという伝説を紹介しようと企画展を開きました。
会場には、漂着した日付や場所が記された書物をはじめ、当時の資料など14点が展示されています。

うつろ舟研究の第一人者に聞く

今回、特別にうつろ舟研究の第一人者で岐阜大学名誉教授の田中嘉津夫さんに会場を案内してもらいました。

田中さん

滝沢馬琴が編纂した本の『うつろ舟の蛮女』という記事の絵、有名な絵なのですが、いろいろな本に引用されているのは白黒です。カラーなので最初に見たときはびっくりしました。

「うつろ舟」伝説は、円盤形の舟が、未確認飛行物体=UFOのような形をしていることから「江戸時代のミステリー」ともいわれています。果たして「うつろ舟」はUFOなのか、田中さんに聞いてみました。

岐阜大学 田中嘉津夫 名誉教授
「うつろ舟と、アメリカのUFO伝説に関連性があるという証拠は残念ながら見つかっていません。しかし、当時描かれたうつろ舟は、だいたい同じ構造になっています。この話が作り話だったら、それぞれの作家が適当に絵を描くでしょう。うつろ舟の形には、何らかの根拠があったのではないかと思います」

円盤形の舟は何か…企画展は3月19日まで

会場には、言い伝えに基づいて円盤形の舟を再現したオブジェなども展示されています。茨城県出身の芸術家が手がけたもので、直径は3メートル、高さが3メートルあり、針金と紙で作られたということです。

「うつろ舟」がUFOなのかは、わかりません。しかし、当時、何らかのものが茨城の海岸に漂着し、世間を驚かせたのは本当なのかもしれません。

この企画展は3月19日まで水戸市の常陽史料館で開かれています。休館日は月曜日で入場は無料です。

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